「将来はイラストレーターになるのが夢だ!」「ポートフォリオの作り方が分からない」という方も多いのではないでしょうか?
ポートフォリオはクリエイティブ業界に就職するために必要なサンプル集です。
イラストレーター向け、デザイナー向け、プログラマー向けとジャンル別に採用されやすいポートフォリオの作り方にはコツがあります。
今回Pacific Metaマガジンではイラストレーター向けのポートフォリオの作り方について以下の内容をメインで紹介していきます。
- ポートフォリオとは?
- ポートフォリオの作り方について
- ポートフォリオの作成ノウハウはマイナビクリエイターがおすすめ!
- ポートフォリオのテンプレートを紹介!
- ポートフォリオ作成の枚数や注意点について
採用されやすいポートフォリオの公式「たちつてと」の解説やイラストレーター向けポートフォリオの正しい作り方を紹介していきます。
ポートフォリオとは?
ポートフォリオとは自分の実績の売り込みをするためのイラストサンプル集です。
イラストレーターになるためには、自分のプロフィールを紹介し、どんなスキルを持っているか自分のセールスポイントを売り込まなければいけません。
しかし、面接・履歴書・口頭だけでは他人のスキルは中々伝わらないでしょう?
客観的な指標にはクリエイターのスキルを示せるポートフォリオが重要なのです。
イラストレーター志望者の中には絵の得意分野があるのではないでしょうか?
たとえば、美少女キャラクターやイケメンキャラクターの絵が得意な人、リアル寄りの絵が得意な人、背景などジャンル別に得意、不得意があると思います。
ポートフォリオがあると企業やクライアントに、このジャンルの絵が得意だとアピールでき、スキルを客観的に理解してもらえます?
自分が得意な分野があれば企業の面接で公開しない手はありません。
これからイラストレーターとして活動していく人や転職サイトに登録して仕事を探す人にとって、ポートフォリオは第三者にクリエイターの個性を知ってもらう必要不可欠なアイテムです。
イラストレーターのポートフォリオの作り方
ポートフォリオはただ制作して「完成した―」と喜ぶだけではいけません。
イラストレーターとして採用されるためには、企業研究・業界研究・自己分析の情報を元に採用担当者に刺さる作品を制作する必要があります。
こちらでは以下の内容をメインにイラストレーター向けのポートフォリオの作り方を解説していきます。
- 企業の求めるイラスト像を把握する
- 作品を制作する
- ポートフォリオに使うイラストを選定する
- レイアウトを整える
魅せるレイアウトのテクニックも紹介していくので気になる方は最後までチェックしてみてください。
企業の求めるイラスト像を把握する
イラストレーターの企業に就職する際に求められるのは画力だけではありません。
実は画力以外に重要視する要素があります。
その一つが企業の求めるイラスト像を把握することです。
採用担当者だとして考えてみてください。
可愛い系のキャラクターデザインを描いている企業なのに、工業製品のイラストを大量に持ち込んで採用担当側に響くでしょうか?
それに企業のポリシーがコンプライアンスに厳しい会社であるならば、二次創作を持ち込んでもイラストリテラシーが疑われます?
実際に企業のテイストとずれたケースで不採用になるということがかなり多いようですね。
気を付けましょう。
ポートフォリオを持ち込む際も企業の作風に寄せたオリジナルイラストを描けることが大前提です。
企業研究・業界研究・自己分析をしてください。
ポリシー、理念、テイストを理解し、企業の求めるポートフォリオの構成を考えていきましょう。
作品を制作する
企業が求めるイラスト像を決めたら実際に作品を制作していきましょう。
イラスト制作には以下の流れがあります。
- ラフ画
- 色塗り前
- 仕上げ
企業に採用されるためにはラフ画、線画、仕上げ後、工程ごとに数種類の絵を用意するのは参画に効果的です。
実際にポートフォリオではどんなイラストが必要か見て行きましょう。
ラフスケッチ・デッサン集
ラフスケッチ・デッサン集はイラストレーターの基本スキルをまとめた物です。
ラフ画は構図、ポーズ、表情などをクロッキーで描いたラフスケッチのことです。
多様な角度から描けることをアピールしましょう✨
ちなみに、色塗り前の工程を線画と呼びます。
線画はラフ画からGペンなどでなぞり奇麗に線を繋げていく作業です。
ただラフスケッチ・デッサン集はポートフォリオで強調する必要はあまりありません。
最後の見開きで一枚にまとめてしまうレイアウトがおすすめです。
キャラクターデザイン
ゲームやアニメには2Dから3Dで制作された様々なキャラクターがいます。
そのため、イラストレーターになるには男性・女性キャラクターの立ち絵を臨機応変に描かなければいけません。
男性・女性のキャラクターデザインを様々な構図、感情表現、ポーズ、フルカラーイラストで魅力的に描けることを、ポートフォリオでアピールできれば採用率も上がるでしょう✨
アニメ・ゲームの幅広いジャンルのオリジナルなキャラクターデザインを複数作れる人は参画でかなりのアピールポイントになります?
