一昔前に比べると、メタバースは誰でも手軽に楽しめるコンテンツになってきました。
今回Pacific Meta マガジンでは、メタバースを体験できる方法について紹介をおこないます。
この記事の内容は以下の通りです。
- メタバースの定義や特徴など
- メタバースを体験できる主な方法(PC or スマホ)
- メタバースを体験するために必要なスペック
- メタバースを体験できるアプリ・プラットフォームを紹介
※この記事では2023年6月6日現在の情報をお伝えします。
無料で体験できるコンテンツを数多く紹介しているので、気軽にチェックしてみてください。
メタバースとは
メタバースは「meta(超越した)」と「universe(宇宙)」を合わせた造語です。
明確な定義は決められていませんが「アバターの存在」「3次元の世界」「多数のユーザーによる同時接続」「アイテムなどの創造」「経済活動」「没入感」などがキーワードとして挙がるケースが多くなっています。
マルチプレイのオンラインゲームをプレイする方なら、似た雰囲気を感じるのではないでしょうか。
仮想通貨やNFTなどを含めて、リアルマネーを使った経済活動が盛んにおこなわれているのはゲームとの大きな違いかもしれません。
少し前までは資産家や投資家、有名人などがメインになって楽しんでいるイメージもありましたが、現在のメタバースは始めるまでのハードルがだいぶ下がってきました。
メタバースを体験するメリット・デメリット
続いては、メタバースを体験する上でのメリット・デメリットについて見ていきます。
特にプレイするリスク(デメリット)の部分については注意してご覧ください。
メリット
メタバースのメリット・特長としては以下のような要素が挙げられます。
- 家にいながら現地の臨場感が味わえる
- 世界中の人とコミュニケーションを取れる
- 仮想通貨やNFTを通して経済活動をおこなえる
- 現実世界では実現が難しい演出を取り入れられる
「臨場感」「コミュニケーション」「経済活動」といったキーワードは、メタバースの定義にも含まれてくる部分です。
家に居ながら現地さながらの熱気を味わえるというのは大きな醍醐味でしょう。
デメリット
多くのメリットがある一方で、メタバースには以下のようなリスクもあります。
- 法整備の間に合っていない部分がある
- セキュリティ上のリスクがある
- 開発・運用に大きなコストがかかりコンテンツが量産できない
メタバースでは仮想通貨やNFTなどを使った経済活動が活発におこなわれていますが、特に日本国内では法整備が十分でないところもあります。
万が一資産が流出するなどのトラブルが発生した場合に、100%の補償が受けられない可能性もあることは頭に入れておいたほうが良いでしょう。
ちなみに、メタバースについて参加するハードルが高いイメージを持っている方がいるかもしれませんが、最近はスマホ1台で無料登録できるサービスも増えて、以前より手軽に参入できるようになってきました。
ハードルの高さはもはや感じないところにまで来つつあるでしょう。
メタバースを気軽に体験できる主な方法
メタバースを自宅で気軽に体験するのであれば「PC+VRゴーグル」or「スマホアプリ」を利用するのが良いでしょう。
それぞれの詳細を見ていきます。
PCやVRゴーグルを通して利用する
本格的にメタバースの世界へ入ってバーチャル体験をしたい方は、PCとVRゴーグルの利用がおすすめです。
スマートフォンと比べると初期費用がかかりますが、没入感は段違いなので十分な体験価値を感じることができるでしょう。
対応しているVRゴーグルとしてはMeta Questが代表的です。
現在は「2」が47,300円から販売されており、「3」の発売も予定されています。
もちろんVRゴーグルは無しでもメタバースを体験することは可能なので、スペックの良いPCを持っているなら利用を検討してみましょう。
スマートフォンのアプリから利用する
スマホアプリで手軽にメタバースを体験できるサービスも増えてきました。
スマホ以外に特別な準備は必要無く、無料で利用開始できるものがほとんどです。
従来のメタバースのイメージとは少し違った雰囲気かもしれませんが、最近は良い意味でソシャゲ感覚のプレイスタイルが流行りつつあります。
VRゴーグルを使ったような没入感はありませんが、ハードルは非常に低いので初心者にはおすすめです。
