今週のWeb3市場は、大手通信キャリアが地方の才能を発掘する産学官連携プロジェクトから、大手金融・商社による資産トークン化のインフラ整備まで、Web3技術が具体的なビジネスや社会課題の解決ツールとして実用化フェーズに入ったことを示す多様なニュースが報じられました。
クリエイターエコシステムの構築、企業の新たな財務戦略、そして金融インフラの革新。これら多岐にわたる動きを横断的に読み解き、皆様のビジネスに繋がる本質的な変化をお伝えします。
Pacific Metaでは「Web3領域での事業開発に課題を抱えている」「ブロックチェーン技術を事業に取り入れたいがどう活用すべきか分からない」企業様を包括的にサポートします。ブロックチェーンやNFTといったWeb3技術を活用した新規事業の立ち上げから、市場ニーズに適合した事業企画の策定から実行まで、トータルでご支援いたします。Web3を活用した新規事業展開をご検討中の方は、ぜひご連絡ください。
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今週のピックアップニュース
今週特に注目すべきは、Web3技術が単なる金融イノベーションに留まらず、地方創生やクリエイター支援、そして企業の資産戦略といった、より幅広い領域で具体的な価値を生み出し始めたことを示すニュースです。多様な分野での実用化の最前線をご覧ください。
KDDIが秋田公立美大と連携、学生クリエイターのNFT作品を全国へ

大手通信キャリアのKDDIが、秋田公立美術大学および秋田市と連携し、学生のNFTアーティストを育成する産学官連携プログラムを開始しました。このプログラムを通じて制作された学生のデジタルアート作品は、KDDIが運営するNFTマーケットプレイス「αU market」で販売されます。
■ パシメタ編集部のコメント
この取り組みは、単なるCSR活動に留まりません。企業が保有するプラットフォーム(マーケットプレイスや顧客基盤)を、新たな才能やコンテンツを発掘するための「インキュベーション装置」として活用する、極めて戦略的な一手です。
コンテンツやIP(知的財産)を事業の核とする企業はもちろん、あらゆる業界の企業が、自社のアセットをクリエイター支援や次世代顧客の育成にどう転用できるかを考えるヒントになります。自社のプラットフォームを活用したクリエイター発掘・支援プログラムは、将来の有力なIP獲得や、ブランドイメージ向上に直結する投資と言えるでしょう。
三井物産・三井住友信託が「オルタナ信託」を始動、デジタル証券のインフラ整備が本格化

三井物産デジタル・アセットマネジメント(MDM)と三井住友信託銀行が共同で設立したデジタル証券専門の信託会社「オルタナ信託」が、初のセキュリティトークン(ST)案件を発表しました。投資対象は個人投資家でも10万円から投資可能です。
■ パシメタ編集部のコメント
「オルタナ信託」の誕生は、事業会社にとって歴史的な転換点です。これまで流動性が低く、売却や担保評価が難しかった自社保有不動産や、将来の売掛債権といった資産を、セキュリティトークン化によって小口化し、新たな資金調達手段として活用する道が本格的に開かれました。
ゴールドマンとBNYメロン、安全資産の代表格「MMF」をトークン化へ

