ゲームプロデューサーといえばゲーム制作の総責任者とも言える職種です。
憧れを持っている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回Pacific Metaマガジンでは、ゲームプロデューサーに転職するためのノウハウについて紹介します。
見出しは以下の通りです。
- ゲームプロデューサーの求人は多い?
- ゲーム業界の求人がある転職情報サイトを比較
- ゲームプロデューサーを目指すための自己PR・志望動機の書き方
- ゲームプロデューサーを目指すための解答例付き面接対策
- ゲームプロデューサーの仕事内容
- ゲームプロデューサーの年収・将来性
- ゲームプロデューサーへの転職に必要な資格・スキル
- ゲームプロデューサーへの転職を成功へ導く求人情報の見方
ゲームプロデューサーになるのは簡単ではありませんが、転職に少しでも役立ちそうなノウハウを数多く掲載していきます。
ゲームプロデューサーの求人は多い?
ゲーム制作の責任者という立場であるゲームプロデューサー。
ゲーム業界の職種の中では絶対数が少ないので、それほど求人の数も多くはありません。
ただ、求人サイトで検索すると常にある程度の案件は出てきます。
ゲームクリエイター全体の案件が多いため、それを統括するプロデューサーの仕事も必要になるのでしょう。
ただし、ゲームクリエイターで言えばプログラマー・プランナーなどは未経験OKの案件もありますが、プロデューサーで未経験OKはまず存在しないと思ったほうがいいです。
「ゲーム業界 未経験」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
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ゲームプロデューサーの転職情報サイト比較5選!
この見出しでは求人サイト、転職エージェントの情報をお伝えいたします。
※紹介している5社の情報は、2022年4月時点でのものです。
マイナビクリエイター
運営会社 | 株式会社マイナビワークス |
公開求人数 | 1,184件 |
掲載企業・取引先企業の例 | スクウェア・エニックス、SEGA、CAPCOM、Cygames |
URL | マイナビクリエイター |
1つ目の紹介は転職エージェントサイトのマイナビクリエイターです。
公開求人数がずば抜けて多いわけではありませんが、転職サイト大手のマイナビが運営しているため、実績豊富で安心感があります。
取引先企業にも大手ゲーム会社の名前がズラッと並んでいます。
また、マイナビクリエイターは担当者が非常に深い知識を持っていることでも知られており、転職者のポートフォリオを作成する際のサポート&提案力には定評があります。
さらにポートフォリオ作成サービス「MATCHBOX」の運営もおこなっているので、サービスと組み合わせて活動しやすいのがメリットです。
G-JOBエージェント
運営会社 | 株式会社リンクトブレイン |
公開求人数 | 810件(+非公開求人2,600件以上) |
掲載企業・取引先企業の例 | CAPCOM、DMM、GREE、ガンホー |
URL | G-JOBエージェント |
2つ目の紹介は、ゲーム業界特化型の転職エージェントであるG-JOBエージェントです。
ゲーム業界向けエージェントの中では企業求人数No.1を誇っているため、ゲームクリエイターを目指すのであれば確実にチェックしておきたいサイトとなっています。
G-JOBエージェントでアドバイザーになるためには、ゲーム会社での人事経験を3年以上積むなどの条件を満たす必要があるため、担当者の質が保証されているのも嬉しいポイントです。
他の業界を視野に入れているなら別のサイトと併用が必要ですが、ゲーム業界を目指すなら登録は必須と言えます。
レバテッククリエイター
運営会社 | レバテック株式会社 |
公開求人数 | 1,288件 |
掲載企業・取引先企業の例 | DeNA、mixi、ガンホー |
URL | レバテッククリエイター |
3つ目の紹介は、レバテックが運営をおこなっているレバテッククリエイターです。
こちらはWeb・ゲーム業界のクリエイターを専門にして、フリーランスを対象にしている転職エージェントサイトとなっています。
無料のフリーランス相談会なども開催しているので、会社にとらわれない働き方を考えている方にとっては、強い味方となるでしょう。
使用できるツール(プログラム・デザインツールなど)で案件の検索などもできるため、自分のスキルを活かしたマッチングが期待できます。
また、同じくレバテックが運営している関連サイトとして、
- フリーランスITエンジニア向けのレバテックフリーランス
- フリーランスではないITエンジニア・Webデザイナーのためのレバテックキャリア
などもあるので、使い分けの選択肢も幅広いです。
クラウドテック
運営会社 | 株式会社クラウドワークス |
公開求人数 | 911件 |
掲載企業・取引先企業の例 | サイバーエージェント、mixi、アカツキ |
URL | クラウドテック |
4つ目の紹介は、フリーランス向けエージェントサイトであるクラウドテックです。
クラウドソーシングの大手である株式会社クラウドワークスが運営しているだけあり、ライフスタイルに合わせた働き方を様々提案してくれるサービスとなっています。
