ゲーミングPCにとっては要のパーツと言っても良い存在がグラフィックボード(GPU)ですが、そんなグラフィックボードをどう選べばいいか困っているという方も多いのではないでしょうか。
今回Pacific Metaマガジンでは、人気グラボの一つであるGeForce RTX 3060について紹介します。
取り扱う内容は以下の通りです。
- NVIDIA製グラボ「GeForce RTX 3060」とは
- GeForce RTX 3060の性能・価格は?
- GeForce RTX 3060搭載のおすすめゲーミングPCを紹介
- GeForce RTX 3060と相性の良いCPUは?
- ゲーミングPCのセール時期について
- 中古でゲーミングPCを買う場合の注意点
グラフィックボードのことはほとんど何も分からなくても理解しやすいように、説明を入れながら解説していきます。
「GeForce RTX 3060」とは
まずはGeForce RTX 3060というグラフィックボードについて、概要や立ち位置などを紹介していきます。
「GeForce RTX 3060」はゲーミングPCに搭載されるNVIDIA製グラボ
GPUの開発メーカーであるNVIDIAは2018年ごろから「RTX」シリーズという、リアルタイムレイトレーシング技術(RT)を搭載した製品をリリースしています。
レイトレーシングとは光の反射や影の描写などをおこなう技術のことで、搭載することで負荷が大きくなるかわりにゲーム中の表現力が一気にアップします。
今回紹介するRTX 3060は、スペック的な位置づけとしてはミドルクラスで、映像クオリティにこだわらなければ幅広いゲームが楽しめる製品です。
ケースを含めてもサイズがそれほど大きくならず比較的軽量なので、ノート型のミニPCに採用されていることもあります。
使用の際はPCにNVIDIAドライバを追加することで認識し、ソフトウェア上で管理できるようになります。
グラボとは
グラフィックボード(GPU)は、画像や映像の処理に特化した演算装置を指します。
一般のPCではCPUに内蔵されている形だったり、そもそも付いていなかったりすることもありますが、ゲーミングPCの場合は性能の良いものが入っていることがほとんどです。
GPUの性能は以下のような指標で表されます。
- (CUDA)コア数:多いほど処理を同時に並行しておこなえる
- ベースクロック:処理速度を示す値
- ブーストクロック:負荷が大きくかかったときに引き上げられる限界処理速度
- メモリサイズ:映像処理データを一時的に溜めておける容量。大きいほど処理能力が高い
慣れてきたら上記のような指標も参考にすると良いでしょう。
NVIDIAとは
GeForce RTXシリーズを開発しているのはNVIDIA(エヌヴィディア)というメーカーです。
グラフィックボード業界の現状は、このNVIDIAとAMDという大手2社がシェアをほぼ独占しており、製品を選ぶ際はほぼ2択という状況になっています。
性能的には甲乙つけがたい2社ですが、NVIDIAの特徴としては「CUDA(クーダ)」というプログラミングモデル・プラットフォームを独自に持っているという点が挙げられます。
NVIDIA製のGPUは、処理性能を表す値として「CUDAコア数」という独自指標を持っていることも特徴的です。
「ゲーミングpc」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
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「GeForce RTX 3060」の性能は?
GeForce RTX 3060の性能を数値的に表すと以下のようになります。
- CUDAコア数:3584
- ベースクロック:1.32GHz
- ブーストクロック:1.78GHz
- メモリサイズ:12GB
メモリサイズの比較をすると、後続の製品よりも大きくなっているのが特徴的です。
GPU型番 | メモリサイズ |
RTX 3090 | 24GB |
RTX 3080 | 10GB |
RTX 3070 | 8GB |
RTX 3060 Ti | 8GB |
RTX 3060 | 12GB |
RTX 3050 | 8GB |
GTX 1660 | 6GB |
GTX 1650 | 4GB |
他の性能が低いので実質的な処理能力は後続モデルに劣っているのですが、画像や動画の編集作業をする際などには強さを発揮します。
多くのゲームを推奨環境以上でプレイできるスペックを持ちますが、4Kでのゲームプレイをするにはギリギリなので、『APEX』や『フォートナイト』などのFPSジャンルで60fps以上を出したいなら、上位の3060Tiか3070程度は欲しいところです。
4K画質にこだわらないのであれば、高フレームレート/高リフレッシュレートの環境は十分狙える(対応モニターは別途必要)でしょう。
「GeForce RTX 3060」の価格は?