ファンタジーや近未来など世界観に沿ったアイテム、武器・防具を装備させたキャラクターデザインをポートフォリオに載せておくのもおすすめです。
色差分イラスト
ポートフォリオには色差分イラストも載せておきましょう。
色差分イラストは変更前と変更後の違いを表現しているイラストのことです。
たとえば、イラストAの構図のまま、背景、アイテム、装飾品、色などが変更されてイラストBが出来上がるのが、差分イラストの特徴です。
カードゲームで例えると、構図はそのままで背景のクオリティアップさせ、キャラクターの衣装を変化し、SSRのキャラ感を出すときに差分テクニックが使用されます?
同じカードでもRとSSRのイラストが違うのはそのためです。
ポートフォリオで色差分イラストがチェックされるのは制作時間です。
そのため、差分込みの総制作時間をポートフォリオに記載しておくと良いでしょう。
背景込みの一枚絵
イラストレーターとして企業で働く場合、キャラクターデザイン、背景、ラフ画、線画、彩色など作業が分担されています。
そのため、背景込みの一枚絵も、「自分は背景も担当できます」とポートフォリオのアピールポイントになります✨
また、作品ごとにイラストのタイトル、制作時間・時期、オリジナルなら世界観の説明も入れておきます。
背景を描くために使用したアイデア写真を載せておくのもおすすめです。
モンスター
ファンタジー系の創作ではドラゴンやリヴァイアサンなど空想上のモンスターが登場します?
そのため、火を噴く、津波を起こす、羽を羽ばたかせる構図などモンスターの設定をポートフォリオに記載しましょう。
ゲーム制作の企業でプロジェクトに参画する場合も考え、2D・3Dのモデリングの作業工程も載せておくとアピールできます?
見開き左には1ページ全てを使いモンスターの全体像が見える1枚を、隣には前や後ろ姿の画像を載せます。
そして、2ページ目以降に、スカルプト、ローポリモデル、ワイヤーフレーム、ポージング、リグの設定も載せるのがおすすめです。
ポートフォリオに使うイラストを選定する
制作した作品の中から最も魅力的な最高のイラストを表紙に選定してください。
なぜなら、企業には数百枚以上のポートフォリオが届くので、1ページ、1ページ丁寧に見てくれません?
ポートフォリオで見開きの左側に載せる表紙は自信のある1枚にするべきです。
表紙のメインイラストの選定基準は、インパクトがあり提出先の企業のイメージに最も合うものをチョイスします。
たとえば、
- 細部までしっかりと描いた作品
- 色の数が多く鮮やかな一枚
- 装飾とエフェクトが奇麗
- 第一印象が惹かれるイラスト
を基準にして一番自分の作品のイメージを提出先の企業に伝えられるかを考えて選定してください。
表紙にメインのイラストを載せ、2ページ目以降にラフスケッチ、線画、差分イラスト、説明も入れていきます。
複数枚入れる際は構図が似ないように注意しましょう。
ポートフォリオ一冊でテーマや世界観が分かるように制作するのがコツです。
また、提出先企業によって、ポートフォリオのテーマは使いまわしではなく、毎回変更してください。
レイアウトを整える
ポートフォリオのレイアウトを整えることは大事です。
ポートフォリオは余白を上手く活用し奇麗に整列されたレイアウトを意識し、メリハリを出すのがコツです。
こちらではポートフォリオにメリハリやインパクトを出すコツを少し紹介していきます。
A4サイズよりA3サイズがおすすめ!
ポートフォリオはA3サイズの用紙に作品を貼り付けてください。
A3サイズはA4より大きいため第一印象でインパクトを与えられるという大きなメリットがあるからです?
また、1ページに多くの情報を載せることが可能です。
ジャンルごとにタイトルや見出しを記載する
ポートフォリオはデザイン見本帳の目次やwordpressのブログのように章・節・項と章立てて作成するのがおすすめです。
その際にタイトルや見出しを記載しましょう。
たとえば、
- 商業実績
- オリジナル作品
- ラフスケッチ・デッサン集
- ジャンル別
- 年代別
- 手法別
- テイスト別
など大枠のタイトルを作り、その階層からジャンルごとに分けていく構成です。
ジャンルごとにページを分けることで内容が整然とし、見やすく読みやすいレイアウトになります?