具体的なサービス名は下の見出しでも紹介しているので、興味のある方はチェックしてみてください。
メタバースを体験するために必要なもの
メタバースを体験するにはどういったPC・スマホが必要なのか気になる方も多いでしょう。
前提として、要求されるレベルはサービスごとに違ってくるので、利用したいプラットフォームが決まっているのであれば推奨環境を個別にチェックすることをおすすめします。
ここでは、下の見出しでも紹介している『cluster(クラスター)』のサービスを基準に必要・推奨スペックを紹介していきます。
参考サイト(2023年6月5日参照)
最低動作環境について – ヘルプセンター | cluster(クラスター)
PCのスペック
PC用のメタバースサービスを利用する場合は、いわゆるゲーミングPCレベルのスペックを利用しないと快適に動かない可能性があります。
特に大規模なイベントでは参加人数に比例してマシンへの負荷が大きくなるので、ユーザー数の多いサービスを使いたいなら気をつけましょう。
参考として『cluster』における最低動作環境は以下の通りです。
- CPU:Intel Core i5-4590 / AMD FX 8350 以上
- メモリ:8GB 以上
- グラフィックス:Intel Iris Graphics 540 以上
(VR利用の場合、NVIDIA GTX 970 / AMD R9 290 以上)
上記は「低負荷時に動作遅延などが起こらない必要最低限のスペック」と記載されているので、実際にはさらに余裕を持ったスペックを用意することが望ましいでしょう。
スマートフォンのスペック
スマートフォンの場合はiPhoneとAndroidで基準が分かれます。
iPhoneであれば公式で販売中のモデルであれば間違い無いでしょう。
Androidの場合はスペックが千差万別なので、メモリやGPUなどの性能をチェックする必要があります。
『cluster』における最低動作環境は以下の通りです。
- iPhone:X 相当以上
- Android:Google Pixel 3 相当以上
- メモリ:3GB 以上
- GPU:OpenGL ES 3.0 以上をサポート
メモリとGPUについては、iPhoneの場合ほとんど気にする必要がありませんが、Androidユーザーの方はチェックしておきましょう。
推奨スペックとしては「iOSではiPhone 11相当以上、AndroidではGoogle Pixel 4相当以上」としています。
メタバースを体験できるアプリ・プラットフォーム紹介
ここからはメタバースを体験できる具体的なサービスを紹介します。
公式サイトへのリンクも付けているので、気になったものがあればチェックしてみてください。
PCやVRゴーグルを通して利用できるプラットフォーム3選
まずはPCやVRゴーグルに対応しているサービスを紹介します。
スマホに対応しているものもあるので、PC・VRゴーグルを持っていない方も確認してみてください。
cluster(クラスター)
cluster(クラスター)は日本企業のクラスター株式会社が運営しており、無料でアクセスすることができるプラットフォームです。
スマートフォンにも対応していてVRゴーグルを持っていなくても参加可能なので、誰でも簡単に参加することができるでしょう。
アバターは用意されたものから選ぶ以外に、自作のデータを取りこむこともできます。
ちなみに、ニュースや情報番組などでよく紹介される「バーチャル渋谷」にはだいたい『cluster』の映像が使われています。
どこかで見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。
公式Webサイト
https://cluster.mu/
VR chat(チャット)
VR chat(チャット)はアメリカが運営するVRプラットフォームです。
世界的なプラットフォームとしての知名度はおそらく一番高いので、世界中の人とコミュニケーションを取りたい方や、VRヘッドセットを持っている方には特におすすめします。
「Unity」で制作したワールドやアバターを利用できるのが特徴的で、クリエイターを目指す方なら一度は体験したいコンテンツです。
公式Webサイト
https://hello.vrchat.com/
