NFTアートは1点数百万円以上で取引され何かと話題を呼びます。
小学生が夏休みの宿題としてNFTアートを出品し1400万円で落札されニュースになりました。
NFTアートを出品したいけど作り方・売り方が分からない人も多いでしょう。
今回Pacific Meta マガジンではNFTアートの作り方を以下の内容をメインで解説していきます。
- NFTアートとは？
- NFTアートの作り方
- NFTアートの売り方
- NFTアートの出品方法・販売手順を解説
- 有名なNFTアーティスト5選を紹介
初心者でもドット絵やデジタルイラストを簡単に作成できるアプリも紹介していきます。
NFTアートとは
こちらではNFTアートの特徴と違いについて解説していきます。
NFTアートの特徴
NFTアートの特徴はデジタルデータにNFTを発行するかしないかということです。
今までクリスタやフォトショップのイラストソフトで描かれたデジタルアートをネット上にアップロードすると、再ダウンロードやコピー、改変が安易にできるものでした。
従来の技術を覆したのがNon Fungible Token（代替え不可能なトークン）と呼ばれる技術です。
NFTアートは、NFTと同じくブロックチェーン技術を用いているため、デジタルの所有証明書を発行して、偽造・コピーの改ざんがなどが困難で、一意性を保ち価値を持ちます。
専用のサービスで作成したデジタルデータにNFTを発行してもらいNFT化できます。
NFTアートの種類
こちらではNFT化できるアートの種類を以下の内容をメインで紹介していきます。
- デジタルイラストレーション
- デジタル絵画
- デジタル写真
- VFX（Visual Effects）
- 電子音楽
どのようなアプリで作成できるかも解説していきます。
デジタルイラストレーション
NFTアートで最もオーソドックスなのがデジタルイラストです。
種類も多く、アバター、美少女系イラスト、トレカ、SNSのアイコン、ドット絵、などが挙げられます。
斎藤なおき氏が描いたデジタルイラストが13.69ETH（当時で600万円）で落札され話題になりました。
クリスタやSaiのようなイラストアプリでデジタルイラストを作成できます。
デジタル絵画
タブレットとペイントツールで描いたデジタル絵画もNFTアートで人気コンテンツの1つです。
油絵、水彩画、水墨画など、従来の絵画技法で描かれたアナログ作品を、デバイスにスキャンして、デジタルデータに変換後、NFT化も可能。
NFTフラワーで取引高65億円を売り上げた、現代美術のアーティストの「村上隆氏」が挙げられます。
Photoshopはもちろん、手書き用のブラシや色紙が豊富なIbis Paint Xでも作成できます。
デジタル写真
風景や人物を撮影してNFT化された、デジタル写真も人気コンテンツの1つです。
撮った写真をそのままNFT化しても問題ありません。
PhotoshopやGimpなどのレタッチソフトで加工して作成すると、より綺麗に仕上がるでしょう。
何枚もの写真を合成して作る手法の、コラージュ作品も作るのが安易なため需要があります。
VFX（Visual Effects）
VFXはXR（AR・VR・MR）の最新技術と親和性が高く、NFTでも人気のコンテンツです。
メタバースでは建築の3DCG背景やNFTアイテムにも、VFX技術で作成されていることも多いのが特徴です。
Adobe Premiere ProやMaya、Blenderを使いVFXを作成できます。
電子音楽
電子音楽もNFT化してマーケットプレイスに転売することができます。
ブロックチェーン上にアドレスを付与し、コピー・改ざんがされないのがNFTのメリットです。
しかし、電子音楽NFTの場合微妙にニュアンスが違い、コピーガード機能ではありません。
「この音源を購入したのは自分であるという所有証明」ができることです。
MP3の拡張子で音声をNFT化したりDTM環境で電子音楽を作成したりしてNFT化できます。
NFTアートの作り方
NFTアートとデジタルアートの作り方はほとんど変わりません。
こちらでは作成したデジタル作品をNFT化するまでの手順を見ていきましょう。
1．作品を作る
NFTアートはプロも使用するクリスタを活用すれば作成できるでしょう。
こちらでは初心者でも簡単にデジタルイラストを作成できる2種類のアプリを紹介していきます。
- 8bit Paint
- Ibis Paint X
手書きはもちろん、写真撮影した画像を加工できるアプリです。
話題のドット絵の作り方（初心者向け）
ドット絵はSNSのアイコンにも使いやすいため、NFTイラストの中でも需要があります。
ドット絵を描いてNFTアートを出品したい方におすすめなのが、ドット絵を描くのに特化した8bit painterです。
