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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

米財務省が仮想通貨取引所MEXCとの送金を米金融機関に禁止。制裁回避関連取引160億ドルの手助けを受け米金融システムから排除する方針

米財務省金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は現地時間6日、仮想通貨取引所のMEXCグローバル(MEXC Global)との送金を米国の金融機関に禁じる命令を出し、同取引所の米金融システムへのアクセスを事実上遮断しました。米財務省によると、同取引所はイランや北朝鮮、ロシアなどの制裁回避やサイバー犯罪に関連する取引を少なくとも160億ドル(約2.5兆円)分手助けし、制裁対象者との直接取引にも関与していたとされています。今回の措置は「エコノミック・アウトキャスト作戦」の一環として実施されたものであり、暗号資産を介した制裁回避に対して米当局が取引所を金融インフラから排除する強硬姿勢を示した事例として注目されます。

監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

160億ドル規模の不正取引関与と管理態勢の不備

米財務省の発表によると、MEXCグローバルは2021年5月から2026年5月までの間に、少なくとも160億ドルに上る制裁回避やサイバー犯罪関連の資金移動に関与したとされています。このうちロシアの制裁回避に関連する取引が15億ドル近くを占めており、米国やEU、英国が制裁対象に指定している事業体との直接取引は2億3,200万ドルに達しました。

さらに、同期間中には一部が制裁対象となっているイランの仮想通貨取引所40超との間で約10億ドルの直接取引が行われていたほか、制裁対象であるイラン中央銀行やイラン革命防衛隊、同部隊のコッズ部隊のための取引も約2,200万ドル確認されています。

同取引所は2018年に創業し、2026年9月時点では1日の取引高が10億ドルを超え、準備金は約50億ドルに達するなど、世界の仮想通貨取引所で上位20に入る規模を有していました。MEXCグローバルは資金洗浄対策(AML)や顧客確認(KYC)の方針を掲げ、イランや北朝鮮などでの利用を禁止していたものの、対策の重大な不備によって禁止地域の個人や団体の取引を許容し、結果として違法資金の主要な経路になっていたと同省は指摘しています。

米金融システムからの排除と当局の方針

FinCENが出した命令により、米国の金融機関はMEXCグローバルとの送金が禁止され、同取引所は米金融システムから事実上締め出されることになりました。

この措置は、米財務省が進める「エコノミック・アウトキャスト作戦」の一環として行われたものです。ベッセント財務長官は「金融機関は両方を得られない。イラン政権を支援するか、米金融システムにアクセスするかのどちらかだ」と発言し、同政権の経済的な生命線を断つとともに、デジタル資産を用いた制裁回避の試みを継続して阻止する方針を明らかにしています。

ポイント

  • 米財務省金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)が米金融機関に対し、仮想通貨取引所MEXCグローバルとの間の送金を禁じる命令を出しました。
  • MEXCグローバルは2021年5月から2026年5月にかけて、イラン、北朝鮮、ロシアの制裁回避やサイバー犯罪に関連する取引を少なくとも160億ドル分手助けしたと指摘されています。
  • 同取引所は2026年9月時点で1日の取引高が10億ドルを超える上位取引所でしたが、AMLやKYCの重大な不備により禁止地域の違法資金経路になっていたとされています。
  • 今回の措置は米財務省の「エコノミック・アウトキャスト作戦」に基づくものであり、デジタル資産による制裁回避に対して米金融システムへのアクセスを断つ厳しい方針が示された点で注目されます。

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