NVIDIAの公式ホームページによる販売価格は49,980円となっているRTX 3060ですが、通販サイトやヨドバシカメラなどの家電量販店における搭載グラボの平均的な相場は5万円~9万円程度となっています。
GPUの中でも人気のある商品であることや、近年の半導体不足などが影響して値段が高騰しているようです。
ちなみに、今回記事を作成したタイミング(2022年5月31日)での最安値は、ドスパラにおける51,980円でした。
「GeForce RTX 3060」搭載ゲーミングPCのオススメ6選!
この見出しでは、GeForce RTX 3060を搭載したおすすめゲーミングPCをノート・デスクトップそれぞれ3つずつ紹介します。
※同じ「GeForce RTX 3060」でも、デスクトップ用とノート用では中身・性能が違っており、デスクトップ用の方が全体的には性能が高い点には注意してください。
ここで紹介した以外にも、ツクモ・HPなどのメーカーから出ているゲーミングPCはおすすめ製品が多いです。
余裕があればチェックしてみましょう。
ノートゲーミングPC
まずはノート型のおすすめ製品を3つ続けて紹介します。
マウスコンピューター「G-Tune E5-165 (JeSU公認PC)」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル Core i7-11800H |
メモリ | 32GB(16GB×2)DDR4 |
ストレージ | SSD:1TB |
ディスプレイ | 15.6型 液晶パネル |
価格(税込) | 252,780円 |
15.6型の大きめディスプレイは、リフレッシュレート165Hz対応の高性能液晶パネルです。
メモリは最大64GBまで増設可能となっており、カスタマイズ性も高いモデルとなっています。
Lenovo「560i (第11世代インテル)」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル Core i7-11800H |
メモリ | 16GB(8GB×2)DDR4 |
ストレージ | SSD:1TB |
ディスプレイ | 15.6型 FHD IPS |
価格(税込) | 181,606円 |
こちらの製品も、165Hzと高リフレッシュレートのディスプレイを採用しています。
冷却機能も考えられた設計で、コスパにとても優れたモデルです。
ASUS(エイスース)「ROG Strix G17 G713RM」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | AMD Ryzen 7 6800H |
メモリ | 16GB DDR5(増設・交換サポート外) |
ストレージ | SSD:1TB |
ディスプレイ | 17.3型ワイドTFTカラー液晶 |
価格(税込) | 229,800円 |
ディスプレイは大型の17.3インチを搭載し、リフレッシュレートはなんと240Hzに対応しています。
メモリの増設・交換はサポート外ですが、転送速度などに優れる新規格「DDR5」を採用しているので性能的には問題無いでしょう。
デスクトップゲーミングPC
続けて、デスクトップ型のおすすめ製品を3つ紹介します。
ガレリア「XA7C-R36」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル Core i7-12700 |
メモリ | 16GB(8GB×2)DDR4 |
ストレージ | SSD:1TB |
価格(税込) | 219,980円 |
ドスパラが持つゲーミングPCブランド「ガレリア」より、オーソドックスなミドルクラスモデルを紹介します。
ゲームプレイだけならそうそう困ることのない、十分な性能を持っています。
マウスコンピューター「G-Tune HM-BJ(JeSU公認PC)」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル Core i7-12700 |
メモリ | 32GB(16GB×2)DDR4 |
ストレージ | SSD:1TB |
価格(税込) | 299,800円 |
グラフィックボード以外のパーツ性能が全体的に良く、値段は高めのモデルです。
幅広い用途に使えるPCとなっています。
DELL「Alienware Aurora R13スタンダード」
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル Core i7-12700F |
メモリ | 16GB(8GB×2)DDR5 |
ストレージ | SSD:512GB |
価格(税込) | 250,384円 |
デザイン性に定評のあるDELLのゲーミングPCブランド「Alienware」からスタンダードモデルを紹介します。
ストレージ容量が少ないですが、HDDの有無を含め容量は細かくカスタマイズ可能なので安心です。
「GeForce RTX 3060」と相性の良いCPUは?
