米CFTCが仮想通貨無期限先物を巡るCME提訴の却下を申し立て。原告適格の欠如を主張する方針

米商品先物取引委員会(CFTC)は2日、仮想通貨の無期限先物契約の分類を巡って米大手デリバティブ取引所のCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)が起こした訴訟について、ワシントンの連邦地裁に却下を申し立てました。この訴訟は、予測市場プラットフォームのカルシが申請したビットコイン無期限先物をCFTCが承認したことに対し、CMEが取り消しやスワップへの再分類を求めていたものです。CFTCは、CME自身も無期限先物を上場できる立場にあるため競争上の不利益は自らの意思決定によるものであり、原告適格を欠くと主張しています。米国の規制下における暗号資産デリバティブ商品の法的枠組みと、取引所間の競争環境のあり方を示す事例として注目されます。

監修:ブロックチェーンマガジン編集部

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訴訟の背景とビットコイン無期限先物の承認経緯

今回の対立の発端は、予測市場プラットフォームを運営するカルシがCFTC登録の指定契約市場(DCM)として申請した、ビットコイン(BTC)の無期限先物商品「BTCPERP」にあります。カルシは2026年5月末に、マイケル・セリグ委員長から先物契約としての承認を受けました。無期限先物とは、満期を設けずに資金調達手数料(ファンディングレート)の授受を通じて価格変動リスクを移転する仮想通貨デリバティブ商品を指します。

これに対し、CMEは6月中旬にワシントンの連邦地裁へCFTCを提訴しました。CME側はこの承認および関連する政策声明の撤回を求めるとともに、当該商品を先物ではなくスワップとして認定する司法判断を求めて争う構えを見せていました。

原告適格の欠如と商品分類に関するCFTCの反論

ワシントン連邦地裁に提出された申し立て書において、CFTCはCMEが原告適格を欠いていると主張しました。カルシなどの他の指定契約市場と同様にCME自身も無期限先物を上場することが可能であるため、CMEが主張する競争上の不利益は同社自らの意思決定に起因するものだとしています。

さらにCFTCは、仮に裁判所が無期限先物をスワップと再分類したとしても、他の取引所が同種の商品を提供できる状況に変わりはなく、CMEが主張する不利益は解消されないと指摘しました。カルシなどの指定契約市場がスワップとして同商品を提供することも可能なため、分類の変更がCMEの競争環境に与える影響は限定的であるとの見解を示しています。

実体的な法解釈に関しても、CFTCはCMEが契約承認の権限自体を争っているわけではなく、分類をスワップとすべきだったと主張しているに過ぎないと説明し、無期限先物は先物に該当するとの立場を維持しました。その上で、CMEの訴えは商品取引法(CEA)が保護する「利益の範囲」にも該当しないとしています。

仮想通貨関連の弁護士であるジェイク・チャービンスキー氏は、CMEが原告適格を欠くとするCFTCの論理を的確であると評価しています。同氏は、CME自身が無期限先物を提供できた点を考慮すれば不利益は自ら招いたものであり、今回の訴訟は実質的な意味を持たないとの見方を示しています。

ポイント

  • 米CFTCが無期限先物の分類を巡るCMEの訴訟についてワシントン連邦地裁に却下を申し立てました。
  • カルシによるビットコイン無期限先物「BTCPERP」の承認を巡り、CMEがスワップへの分類と承認撤回を求めて提訴していた経緯があります。
  • CFTCは、CME自身も無期限先物を上場できる以上、主張される不利益は自らの判断によるものであり原告適格を欠くと反論しています。
  • 裁判所がスワップと認定しても他社が提供できる状況は変わらないため、分類変更による競争環境への影響は限定的とCFTCは説明しています。
  • 米国市場において無期限先物が先物契約として正式に位置づけられるか、取引所の法的権利と商品設計の観点から注目されます。
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