カナダのデジタル資産運用会社3iQは、ブータン南部の特別行政区「ゲレフ・マインドフルネス・シティ」と戦略的パートナーシップを締結し、同都市が保有するビットコイン準備金の一部運用を受託したことを発表しました。同都市は国家のビットコイン保有資産から最大1万BTCを都市開発資金に充当する計画を掲げており、今回の提携はその具体的な活用の次の段階にあたります。暗号資産を専門運用機関を通じて国家・地域規模の事業開発へ繋げる取り組みとして注目されます。
ゲレフ・マインドフルネス・シティでの運用受託と事業基盤の構築
カナダの大手デジタル資産運用会社である3iQは、2026年7月30日にブータン南部の特別行政区「ゲレフ・マインドフルネス・シティ(GMC)」との戦略的パートナーシップ締結を発表しました。3iQはGMCが保有するビットコイン準備金の一部を裏付けとする専用運用枠の管理を担当します。また、運用の委託にとどまらず、現地人材への投資や知識移転を進めることで、ゲレフにおける長期的な事業基盤の構築を目指す方針です。
GMCは2025年12月、ブータンの国全体のビットコイン保有資産から最大1万BTCを都市開発の支援に充てる方針を表明していました。今回の提携は、その方針に基づく準備金の戦略的運用を実行するフェーズに位置づけられています。GMCが3iQをパートナーに選定した理由として、制度的な信頼性とデジタル資産運用における実績が挙げられています。2012年に設立された3iQは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を対象とした上場投資商品(ETFなどの金融商品)を世界で初めて展開した運用会社として知られています。
ブータンのビットコイン保有残高の変動とマイニング事業の現状
今回のパートナーシップの背景には、ブータン政府による保有ビットコインの継続的な売却と活用方針が存在します。ブロックチェーン分析プラットフォームのアーカムのデータによると、同国の政府系ウォレットからの流出額は2026年の年初来で2億3,000万ドルを超えています。ブータン政府の保有残高は2024年10月のピーク時に約1万3,000BTCに達していましたが、2026年6月中旬時点では1,749.96BTCにまで減少し、ピーク時と比較して約9割減少したことが報告されています。
ブータンはこれまで、国内の豊富な余剰水力発電を活用したマイニング(採掘)事業を通じてビットコインを積み立ててきました。しかし、直近1年以上は主要ウォレットへの大規模な入金が確認されていないため、マイニング事業が停止または縮小している可能性が指摘されています。売却によって得られた資金はGMCの都市開発構想に充てられているとみられており、国家が保有する暗号資産を実体経済の都市インフラ構築へ転換する動きが進められています。
ポイント
- カナダの3iQがブータン南部の特別行政区「ゲレフ・マインドフルネス・シティ(GMC)」と提携し、ビットコイン準備金の運用を受託しました。
- GMCは国家保有分から最大1万BTCを都市開発支援に充てる計画を掲げており、今回の運用委託はその実行段階にあたります。
- 提携には資産管理だけでなく、現地人材への投資や技術・知識移転による長期的な事業基盤の構築が含まれています。
- ブータン政府は水力発電を活用したマイニングでBTCを積み立ててきましたが、売却により保有残高はピーク時の約1万3,000BTCから約9割減少しています。
- 国家・地域レベルで保有する暗号資産を専門機関の運用を通じて都市開発へ活用する事例として、Web3産業のビジネス応用面で重要な意味を持ちます。