米金融大手のゴールドマン・サックスとBNYメロンが、顧客向けにマネー・マーケット・ファンド(MMF)をトークン化して提供する計画を発表しました。MMFは安全資産の代表格とされていますが、これをブロックチェーン上で運用することにより、24時間365日の即時決済や、保有状況のリアルタイムな可視化といった付加価値を生み出します。
■ パシメタ編集部のコメント
これまでWeb3やトークン化は、リスクの高いベンチャー投資の文脈で語られがちでした。
しかし、本件は「安全資産の運用効率化」という、全く異なる切り口でブロックチェーン技術の価値を示すものです。日本企業の資金運用や企業年金においても、トークン化された金融商品をポートフォリオに組み入れる選択肢が現実味を帯びてきました。
Pacific Metaでは「Web3領域での事業開発に課題を抱えている」「ブロックチェーン技術を事業に取り入れたいがどう活用すべきか分からない」企業様を包括的にサポートします。ブロックチェーンやNFTといったWeb3技術を活用した新規事業の立ち上げから、市場ニーズに適合した事業企画の策定から実行まで、トータルでご支援いたします。Web3を活用した新規事業展開をご検討中の方は、ぜひご連絡ください。
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週間のダイジェストニュース
その他にも、暗号資産市場全体の潮流から、NFTやメタバースを活用した具体的なマーケティング・地方創生事例まで、今週もビジネスのヒントとなる多様なニュースが報じられています。ダイジェストで一気に確認していきましょう。
暗号資産市場への資金流入、年初来600億ドルでプライベートエクイティを上回る
JPモルガンの最新レポートによると、2025年の年初来で暗号資産市場への資金流入額が600億ドルに達し、同期間のプライベートエクイティ(PE)投資額を上回ったことが明らかになりました。高い金利環境下でも、機関投資家や個人投資家が、高いリターンを期待できる分散投資先として暗号資産を再評価している動きが鮮明になっています。
■ パシメタ編集部のコメント
伝統的なアセットクラスから暗号資産への資金シフトがデータで明確に示されました。これは、もはや無視できない市場の変化です。企業は、自社のサービスにトークン化証券やデジタルアセット運用といった要素を取り込む事業性を再評価し、金融部門と連携した新サービス設計を検討すべき局面に来ています。
日本郵便と東松島市、NFTスタンプラリーで観光客との新たな関係を構築
日本郵便が宮城県東松島市と組み、NFTを活用した観光スタンプラリーを8月から開始します。観光客は訪問の証としてNFTを受け取り、集めた数に応じて特典を得られます。これは、従来の紙のスタンプラリーをデジタル化し、観光客との継続的なデジタル接点を築く試みであり、日本郵政にとっては石見銀山に続くNFT地方創生プロジェクトの第二弾となります。
■ パシメタ編集部のコメント
Web3技術を活用した地域活性化の好事例です。イベント参加や商品購入といった顧客接点をNFTでデジタル証明化することで、一度きりの関係を長期的なファンコミュニティへと昇華させることができます。自社の地方拠点や地域連携プロジェクトで応用できないか、検討する価値は大きいでしょう。
GMOペパボ、法人・自治体向け「メタバース活用パッケージ」提供開始
GMOペパボが、企業や自治体向けにメタバースの企画から運用までをワンストップで支援する「メタバース活用パッケージ」の提供を開始しました。専門知識がない組織でも導入しやすいよう、国の補助金申請サポートまで含まれており、メタバースがより一般的なマーケティングツールへと移行しつつあることを示しています。
■ パシメタ編集部のコメント
「何から始めればいいか分からない」というメタバース参入の最大の壁を取り払うサービスです。外部パートナーを活用してメタバース事業を具体的に検討できる環境が整いました。自社の製品プロモーションや採用イベント、地域貢献活動などで活用できないか、企画を立案してみる絶好の機会です。
伝統の「ねぶた祭」がDAOと融合、Web3で創る新たな地域コミュニティ
日立ソリューションズ東日本らが、青森ねぶた祭で「ねぶた祭DAOアプリ」の実証実験を行います。参加者にNFTのデジタル参加証などを発行し、SNSでの活動に応じて報酬を付与することで、祭りの後も続くデジタルコミュニティの形成を目指します。伝統文化と最新技術の融合による、新しい地域活性化モデルの挑戦です。
■ パシメタ編集部のコメント
自社が関わる地域イベントやファンコミュニティにも、DAO的な発想は応用可能です。参加者にデジタルな証明や特典を提供することで、持続的なエンゲージメントを築けます。既存のブランドや顧客データをデジタル資産として再定義し、新たな価値を創造するヒントがここにあります。
NFT市場が復活の兆し、時価総額1兆円を回復
一時のブームが沈静化していたNFT市場の時価総額が、再び68億ドル(約1兆円)を超え、2025年2月以来の高水準となりました。主要暗号資産の価格回復を背景に、特に「CryptoPunks」のような価値の確立された「ブルーチップNFT」に資金が流入しており、市場の地固めが進んでいる様子がうかがえます。
■ パシメタ編集部のコメント
NFT市場の再活性化は、関連ビジネスを検討する企業にとって追い風です。ただし、重要なのはブームに乗ることではなく、過去の反省を活かし、いかにして長期的な価値を持つコミュニティを形成できるかという点です。自社のブランド価値を毀損しない、持続可能なプロジェクト設計が求められます。
ポカリスエット、高校総体ボランティアの活動をNFTで証明
大塚製薬が、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)で活動する高校生ボランティアに対し、デジタル活動証明書として「ポカリスエット インハイNFT」を発行します。これにより、学生は自身の活動経験を改ざん不可能な形でブロックチェーン上に記録し、将来の進学や就職活動で実績として活用できる可能性があります。
■ パシメタ編集部のコメント
これは、企業の社会貢献活動と、HR(人材)領域におけるWeb3技術の活用を結びつけた画期的な事例です。学生の活動履歴をデジタルで証明する仕組みは、将来の採用活動や人材育成プログラムのあり方を変える可能性を秘めています。教育や人材関連の事業を持つ企業は特に注目すべき動きです。
コメ価格高騰に備える「新米3年チケット」がNFTで登場
福島県只見町の事業者が、将来収穫される新米を現在の価格で購入できる権利を「新米3年チケット」としてNFTで販売開始しました。これは、将来のインフレに対するヘッジ手段と、生産者と消費者を直接つなぐロイヤルティプログラムを組み合わせた、実物引換型NFTの新たな活用事例です。
■ パシメタ編集部のコメント
実物資産に裏付けられた「実需型トークン」は、投機目的ではない、地に足の着いたWeb3の活用法です。価格保証と顧客の事前囲い込みを両立できるこのモデルは、食品メーカーや体験型サービスを提供する企業にとって、新たな販売戦略・顧客関係構築の手法として大いに参考になるでしょう。
「Web3って何ができるの?」「ブロックチェーンは自社ビジネスに本当に役立つの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。Pacific Metaでは、各社の要望や課題に応じてカスタマイズしたWeb3コンサルティングを提供しています。以下のようなご相談をお受けしております。
- Web3技術の活用方法がわからない
- ブロックチェーン導入の費用対効果を知りたい
- NFTを活用したマーケティング施策を検討している
- グローバル展開におけるWeb3活用のアドバイスが欲しい
個別相談も行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
今週は、KDDIによる産学官連携でのクリエイター支援から、三井物産・三井住友信託、ゴールドマン・サックスといった巨大プレイヤーによる「資産トークン化」の本格化まで、Web3が実社会の多様なシーンで価値を生み出すフェーズに入ったことを示す象徴的な一週間でした。
「Web3って何ができるの?」「ブロックチェーンは自社ビジネスに本当に役立つの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?Pacific Metaでは、各社の要望や課題に応じてカスタマイズしたWeb3コンサルティングを提供しています。
- 国内外の大手企業から中小企業まで、様々な業種/業界でのWeb3導入実績あり
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貴社のビジネスニーズに合わせたWeb3技術を駆使して幅広い課題解決をサポートします。お気軽にご相談ください。