余白に制作の詳細やメモ書きを残す!
余白の空いているスペースに自分の案や制作の詳細をメモ書きとして残しておきます。
余白には、
- 制作時間
- 制作した時期
- 使用したツール
- 作業工程の説明
- 世界観の解説
- キャラクター・モンスター・武器防具の設定
などをメモ書きとして残します。
もしゲームやアニメ企業に就職した場合、どんな風に自分の作品が使われるのか、想像しながら説明書きを入れると良いでしょう。
デザインテクニックを使用する
イラストのポートフォリオはメリハリが大事です。
イラレやDTPを使用している方は四隅の余白を一切使わない盤面全体を使うレイアウトも考えてみてください。
盤面全体を使うレイアウトではインパクトが出るので大枠タイトルのメインに使えます。
イラストの上にフォントを重ねると、色が重なり視認性が悪くなりますが、回避できるデザインテクニックもあります。
たとえば、イラストの上に透過したレイヤーを重ねて、作品の詳細を書くと、視認性が良くなり一際オシャレになるデザインテクニックもあります✨
色数が多いイラストに使える効果的なレイアウトテクニックです。
ポートフォリオは縦と横の向きは必ず揃える
横のイラストと縦のイラストがちぐはぐだったら読む際に大変です。
担当者がポートフォリオを読めるように縦と横の向きは必ず揃えてください。
下記の記事では「イラストレーターになる方法」について詳しく解説しています。
ぜひ、こちらの記事もあわせてご覧ください!
採用したいと思われるポートフォリオとは
採用したいと思われるポートフォリオには、た行から始まる「たちつてと」という公式があります。
こちらではその公式を見て行きます。
『た』短時間で
た行の『た』は「短時間で」を表しています。
短時間で終わらすのではなく、担当者が短時間でポートフォリオを見終われるようにする配慮のことです。
目安は担当者がポートフォリオを5分以下で見終われるように作りましょう✨
『ち』違いのわかる
た行の『ち』は「違いのわかる」を表しています。
マーケティング用語でいうと「差別化」や「独自性」です。
他の応募者の作品と自分の作品の違いをはっきりさせます。
『つ』作りたい未来の見える
た行の『つ』は「作りたい未来の見える」です。
作者が企業に入社してどんな作品を作りたいのか、未来のヴィジョンをポートフォリオでどう表現するかが問われています。
企業の求めるデザイン像と自分の作品の共通項を意識してください。
ポートフォリオの作品を通して提出先の企業と、より深い意思疎通を図ります。
『て』手に取りやすい
た行の「て」は「手に取りやすい」です。
たとえば、やたら重くて分厚いポートフォリオを持ってこられたら見るだけでも億劫に感じますよね?
手に取りやすいは、ポートフォリオを見る担当者がイライラしないために必要な製本の気配りです✨
複数の採用担当者が取り回して見られる読みやすさを意識してください。
『と』整っている
た行の『と』は「整っている」かどうかを表しています。
整っているとはポートフォリオのレイアウトのことです。
「フォントの色と背景色の視認性が悪い」「作品に合っていないフォントを使いすぎている」「色を使いすぎてごちゃごちゃしている」などがレイアウトの悪い例です?
イラストの大きさや作品群にメリハリを付けたり、自分のスキルがはっきりと分かるものやテーマをしっかりと意識しましょう。
下記の記事では「イラストレーターの年収」について詳しく解説しています。
ぜひ、こちらの記事もあわせてご覧ください!
イラストレーター転職とポートフォリオ作成に迷ったらマイナビクリエーター
ここまで読んでくれている方はポートフォリオをwordpressのWeb上か紙の製本で作成するか考えているのではないでしょうか?
しかし、wordpressは専門の知識が必要とし、有料のレンタルサーバーを借りなければならず、ポートフォリオを作るだけでも出費と労力が必要です。
ポートフォリオの作成に迷ったらマイナビクリエイターのMATCHBOXという無料のポートフォリオ作成ツールを使用してみてください。
マッチボックスはwordpress以上にラクラク操作ができ実績を簡単にまとめられます。Web出力とPDFのデータ化機能があるため量産も可能!
もちろん、マイナビクリエイターが有能なのはマッチボックスだけではありません。
マイナビクリエイターはWeb・IT・ゲームの転職に強いエージェントです。
登録するとプロのエージェントが面談等でポートフォリオの添削やフォローをしてくれるという様々なメリットがあります?
