「ゲーミングPCを買うならグラボ性能にこだわりたい」という方も多いはず。
そんなグラフィックボード(GPU)の中でも最高レベルの性能を持ち、人気のある製品が「GeForce RTX 3090」です。
今回Pacific Metaマガジンでは、そんなGeForce RTX 3090について紹介します。
取り扱う内容は以下の通りです。
- 「GeForce RTX 3090」とは(前提知識)
- GeForce RTX 3090の性能・価格について説明
- GeForce RTX 3090搭載のおすすめゲーミングPCを紹介
- ゲーミングPCを買うときはCPUとの組み合わせについても要チェック
- GPU・ゲーミングPCが安くなるセールの時期は?
GeForce RTX 3090の購入を検討している方は、一通り目を通してみてください。
「GeForce RTX 3090」とは
具体的な内容へ入る前に、まずはGeForce RTX 3090の概要について紹介します。
GPUについて詳しくないという方は、一度目を通しておきましょう。
NVIDIAのRTX3000シリーズのGPU
RTX 3090は、NVIDIAという半導体メーカーが製造しているGPUのシリーズで、型番としては3050から10刻みでパワーアップを繰り返しています。
現在はさらに性能を上げた「RTX 3090 Ti」が登場していますが、RTX 3090の位置付けとしては、それに次ぐトップクラスの性能です。
性能を追求した替わりに軽量さや消費電力などは犠牲になっており、サイズ(長さ)は約320mm x 幅140mm(ケースの作りによって変動あり)と、一世代前のRTX 3080: 長さ285mm x 幅110mmと比べても巨大化しています。
この大きさもあり、ゲーミングノートPCに内蔵されたタイプは未だに販売されていないという実情もあります。
シリーズ間における性能比較はレビューサイトなどでもよくおこなわれていますので、迷っている方は参考にしてみると良いでしょう。
GPUとは
GPUは、画像・映像に関連する処理に特化した演算装置を指し、ゲーミングPCにおいては一般的な処理を担当するCPUと別に搭載されていることが多いです。
性能の良いモデルであれば、対応モニターを一緒に揃えることで4K・8Kのゲームプレイにも対応し、『フォートナイト』『APEX』といったFPSゲームを高画質・高フレームレート/高リフレッシュレートで遊ぶために役立ちます。
補足として、GPUの性能は以下のような指標で表されます。
- (CUDA)コア数:多いほど処理を同時に並行しておこなえる
- ベースクロック:処理速度を示す値
- ブーストクロック:負荷が大きくかかったときに引き上げられる限界処理速度
- メモリサイズ:映像処理データを一時的に溜めておける容量。大きいほど処理能力が高い
NVIDIAのGPUであれば、例えばメモリサイズは以下のような変遷を辿っています。
GPU型番 | メモリサイズ |
RTX3090 | 24GB |
RTX 3080 Ti | 12GB |
RTX 3070 Ti | 8GB |
RTX 3060 Ti | 8GB |
GTX 1660 SUPER | 6GB |
GTX 1650 | 4GB |
NVIDIAとは
グラフィックボード業界の現状は、大手2社がシェアをほぼ独占しており、AMDと共に市場を引っ張っているのがNVIDIA(エヌヴィディア)です。
最新NVIDIA製品の特徴としては、光の反射・屈折などをシミュレートできるレイトレーシング機能やAI機能の搭載などが挙げられます。
また、独自に開発・提供を進めている「CUDA(クーダ)」というプログラミングモデル・プラットフォームを持っているのも強みで、処理性能を表す値としても「CUDAコア数」という独自指標を持っているメーカーです。
「ゲーミングpc」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
「GeForce RTX 3090」のスペックは?