クラウドソーシングのサービスは副業で働く人も大勢いますが、こちらのクラウドテックは専業として働く人をメインターゲットとしているサイトです。
クラウドテックでは仕事の応募から契約の締結までがオンラインで完結するため、在宅リモートで全ての対応ができます。
仕事の案件も大部分がリモート対応可能となっており、場所に影響されない働き方ができるのが嬉しいポイントです。
エンゲージ
運営会社 | エン・ジャパン株式会社 |
公開求人数 | 548,323件 |
掲載企業・取引先企業の例 | ディースリー・パブリッシャー、クリーク・アンド・リバー社 |
URL | エンゲージ |
5つ目の紹介は、求人掲載サイトのエンゲージ。
エン・ジャパン株式会社が運営する採用支援ツールです。
最大のアピールポイントは、求人企業数がNO.1であること。
まだ業界・職種を1本に絞らずに転職活動をしたい、という方にはおすすめです。
また、エンゲージでは希望の案件をこちらから検索するだけではなく、場合によっては企業からスカウトが来ることもあるのが特徴です。
さらに、適性検査や選考についてもエンゲージを通して一気通貫でおこなえるのが嬉しいポイントとなっています。
ゲームプロデューサーへの転職を成功へ導く自己PRの書き方
就職活動で避けて通れないのが自己PRです。
この見出しでは、その自己PRに入れておきたい内容を4つ紹介します。
過去の経歴を書く
ゲーム業界未経験でいきなりプロデューサーを狙うことはまずないので、過去の経歴はゲーム業界での経験を前提として記載します。
ゲーム業界でのこれまでの経歴を書きつつ、プロデューサー業務をする上で活かせそうなことをアピールしていきましょう。
書く内容は、応募する企業の業務内容に近いものをメインに記載するようにします。
チームをまとめたマネジメント経験が活きる場合もあるでしょうし、SEなどの現場経験が活きる場合もあるでしょう。
成功体験や失敗から学んだ体験を書く
自己PRでは、具体的な成功体験を入れて実力をアピールするのが効果的です。
または、逆に失敗した体験も、書き方によってはアピールの材料となります。
この場合ネガティブな書き方で終わるのではなく、今後に活かすための前向きな記載をするようにしましょう。
成功したこと、失敗したこと自体よりも、その経験を現在や未来のためにどう活かしているか伝えるのが大事なポイントです。
過去の実績を書く
過去にやり遂げた実績は、即戦力が重視されるゲームクリエイターの転職においては一番重視されるポイントとなります。
チームメンバーをまとめた経験、ゲームを企画して完成までたどり着いた経験など、プロデューサー業務に近い内容があればベストです。
転職先の業務内容にも合わせながら、アピールに繋がる実績を考えて書いていきましょう。
「ゲームクリエイター 転職」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
未来のビジョンを書く
上3つは過去の話ですが、自己PRの最後には未来の話も入れておきたいところ。
自分自身のキャリアプランと応募先の企業が掲げている事業目標などを組み合わせて、未来へのビジョンとできればベストです。
挑戦を積極的に受け入れてくれるベンチャー企業であれば、「自分が新事業をプロデュースしたい」と思い切った内容を言っても良いでしょう。
当然、応募する企業ごとに思い描くビジョンの内容は変えていくことが必要です。
例文付!ゲームプロデューサーの志望動機の書き方
自己PRと並んで定番となってくるのが志望動機です。
記載例を交えつつ、その書き方を紹介していきます。
よくある志望動機の例
私は前職の○○(社名)というゲーム会社でプランナーを5年務めていましたが、その頃からマネジメント業務にも興味がありました。
前職では、少なくともあと10年は経験を積まないとプロデューサーへのキャリアアップが叶わない状況だったため転職活動を始め、若手のプロデューサーを積極的に登用している貴社に興味を持ちました。
大企業で培ったノウハウや、これまでプランナー業務で得た企画の知識・スキルを活かしたいです。
こちらは志望動機の基本的な書き方です。
前職での仕事内容から転職を目指した経緯までを、一連の流れで書くようにしましょう。
志望動機には転職理由から書く
志望動機を書く際、基本的には時系列に沿って書いていくのが分かりやすいです。
まずは転職理由から触れていくようにしましょう。
何故転職しようと考えたのか → 転職して何がやりたいか → その企業でどう活かせると感じているのかといった順に書いていけば、相手も理解しやすくなります。
あまり説明を長々と書かないように、テンポ良く記載していきましょう。
好感が持たれる志望動機の例
- 転職理由を伝える時はポジティブな書き方をする
- 自分の希望を伝えるだけではなく、企業の利益にもなるよう意識する
上のような要素が含まれていると、相手に好感が持たれやすい志望動機となります。
転職というのは少なからずネガティブな要素を含みがちですが、志望動機ではできる限りポジティブに言い換えましょう。
また、「自分のやりたいことが会社の利益にも繋がる」という書き方になるよう意識しましょう。
回答例付!ゲームプロデューサーへの転職を成功へ導く面接対策
面接でよく聞かれがちな質問に対しては、事前に回答を準備しておきましょう。
今回は回答例も付けているので参考にしてみてください。
好きなゲームプロデューサーは誰ですか?