8bit Painterを使えばドット絵の作り方も簡単です。
ドットを簡単に打てるピクセルキャンバスの専用テンプレートが用意されています。
小難しい設定をする必要がありません。
直感的で簡単なので誰でも手軽にドット絵が描けます。
デジタルイラストレーションの作り方（初心者向け）
本格的なデジタルイラストでNFTに挑戦したい方はIbis Paint Xがおすすめです。
レイヤー機能を搭載した多機能アプリで、画像を切り抜いた軽いレタッチもできます。
ツールは直感的で初心者にも使いやすいことから、シリーズ累計3億ダウンロードを記録しました。
Ibis Paint Xを使えばデジタルイラストの大半は何でも描けるでしょう。
- デジタルイラスト
- SNSのアイコン・ヘッダー
- 美少女キャラクター・アバター
- 風景画
- 静物画・デッサン
- 写真加工
PC、タブレット、スマホに対応で、タップ操作も可能。
紙質やカスタムブラシが合計15,000種類以上あるため、手書き風のイラストもデジタルで再現できます。
2．作品をデジタル化する
手書きの場合はアナログデータをPCにスキャンしてデジタル化してください。
アナログデータをスキャナーでスキャンしてデータを取り込み加工します。
そして、手書きの状態から不要なゴミを除去して、ラフ画をトレースし、着色するという流れでイラストを完成させます。
イラストを完成させたら、「.JPG」などのデータに合わせた拡張子を付けて、パソコンにデータを保存しデジタル化しましょう。
もともとイラストアプリを使用している人はこの項目は必要ありません。
3．作品をNFT化する
データを保存しただけではNFT化されていません。
NFTを販売するOpenSeaなどのマーケットプレイスに登録して、Ethereumブロックチェーンを選び、作品をNFT化（ミント）します。
ブロックチェーンは分散型台帳と呼ばれる技術で、鎖に繋がれたデータ群のことを指します。
NFT作品がブロックチェーンのメンバーに入る感じをイメージするとよいでしょう。
ブロックチェーンにNFT作品を発行し、支払いトークンを選択して、初めてデジタルアートとNFTアートの差別化ができるのです。
売れるNFTを作るには
作品をNFT化して出品したものはいいものの、全然売れないと悩んでいる人も多いと思います。
NFTアートを売るためには、NFT独自のコンセプト作りや、マーケティング戦略が重要です。
こちらではNFTアートの売り方について解説していきます。
コンセプトを統一する
売れるNFTアートを作るにはクオリティを求める必要はありません。
それよりもトレンドを把握し、コンテンツを徹底的にリサーチし、自分のNFTアートはどんなコンセプトがよいか考えましょう。
売れているアーティストの多くは「忍」「ゾンビ」「ドット絵」のコンセプトを統一しているからです。
魅力的で共感できる独自性のあるコンセプトなら、顧客の琴線をピンポイントで刺激し、覚えてもらいやすくなります。
クオリティが低くても、十分勝負できるNFTになります。
アイコンや壁紙に活用しやすいアートにする
NFTで売るにはネット上でも使いやすいアイコンや壁紙に使いやすいアートにするとよいでしょう。
アイコンや壁紙は価格も安価で買いやすく、お手頃なNFTアートも多いからです。
TwitterでもNFTのアイコンを設定するとアイコンの形が六角形になるサービスも提供されています。
ユーザー側からすればSNSにアイコンを設定することで様々なメリットが生まれます。
- NFTアイコンの共有ができる
- ホルダー同士で繋がれる
- SNSアイコン映えがしたい
- プレゼント用に丁度いい
- 有名作品だとフォローされやすい
- クリエイターを応援できる
また、有名なインフルエンサーが自分のNFTアイコンや壁紙を使ってくれると、プロモーション活動にもなるでしょう。
知名度が上がると自然とNFTアートの露出する可能性が高まるのです。
SNSでの露出を増やす
どんな商品も世間に認知されなければ売れません。
NFTを売るにはSNSでの露出を増やしましょう。
有効な宣伝方法がGiveAwayと呼ばれるNFTアートに適したマーケティング方法です。
GiveAway企画は作成したNFTを抽選でプレゼントし、コレクションのオーナーを増やし、SNSで宣伝してもらいます。
しかし、無料で配りすぎると供給が増えすぎて、NFTそのものの価値が減少します。
コレクション作成初期やコレクションの新作発表前後など、ここぞというときに個数限定でGiveAway企画をしましょう。
安い価格で出品する
NFTが売れない理由の1つに価格が高すぎることが挙げられます。
BAYC（Bored Ape Yacht Club）やCryptoPunksの人気NFTはブランドが確立したからこその値段です。