DOOR by NTTXR
DOOR by NTTXRは、NTTのサービスブランド「NTT XR」が運営しているプラットフォームです。
サイトに入ると様々な企業が展示用の部屋を作っていて、気軽に中を覗きたくなる作りになっています。
サイトのレイアウトや操作説明などが分かりやすいので、初心者の日本ユーザーにおすすめです。
公式Webサイト
https://door.ntt/
スマートフォンで利用できるアプリ3選
続いてはスマホ1台で利用できるメタバースのアプリを紹介します。
手軽にプレイを開始できるのが大きな強みです。
ZEPET(ゼペット)
ZEPET(ゼペット)は韓国産のメタバースアプリで、日本語にも対応していて無料で始められます。
アバターのカスタマイズ性が高く、ファッションに力を入れている女性向けのコンテンツが多いことが特徴です。
ファッションアイテムを作成して販売することもできるので、クリエイターの方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
※ワールドの作成等、一部のコンテンツの利用にはPCが必要になります。
公式Webサイト
https://web.zepeto.me/ja
FORTNITE(フォートナイト)
TPSのバトルロイヤルゲームといて知られているFORTNITE(フォートナイト)ですが、実はメタバースとしての側面も持っています。
マップを自由にカスタマイズできる「クリエイティブモード」や他のユーザーとの交流ができる「パーティーモード」などの登場により、ゲーム内に街が作られて他のユーザーとのコミュニケーションが発展し始めました。
米津玄師のバーチャルイベントがおこなわれたことでも話題になり、他のアーティストによるバーチャルライブが何度も開催されています。
公式Webサイト
https://www.fortnite.com/
REV WORLDS(レヴワールズ)
REV WORLDS(レヴワールズ)は、三越伊勢丹ホールディングスが運営しているプラットフォームです。
ここでは仮想空間の新宿を歩き回ったり、三越伊勢丹新宿店でショッピングを体験したりすることができます。
他の企業とのコラボイベントなども実施されているので、買い物以外のコンテンツを楽しむことも可能です。
もちろん日本語のサービスなので、気軽に始めることができます。
公式Webサイト
https://www.rev-worlds.com/
メタバースを体験できる方法についてのまとめ
今回Pacific Meta マガジンでは、メタバースを体験できる方法について以下の内容をご紹介しました。
この記事のポイントを一覧で整理しましょう。
- メタバースの明確な定義は無いが、「アバターの存在」「3次元の世界」「多数のユーザーによる同時接続」「アイテムなどの創造」「経済活動」「没入感」などをキーワードとして挙げるケースが多い
- メタバースには「家にいながら現地の臨場感が味わえる」「世界中の人とコミュニケーションを取れる」「仮想通貨やNFTを通して経済活動をおこなえる」「現実世界では実現が難しい演出を取り入れられる」などのメリットがある
- 一方で「法整備の間に合っていない部分がある」「セキュリティ上のリスクがある」「開発・運用に大きなコストがかかる」といったリスクもある
- メタバースを体験するには「PC+VRゴーグル」or「スマホアプリ」といった手段がある
- PCは「ゲーミングPC」クラスのスペックにMeta QuestなどのVRゴーグルを組み合わせるのが理想的
- スマホはiOSならiPhone 11相当以上、AndroidならGoogle Pixel 4相当以上なら多くのメタバースで推奨スペックを満たす
スマホアプリに対応しているプラットフォームであれば、特別な準備をすること無く利用できるものがほとんどなので、まずは無料サービスから入ってみましょう。
また、オンラインコンテンツだけではなく、現実の施設でおこなっている体験会に行ってみるのもおすすめです。
移動の手間はかかりますが、大規模な施設であれば5感を使った仕掛けも味わえるのが大きなメリットです。
オフラインのVR施設は東京・大阪・名古屋といった大都市を中心に展開しており、ZEXAVERSE TOKYO(ゼクサバース トウキョウ)などが人気を集めています。