ゲーミングPCを購入する際は、CPUとGPUをセットで購入すると間違いが少ないです。
なぜなら、どちらかの性能が低すぎると相手の足を引っ張ってしまい、全体的な性能が低下してしまう恐れがあるからです。
対応CPUという形ではありませんが、RTX 3060と性能的に差があまり無いおすすめCPUを紹介します。
製品ごとに表で紹介している性能の意味は、以下の通りです。
- コア数:多いほど処理を並行しておこなえるが消費電力も大きくなる
- スレッド数:コア数と同じ、またはコア数の2倍になるものがあり、実質的な処理数を表す
- 基本周波数(クロック):処理のスピードを示す値
- 最大周波数(ターボブースト):引き上げられる限界の処理スピード
- 熱設計電力(TDP):消費電力の目安になる値で、低い方が省エネ
Intel Core i5-11500
コア数 | 6 |
スレッド数 | 12 |
基本周波数(クロック) | 2.70GHz |
最大周波数 | 4.60GHz |
熱設計電力(TDP) | 65W |
コスパがまずまず良く、省電力性能にも優れているCPUです。
似ている製品としてCore i5 11600がありますが、そちらからクロック数を引き下げて価格も落としているのが、このCore i5-11500となっています。
Intel Core i5-11400F
コア数 | 6 |
スレッド数 | 12 |
基本周波数(クロック) | 2.60GHz |
最大周波数 | 4.40GHz |
熱設計電力(TDP) | 65W |
上のCore i5-11500より若干性能が落ちていますが、価格がかなり安くコスパが最強クラスのCPUです。
グラボとの相性的には問題無いですが、性能に余裕を持たせたいのであれば若干物足りないかもしれません。
Intel Core i7-10700E
コア数 | 8 |
スレッド数 | 16 |
基本周波数(クロック) | 2.90GHz |
最大周波数 | 4.80GHz |
熱設計電力(TDP) | 65W |
上で紹介したおすすめデスクトップPCにはCore i7-12700(F)が搭載されていましたが、もう少しリーズナブルな値段で安定した動作をさせたい方へおすすめのCPUです。
パワー的にはそれほど無い製品なので、負荷のかかるゲームをしたいのであれば、もう少し上の性能で選んだ方が良いかもしれません。
「GeForce RTX 3060」搭載ゲーミングPCが安くなるセールの時期は?
せっかくゲーミングPCを買うのであれば、できる限り安い値段で買いたいと考えるのは当然なので、ここではおすすめのセール時期を紹介します。
このセール時期は、PC本体だけではなく、Razer(レーザー)などのゲーミングデバイスメーカーにも当てはまります。
そちらのサイトについても、あわせてチェックしておきましょう。
年末年始セール
12月・1月に開催される年末年始セール。
商品が一番安くなる可能性の高いセールなので、特におすすめです。
新年に売られる福袋はリスクが高いので、購入時はよく考えましょう。
新生活セール
3月頃から4月にかけて開催されるのが新生活応援セールです。
大学生向け、社会人向けなどの製品が売り出されやすいので、新生活とは関係の無い人もチェックは忘れないようにしておきましょう。
クリスマスセール
年末年始セール以外にも、クリスマス / 冬のボーナス / 歳末大感謝など、12月は様々なセールがある時期です。
名称に惑わされず、念入りに確認するようにしましょう。
「GeForce RTX 3060」搭載のゲーミングPCを中古で買う場合の注意点は?
ゲーミングPCを中古で購入することは、保証や寿命などの点でリスクが大きいので初心者は控えたほうが良いです。
特にメルカリなどのフリマサイトやヤフオクなどのオークションサイトは、良し悪しの判別が難しいので手を出さないほうが賢明でしょう。
それでもどうしても買いたいという場合は、製造年や使用状況などをきちんと確認した上で購入するようにしてください。
「ゲーミングPC 寿命」について詳しく知りたいという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください!
ゲーミングPCのGeForce RTX 3060についてのまとめ
今回Pacific Metaマガジンでは、GeForce RTX 3060についてお届けしました。
最後に、この記事の内容を整理しましょう。
- グラフィックボード(GPU)は画像や映像の処理に特化した演算装置を指し、RTX 3060はNVIDIAが開発したミドルクラスの製品
- 性能的にはメモリサイズの大きさが特徴で多くのゲームを快適にプレイできるが、4K画質を出すにはややスペック不足
- 値段は最低でも5万円~と、近年やや高騰している
- デスクトップ型・ノート型両方に幅広く採用されているので選択肢は広い
- RTX 3060と組み合わせるCPUは、i5やi7の後期世代(後ろの数字で判断)を選ぶと良い
- ゲーミングPCを買うのであれば、中古で買うよりもセール時期を狙うのがおすすめ
購入の際は3060Tiや3070などの後続製品とも比較しながら、慎重に選んでいきましょう。