ドット絵など工程数の少ないNFTであれば、安い価格の方が売れやすい可能性があります。
ブランドが認知されだすとフロアプライスも上がっていく傾向があります。
NFTアートの出品＆販売手順
NFTアートをマーケットプレイスに出品・販売するまでにいくつかの手順が必要です。
こちらでは日本でもユーザー数の多いOpenSeaとメタマスクをメインに、NFT作品を出品から販売する方法を解説していきます。
仮想通貨取引所のアカウントを作成
ETHを売買できる仮想通貨取引所に口座を作成しアカウントを作成しましょう。
ETHを日本円でも入金できるCoinCheckをおすすめしています。
- 会員登録
- メール認証
- 電話番号認証
- 個人情報の入力
- 本人確認書類の提出
- 2段階認証
以上のステップを行い問題がなかったら、本人確認用のハガキが、数日～2週間程度で郵送されてきます。
ウォレットを作成する
仮想通貨専用の財布（ウォレット）を用意しましょう。
OpenSeaでも使用できる「メタマスク」がおすすめです。
ブラウザの拡張機能なのでアカウントの作り方も簡単です。
Google Storeからダウンロードするだけでアカウントを作成できます。
12桁のシードフレーズを記入し第三者に漏れないよう保存する必要があります。
ETHを購入してウォレットに入金する
CoinCheckの取引所からETHを購入してウォレットに入金していきましょう。
- CoinCheckへログイン
- 暗号通貨の購入をクリックする
- ETHを選択し購入する
- 暗号通貨の送金を選択
- メタマスクのアドレスをコピー
- 送金をクリックする
アドレスはメタマスクでAccountの下に表記されている英語と数字が羅列されたテキストです。
それをコピーしてコインチェックの送金先のリストから新規宛先に貼り付けます。
NFTマーケットプレイスとウォレットを接続する
作成したNFT作品を出品できるNFTマーケットプレイスを使用しましょう。
初心者の場合はユーザーが1万600人登録し、取引量も安定して使いやすいOpenSeaがおすすめです。
- OpenSeaにアクセスする
- ConnectWalletからメタマスクに接続する
Web3はウォレットがアカウント情報の扱いになるので、メタマスクをNFTマーケットプレイスに接続することでダッシュボードにアクセスできます。
作品をNFT化する
マーケットプレイスにアカウントを作成したら、いくつかの項目を記入して、作品をNFT化（Mint）していきましょう。
ダッシュボードの作成からNFT化できます。
- 名前：NFT作品の名前。
- 外部リンク：コレクションなどの名前をリンクに貼れる機能。
- 説明：NFTのコンセプトや特徴を紹介する項目。
- 供給数：市場に流すNFTの供給量。
- ブロックチェーン：販売するブロックチェーンを選ぶ。
ETH、Avalanche、Solana、BNBなどがある。
出品する
作品がミントされた時点ではまだ値段が付いておらず市場に出品されていません。
ミントしたNFT作品を「List for Sale」から、値段を付けて、List・出品作業を開始していきます。
OpenSeaの出品方法は大きく分けて2種類あります。
- 定額販売：値段を決めて販売する
- オークション販売：時間内に一番高い値段を付けた人に落札される
いつからNFT作品を販売するか、発売日の日程も予約投稿できます。
ウォレットに接続しトランザクションに署名して出品完了です。
人気なNFTアートの事例
こちらでは人気NFTアーティストをジャンルに分けて6人紹介していきます。
NFTアートは小学生も出品しているのが特徴ですね。
作風から過去に売り上げた事例・実績も見ていきましょう。
手書き風イラストのNFTアート
手書き風イラストを描いているNFTアーティストを紹介していきます。
花井祐介
花井祐介氏の作風は背中を丸めたストリートチックな緩いキャラクターをメインに描いているアーティストです。
初のNFTコレクションである「People In The Place They Love」は、2022年2月14日にFWENCLUから、1000個限定でされると同時に即完売しました。
セカンダリーマーケットプレイスのOpenSeaでは、最低取引価格よりも15倍（15ETH）の価格を付け、記録的な上昇を見せます。
その後、前澤友作氏、KWAS氏、台湾人のシンガーソングライターのジェイ・チョウ氏、JJ・リン氏らグローバルに活躍する著名人らも次々とSNS上でアバターを公開しました。
ソーシャルメディア上に花井旋風を巻き起こしました。
写真のNFTアート
写真のNFTアートを販売しているアーティストを2人紹介していきます。