イラストレーターに転職したいときはWeb・IT・ゲーム業界の求人数が多いマイナビクリエイターに登録するのがおすすめです。
マイナビクリエイターについて詳しく知りたい方は、評判や口コミを詳しく解説したPacific Metaマガジンの記事も満載してあるので読んでみてください。
イラストレーターがポートフォリオを作る際のテンプレート
ポートフォリオはA3用紙またはA4用紙の表紙に、メインで選定したイラスト貼り付けるのが特徴です。
2枚目以降のイラストは見開き左にはジャンル別のメインイラストを載せます。
そして、その隣に案、作品の詳細、彩色前の線画・ラフ画、作業工程、色差分などの追加情報を加えていくのが見やすいポートフォリオのテンプレートです。
こんなイラストのスキルがあるけど企業のテイストに合わない、だけどアピールしたいというものは後ろのページに持っていきます。
ポートフォリオのテンプレートを紹介!
ページ数 | 内容 |
表紙1 | メイン |
中扉 | 空白 |
1P | プロフィール(自己紹介) |
2P | 目次 |
4P~19P | イラストレーションの作品 |
20P~21P | ラフスケッチ・デッサン集 |
22P | 奥付 |
表3 | 空白 |
表4 | 裏表紙 |
テンプレートにある4P~19Pの作品構成は基本自由ですが、「男女キャラクター→モンスター→背景→武器・防具」の順番がおすすめです。
企業のテイストに合うように優先順位を決めて構成してください。
製本はデザイナーや絵師のポートフォリオ、イラストの見本帳などを参考にして構成するといいでしょう?
イラストレーターがポートフォリオ作成にあたっての注意点
イラストレーターがポートフォリオ作成にあたっての注意点を解説していきます。
主に、担当者が読みやすい枚数を意識し、PDFのデータ化を忘れないように注意しましょう。
枚数は多いほうがいい
枚数が1枚とか5枚とか少ない枚数のポートフォリオは明らか不利なので注意しましょう。
ポートフォリオのページ数は枚数が少ないより多い方が、自分にはどんなイラストスキルがあるのか、正確に自分の実力を見てもらえます?
ただし、同じジャンルばかり、構図の角度が同じものばかりだと、データが多くなるだけです。
無駄に多いのはいけません。
分かりやすくまとめてからデータ化することがおすすめです。
また、ポートフォリオは読んでくれる担当者がペラペラッとめくって、短時間で読み終われる枚数がベストです。
たちつてとの公式の「短時間で」でもありましたね。
枚数はおおよそ5枚以上でなおかつ、20P~40P前後が目安だと言えるでしょう。
PDFデータ化する
PDFでデータ化することも忘れないように注意しましょう。
紙のバージョンのみではなく、ポートフォリオをデータとしてPDF化すると後々便利です?
なぜなら、ポートフォリオをPDF化していると、メールで送付できたり、Webでダウンロードできたり、Googleドライブに保存できたりします。
また、データ化されていてネット環境さえあれば、「いつでも・どこでも・何人でも」送信可能になるので便利です。
PDFではレイアウトも崩れにくくより正確に自分の実力を見てもらえるメリットもあります。
ファイル容量が大きすぎると途中でデータが壊れたり、大きすぎると上手く届かないことがあります。
「jpg・PNG・PDF」でデータ化したファイルのサイズは大体5MB前後に留めましょう。
イラストレーターのポートフォリオの作り方のまとめ
今回Pacific Metaマガジンでは採用されやすいイラストレーター向けのポートフォリオの作り方を解説してきました。
- ポートフォリオはクリエイターの売り込みをするイラストサンプル集のこと
- ポートフォリオの表紙はインパクトがあり企業のテイストに合う構成にする
- 採用されるためのポートフォリオには「たちつてと」の公式を目印にする
- ポートフォリオの作成ツールはマイナビクリエイターのマッチボックスがおすすめ!
- A4よりA3のポートフォリオの方がインパクトがある
- 枚数は20枚~40枚を目安にすると良い
- 制作したポートフォリオはデータとしてPDF化すると後々便利
イラストレーションで色んな構図、ポーズ、背景を描けるスキルは大きな武器です。
就活や転職で自分の持っている武器を利用しない手はありません。
自分は色んなタイプのイラストが描けるということをポートフォリオで存分にアピールしていきましょう。
また、直接的なスキル以外にも企業研究・業界研究・自己分析も重要です。
イラストレーターの売り込みには企業の琴線に刺さるようテーマやテイストを合わせて制作し、就活を突破してください。
イラストレーターの就活・転職活動に役立てたら幸いです。
下記の記事では「2021年度の人のイラストレーター」について詳しく紹介しています。
ぜひ、こちらの記事もあわせてご覧ください!