この質問に対しては「○○さんです」と言うだけで終わらないように注意しましょう。
そのゲームプロデューサーが好きな理由や、影響を受けて仕事にいかしている点などをセットにして回答するようにします。
回答例
好きなプロデューサーは○○社の○○さんです。
手掛けるソフトごとにコンセプトがはっきりしており、それをSNS等でユーザーに伝えるのが上手いと感じるからです。
私も、社内のメンバーやユーザーに対して、ゲームの面白さを伝えるのが上手いプロデューサーになることを目指しています。
弊社のゲームはプレイしたことはありますか?
Yes/Noや、ゲームのタイトルだけを言って終わりにならないように注意しましょう。
なぜ興味を持ったか、プレイしてみて何に魅力を感じたか、クリエイター側の視点で話すことが重要です。
回答例
「○○(タイトル)」や「○○」をプレイしたことがあります。
私は普段からRPGをよくプレイしていますが、御社のゲームは世界観にこだわりがあってクリエイターの視点からも刺激を受けます。
好きなゲームは何ですか?
ジャンル、タイトルをいくつか挙げ、なぜ好きなのかを具体的に話しましょう。
できれば、その企業が制作しているジャンルに近いものを挙げたいところです。
回答例
あまりジャンルを限定せずプレイしていますが、昔から好きなのはRPGです。
ストーリー性のしっかりしているジャンルが好きで、特に世界観が作り込まれているゲームはプレイしていてワクワクします。
好きな(弊社の)ゲームを1つだけ改善するとしたらどこですか?
プロデューサーの採用面接であれば、このように少し突っ込んだ質問をされる可能性もあります。
まずは問題点と改善点を端的に説明し、次に改善をすることでどのような効果があるのか予測を述べます。
ユーザーの視点とクリエイターの視点、できればどちらも考慮したものを挙げましょう。
回答例
シナリオが継続する長期シリーズは、何作で終わるか事前に告知をした上で全体像を公開します。
今のように次回作の発売予定が分からないままではユーザーが混乱してしまうので、事前の調整に力を割いてでも明確にします。
そうすることでユーザーには分かりやすいですし、制作しているクリエイターのモチベーションも上がるのでないかと考えます。
ゲームプロデューサーの仕事内容
ゲームプロデューサーの役割は、ゲーム作りの総監督と言えるもの。
従って、仕事内容は管理業務がメインになります。
具体的には「予算管理」「スケジュール管理」「人員管理」など、ゲーム作りに関わるあらゆる要素を管理します。
また、最初の企画段階から通しでゲーム制作に携わることもありますが、一方で現場の実務にはあまり手を出さないことが多いです。
ゲームプロデューサーの年収
ゲームプロデューサーの年収は、スキルや経験によってかなりバラつきが大きいです。
業界での経験が必要になってくるので、年代的には中堅からベテラン世代がメインになるでしょう。
求人サイトなどが出している平均年収の算出では、550万円前後になることが多いです。
参考:ゲームプロデューサーの仕事の平均年収は550万円|求人ボックス
上記の例ではアシスタントプロデューサーも数に含まれています。
大きな企業でメインプロデューサーであれば、1,000万円近くの人もいると考えられます。
ゲームプロデューサーの将来性
プロデューサーがいないとゲーム制作は成り立たないので、当然ながらゲームプロデューサーの果たす役割は非常に大きいです。
また、ゲーム業界の市場は近年で全体的に伸びており、中でもスマホゲームなどの手軽にプレイできるタイトルが量産されているという傾向があります。
発売と同時に海外展開されるタイトルも多く、日本のゲームが日本以上に注目を浴びているケースも珍しくありません。
それらを総合的に考えて、ゲームプロデューサーは将来性の大きい仕事と言えるでしょう。
ゲームプロデューサーへの転職に必要な資格・スキルは何?