続いては、GeForce RTX 3090の価格・性能について詳しく見ていきます。
価格
価格については、公式ホームページでは229,800円となっています。
実際の販売価格としては、価格ランキングサイト等で確認できた限りの最安値が207,064円(2022年5月30日時点:Amazon)でした。
※随時変動している可能性があります。
TSUKUMO(ツクモ)などのBTOショップやヨドバシカメラなどの家電量販店ではやや高めとなっており、値段の相場としては23万円台後半~34万円台後半程度です。
過去モデルと比較すると、3060Ti:7万円~、3070Ti:9万円~、3080Ti:15万円~などとなっています。
性能
RTX 3090の性能は以下のようになっており、レイトレーシング機能の実現も可能なレベルに到達しています。
- CUDAコア数:10496
- ベースクロック:1.40GHz
- ブーストクロック:1.70GHz
- メモリサイズ:24GB
値の意味が分からない場合は、「GPUとは」の見出しに記載した説明をご覧ください。
なお、PCパーツメーカーによってカスタマイズ設定を加えることがあるので、製品の性能自体に違いは無いですが、販売元によって若干の差は生まれてきます。
中には独自にオーバークロックをして性能を引き上げている製品もありますが、その分寿命は短くなる可能性が高いので注意してください。
GPUを扱うPCパーツメーカーとしては、GIGABYTE・MSI・ASUS・玄人志向などが有名です。
「ゲーミングpc パーツ」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
「GeForce RTX 3090」搭載のオススメゲーミングPC6選!
続いては、RTX 3090を搭載したゲーミングPCを各メーカーから紹介します。
OS・CPU・メモリ・ストレージ容量(SSD:ソリッドステートドライブ / HDD:ハードディスクドライブ)・価格についても記載しています。
※価格は2022年5月30日現在のものです。
ガレリア「Z-Series ZA7C-R39」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル Core i7-12700K |
メモリ | 16GB(8GB×2)DDR4 |
ストレージ | SSD:1TB |
価格(税込) | 469,980円 |
今回紹介している中では一番価格の安いモデルで、グラフィックス面を重視したカスタマイズにしたい方へおすすめです。
メモリが32GB程度あったほうがバランス的には良いので、カスタマイズで変更するのもありでしょう。
マウスコンピューター「G-Tuneフルタワー XP-Z-LC」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル Core i9-11900K |
メモリ | 64GB(16GB×4)DDR4 |
ストレージ | SSD:2TB HDD:4TB |
価格(税込) | 519,800円 |
メモリが64GBありストレージ容量も大きいので、ゲーム動画の録画などをおこなっても耐えられるスペックとなっています。
水冷式ファンが搭載されており、冷却性能が高いのも嬉しいポイントです。
DELL「Alienware Aurora Ryzen™ Edition R14スプレマシー」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | AMD Ryzen 9 5950X |
メモリ | 16GB(8GB×2)DDR4 |
ストレージ | SSD:512GB |
価格(税込) | 502,384円 |
デザインのカッコ良さで知られるAlienware(エイリアンウェア)よりハイエンドモデルの紹介です。
+約2万円で、1TBのSSD&2TBのHDDが付いてくるカスタマイズが可能です。
また、メモリも+約2万円で32GBにできるので、このあたりは検討の余地があります。
DELL「Alienware Aurora R13スプレマシー」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル Core i9 12900KF |
メモリ | 16GB(8GB×2)DDR5 |
ストレージ | SSD:512GB |
価格(税込) | 491,984円 |
こちらもAlienwareの製品ですが、CPUにはインテル製品を採用し、メモリは高性能のDDR5を搭載しているという違いがあります。
上と同じようにストレージやメモリのカスタマイズは可能なので、あわせて検討しましょう。
ASUS「ROG Strix GA35G35DX(G35DX-R9R3090EC)」
OS | Windows10 Pro 64ビット |
CPU | AMD Ryzen 9 5950X |
メモリ | 64GB DDR4 |
ストレージ | SSD:1TB HDD:2TB |
価格(税込) | 599,800円 |
パーツメーカーとしてRTX 3090も扱っているASUSのゲーミングPCです。
他社の製品より若干高いですが、カスタマイズには安心感があります。
HP「OMEN 45L-GT22-0993jp エクストリームモデル【S2】」
OS | Windows11 Pro 64ビット |
CPU | インテル Core i9-12900K |
メモリ | 32GB(16GB×2)DDR4 |
ストレージ | SSD:2TB |
価格(税込) | 641,300円 |
今回紹介している中では一番高価なモデルとなりますが、Windows11 Proが搭載されているという特徴があります。
HPのPCを普段から使い慣れているという方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
「GeForce RTX 3090」と相性の良いCPUは?