MAGO Mint
MAGO Mintとは長坂真護（MAGO）氏が提唱する「サステナブル・キャピタリズム」をNFTで体現するプロジェクトです。
長坂真護氏は、ガーナのスラム街・アグボグブロシーを訪れ、先進国の電子機器を燃やすことで生計を立てている人々の出会いから、サステナブル・キャピタリズムを自ら提唱し、電子ゴミのアートで先進国に事実を伝える活動をしています。
ユーザーに共感を呼び電子ゴミで制作されたアート1つを、1500万円で買い取りたいと言った方もいたそうです。
アートで得た売り上げの一部を寄付したり、ガスマスク1000個をガーナのスラム街に届けている活動もしています。
第一弾のNFTプロジェクト「Wast St. in NYC」は、ニューヨークの路上にある廃棄物の写真からアート化をした作品です。
柴犬のかぼすちゃん
柴犬のかぼすちゃんはチャリティー企画のDoge NFT Auctionを通じて販売された8枚の柴犬写真のNFTです。
元々2009年6月からかぼすママ氏が執筆しているブログ「かぼすちゃんとおさんぽ。
」で満載された柴犬のかぼすちゃんの写真が、食パンやドーナツなどのコラ画像が作られネット上でバズり、Dogeというジャンルを確立しました。
チャリティー企画で出品された、「Doge ミーム」と呼ばれる有名な1枚の写真に付いた値段は1696.9ETH、当時の価格で4億7000万円に相当する額です。
かぼすママ氏は売り上げた全額「あしなが育英会」や「日本赤十字社」などの支援団体に寄付しています。
ドット絵のNFTアート
小学生が描いたNFTアートが140万円で落札され話題になりました。
こちらではドット絵で活動しているNFTアーティストについて紹介していきます。
Zombie Zoo Keeper
Zombie Zoo Keeper（ゾンビ飼育員）は小学生のNFTアーティストです。
小学生の自由研究の一環としてアーティストの母親と一緒に、Zombie Zooと呼ばれるNFTプロジェクトを始動しました。
動物×ドット絵をコンセプトにしています。
出品すればすぐに売り切れるほどの人気を博し、世界中のNFTコレクターの心を鷲掴みにしています。
オスエイリアンアディクト
9歳のお子さんと7歳の娘さん、4人の家族で手掛けるNFTアートが「オスエイリアンアディクト」です。
家族でNFTに挑戦しており、男の子がAlien addict、お父さんがPapa Alien、お母さんがMother Alienの名前で活躍しています。
ドット絵にエイリアン要素を加えた作風をイメージするとよいでしょう。
奇抜なエイリアンが特徴的です。
主戦場はOpenSeaで、フロア価格が0.003ETHと値段も安く、購入しやすいNFTです。
お父さんのPapaAlienはTwitterでNFTをメインに発信しています。
https://linktr.ee/Alien_addictアバターのNFTアート
3Dアバターを制作しているNFTアーティストを紹介していきます。
メタバースのワードローブでも使用できます。
Karen11 Avatar Collection
11歳のカレンさんが手掛ける3Dのファッションアバターコレクションです。
VRoidで制作された3Dのアバターに服を着させたコレクションをOpenSeaで出品しています。
ドレスアップされた美少女系のNFTコレクションをイメージするとよいでしょう。
コレクションの数も6作品と少なめですが、フロア価格は0.099ETH（日本円で約2万5,000円）と安価です。
メタバースのワードローブで使用できる機能性も持ち合わせています。
「幸せになること、そして自分らしくあること」をコンセプトに、おしゃれなファッションを着用した女の子アバターが目を引きます。
NFTの作り方についてのまとめ
今回Pacific Meta マガジンではNFTの作り方について解説してきました。
- NFTアートはデジタルデータにNFTを発行しブロックチェーン技術を活用したアートのこと
- ドット絵なら8bit Paiterを、デジタルイラストならIbis Paint Xがおすすめ
- 手書きの場合はデジタルデータをパソコンにスキャンしてからNFT化する
- GiveAwayなどの独自のマーケティング戦略で作品を売ると良い
- マーケットプレイスに出品するには専用のウォレットと仮想通貨取引所の口座が必要
- NFTアートの業界は小学生も活躍している
NFTアートは天才的な画力が必要ありません。
まだまだ黎明期です。
知名度・マーケティング次第ではクオリティが高くなくとも、人気アーティストになれる可能性を秘めている世界です。
不安な方は低価格の出品やアイコンの購入という形で、NFTアートに参入してみるとよいでしょう。