まず、プロデューサーになるための必須資格と言われるものはありません。
ただ、これまでの経歴を裏付けるような資格を持っていれば、スキルの証明にはなります。
ここでは、ゲームプロデューサーへ転職するために求められるスキルについて、5つ見ていきましょう。
①先見性
未来のトレンドを予測する先見性は、ゲームプロデューサーに欠かせないものです。
ゲーム制作には数年かかることもあるので、企画を作る際には今現在のトレンドよりも、少し先を見る力が必要になるでしょう。
②コミュニケーション力
ゲームクリエイターに共通して求められる能力であり、当然プロデューサーにもコミュニケーション力は必須です。
企業がおこなうゲーム作りはチーム作業ですが、メンバー全員が同じ方向を向いて作業するためには指示を明確に伝える必要があります。
また、プロデューサーは企業の広告塔としてコメントする場面もあるので、記者やユーザーに向かって思いを伝える力も求められます。
③スケジュール管理
プロデューサーは管理業務がメインなので、スケジュール管理能力が求められます。
自分のことはもちろん、プロジェクト全体の進捗管理をディレクターらと共にすることで、ゲーム発売までのスケジュールをコントロールします。
発売の延期は多くのユーザー、関係者を落胆させるため、大きなミスは許されません。
④問題解決力(機転)
プロデューサーは総責任者の立場なので、他の人では解決できないような大きな課題が降りかかることもあります。
解決するためのマニュアルなどは無いことがほとんどで、常に自分で考えて最善と思われる策を練らないといけません。
起点を利かせながら問題解決をおこなう力が必要となるでしょう。
⑤プレゼンテーション力
プレゼンテーション力は、プロデューサー業務のいたるところで発揮されます。
社内で企画を通す場面だけでなく、社外で自社のゲームをアピールする機会も数多くあるでしょう。
プランナーからキャリアアップしてプロデューサーになる人が多いのも、このあたりの理由が大きいです。
ゲームプロデューサーへの転職を成功へ導く求人情報の見方
転職をするためには求人サイトやエージェントサイトなどを使う人がほとんどです。
この見出しでは、そんな求人活動において給与などの待遇以外に見るべきポイントを3つ紹介します。
会社の事業内容が自分の理想に近いか?
自分の手掛けたいゲームの形が会社の事業内容に合っているかどうかは必ずチェックしましょう。
アプリ or コンシューマ、国内 or 海外、オンライン or オフラインなどメインにする事業内容は様々あります。
また、若い人を積極的に募集している求人であれば、新しいことにチャレンジさせてくれる可能性が高いことも読み取れます。
募集している仕事内容と自分のやることが一致しているか?
仕事内容と自分のやりたいこと、あるいは活躍できる分野が一致していることは非常に大切です。
志望動機にも繋げられる部分なので、ここは妥協したくないポイントの1つとなります。
入社後の仕事内容については細かくチェックしましょう。
具体的仕事内容がイメージできる会社か?
募集要項を読んで具体的に仕事内容がイメージできないと、後々「こんなはずじゃなかった」となることもあります。
仕事内容について直接聞く機会があれば、さらに詳しく確かめた方がいいでしょう。
そこでもふわっとした回答しか返ってこなければ、ミスマッチに繋がるリスクが大きいので注意しましょう。
ゲームプロデューサーの転職についてのまとめ
今回Pacific Metaマガジンでは、ゲームプロデューサーに転職するためのノウハウを紹介してきました。
最後に、この記事のポイントを整理しましょう。
- ゲームプロデューサーの求人は決して多くないが、ある程度の数は常に出てくる
- 転職エージェントで案件を探すなら「マイナビクリエイター」「G-JOBエージェント」「レバテッククリエイター」「クラウドテック」、求人サイトなら「エンゲージ」などがおすすめ
- 就職活動の自己PRでは過去の経歴や実績、成功・失敗から学んだこと、未来のビジョンなどを書くようにする
- 志望動機を書くときは、何故転職しようと考えたのか → 転職して何がやりたいか → その企業でどう活かせると感じているのか、といった流れを意識する
- 面接で良くある質問は「好きなゲームプロデューサーについて」「プレイしたことのある(その企業の)ゲームソフト」「好きなゲームについて」「ゲームの改善点を挙げる」など
- プロデューサーは管理業務が多く、スケジュール管理能力やコミュニケーション能力が必要となる
- 他にも先見性や問題解決力、プレゼンテーション能力などが求められる
- ゲームプロデューサーの年収は平均で550万円程度だが、バラつきが大きい
- ゲーム業界全体の市場は伸びているため、ゲームプロデューサーは将来性のある仕事
- 求人情報を見るときは、会社の事業内容や仕事内容を細かくチェックしたい
ゲームプロデューサーは求められるスキルレベルが高いですが、その分やりがいも将来性もある職業です。
転職できるチャンスがあると感じたら、積極的に狙っていきましょう。