RTX 3090は単体でも値段が高い製品ですが、替わりにCPUの性能を少し下げてリーズナブルに済ませようとするのはやめましょう。
なぜなら、GPUと比較して性能の低いCPUを使ってしまうと、性能差による「ボトルネック」が発生してしまい、GPUの性能を十分に発揮できない場合があるからです。
ということで、この見出しではGPUの性能をフルに発揮できるCPUを紹介します。
性能を表す以下の指標についても記載します。
- コア数:多いほど処理を並行しておこなえるが消費電力も大きくなる
- スレッド数:コア数と同じ、またはコア数の2倍になるものがあり、実質的な処理数を表す
- 基本周波数(クロック):処理のスピードを示す値
- 最大周波数(ターボブースト):引き上げられる限界の処理スピード
- 熱設計電力(TDP):消費電力の目安になる値で、低い方が省エネ
Intel Core i9-10920X
コア数 | 12 |
スレッド数 | 24 |
基本周波数(クロック) | 3.50GHz |
最大周波数 | 4.60GHz |
熱設計電力(TDP) | 165W |
Core i9-10920Xはクロック数が非常に高いことが特徴です。
値段としては10万円程度する高価なものですが、RTX 3090となら合わせる価値が十分あるでしょう。
Intel Core i9-7940X
コア数 | 14 |
スレッド数 | 28 |
基本周波数(クロック) | 3.10GHz |
最大周波数 | 4.30GHz |
熱設計電力(TDP) | 165W |
コア数・スレッド数はCore i9-10920Xよりも多い製品で、全体的にバランスの取れたモデルとなっています。
AMD Ryzen 7 5800X3D
コア数 | 8 |
スレッド数 | 16 |
基本周波数(クロック) | 3.40GHz |
最大周波数 | 4.50GHz |
熱設計電力(TDP) | 105W |
表には記載していないですが、キャッシュ容量が非常に大きいという特徴を持っており、利用頻度が高いデータは処理速度が大幅に速くなります。
ゲームタイトルによっては表の数値以上に性能を発揮するでしょう。
Intel Core i9-7960X
コア数 | 16 |
スレッド数 | 32 |
基本周波数(クロック) | 2.80GHz |
最大周波数 | 4.20GHz |
熱設計電力(TDP) | 165W |
コア数・クロック数は文句無しのトップクラスとなっており、並列処理に強みを持つCPUです。
その分、消費電力が高くなりやすいことには注意しましょう。
AMD Ryzen 7 5700X
コア数 | 8 |
スレッド数 | 16 |
基本周波数(クロック) | 3.40GHz |
最大周波数 | 4.60GHz |
熱設計電力(TDP) | 65W |
性能的には上のRyzen 7 5800Xよりも後に発売されて、省エネの観点で優れている製品となっています。
Ryzen 5 5600Xでは力不足ですが、このRyzen 7 5700Xであればどうにかボトルネックになることはないでしょう。
「GeForce RTX 3090」搭載のゲーミングPCが安くなるセールの時期は?
非常に高価なRTX 3090ですが、時期によってはセールで安く手に入れられる可能性もあります。
中古ショップやヤフオクなどのオークションサイト、メルカリなどのフリマサービスでも安く手に入れられる可能性はありますが、保証などの点でリスクが大きいです。
まずはBTOショップで新品を探すことをおすすめします。
年末年始セール
12月~1月に開催されます。
在庫整理の意味合いで特定商品が一気に安くなることが多いので、タイミング的には最もチャンスが大きいです。
新生活セール
こちらは3月~4月に開催されます。
家電などと一緒でPCも安くなりやすいタイミングなので、忙しい時期ではありますが見逃さないようにしましょう。
クリスマスセール
ショップによっては年末年始と別タイミングでクリスマスセール、冬のボーナスセールなどが開催されることもあるので、12月に入ったらチェックしておいた方が良いでしょう。
ボーナスセールなら、7月前後の夏にもセールが開催されることが多いです。
ゲーミングPCのGeForce RTX 3090についてのまとめ
今回Pacific Metaマガジンでは、GeForce RTX 3090についてお届けしました。
最後に、この記事の内容を整理しましょう。
- GeForce RTX 3090は、半導体メーカーNVIDIAが製造している最高クラスのGPU
- 値段は20万以上するが、CUDAコア数・メモリサイズといった性能指標では着実に進化を遂げている
- ゲーミングPCを購入するときは、GPUとCPUの性能差が大きくなり過ぎないように注意
- CPUについてもコア数やクロック数などを性能の指標にすると良い
- ゲーミングPCを安く手に入れたいのであれば、「年末年始」「新生活応援」などのタイミングで開催されるセールを見逃さないようにしよう
グラフィックボード(GPU)はゲーミングPCの命と言っても良いパーツなので、じっくり時間をかけて選定していきましょう。