NFTについて調べているときに、似たような猿の絵が描かれているイラストを見た経験があるのではないでしょうか。
今回Pacific Meta マガジンでは、猿のNFT 「BAYC」(Bored Ape Yacht Club)について紹介をおこないます。
この記事の内容は以下の通りです。
- BAYC(Bored Ape Yacht Club)の特徴
- 作者の「Yuga Labs(ユガラボ)」とは
- BAYCの値段が上昇した背景には何がある?
- BAYCが熱狂的な支持を集める理由
- BAYCの購入方法を紹介
2023年5月25日現在の最新情報をお伝えします。
最初はNFTに関する基礎知識から説明するので、初心者の方は目を通しておきましょう。
NFTとは?
まずはNFTそのものの説明から入ります。
BAYCの話をする前に見てもらえると、理解が深まるはずです。
NFTの特徴
NFTは「Non Fungible Token」の略で、日本語では「非代替性トークン」と訳されます。
替えの利かない資産といった意味合いで覚えておけば良いでしょう。
非代替性という言葉の通り、全てのNFTは一点ものです。
これまでのデジタルデータには無かった概念で、大きな注目を集めています。
NFTや仮想通貨が生み出される元となったブロックチェーン技術においては、著作権の所有者や取引履歴などが全て記録されています。
そのため、デジタルデータがコピーされたとしても元の制作者や正しい所有者が誰なのか分かり、コンテンツに関する権利を守ることが可能です。
デジタルデータであれば理論的には全てNFT化することができるので、NFTは様々なジャンルに広がりを見せています。
NFTが注目される理由
現在NFTが注目されている理由としては、上で説明したような新技術に関心が集まっているというのが一点あり、業界が盛り上がることに期待して投資している人が大勢います。
他には、世界に一つしか無いものを所有して希少価値を味わえるというのも興味を惹かれるポイントでしょう。
また、NFTの取引は仮想通貨をメインに取引されており、このやり取りは国籍に影響されることがありません。
そのため、アート作品などを中心にグローバルな注目を集めたという側面もあります。
猿のNFT BAYC(Bored Ape Yacht Club)とは?
ここからは本題に入ります。
「Bored Ape Yacht Club」は直訳すると「暇な猿のヨットクラブ」という意味です。
「お金を持て余して暇な猿たちがクラブでたむろしている」というコンセプトで作られた作品であり、絶妙な表情の猿がバリエーション豊かにイラスト化されています。
この見出しではBAYCの特徴や保有するメリットについて見ていきましょう。
BAYC(Bored Ape Yacht Club)の特徴
BAYCはジェネラティブアートNFTと呼ばれるジャンルに属しており、機械的なアルゴリズムで量産できるようにプログラムが組まれています。
ジェネラティブ作品の作り方としてはパーツをランダムに組み合わせるだけなので、一度素材を作ってしまえば数を増やすことは楽です。
全く同じ組み合わせのNFTは作成されないようにプログラムされているので、すべて一点ものの商品が出来上がります。
BAYC(Bored Ape Yacht Club)を保有するメリット
BAYCの制作数は10,000点と決まっているので、希少性が担保されて値下がりが起きにくくなっています。
資産として価値を感じている投資家も多くいるでしょう。
また、BAYCには保有者だけが参加できるコミュニティが存在します。
インフルエンサーや著名人などと繋がりが持てるチャンスもあるため、コミュニティへの参加に価値を感じている方も多いでしょう。
猿のNFTの作者「Yuga Labs(ユガラボ)」とは?
BAYCを制作したのはYuga Labs(ユガラボ)と呼ばれるスタジオです。
Yuga Labsは数多くのNFTを手掛けている有名スタジオで、彼らが手掛ける他の作品にも注目が集まっています。
少し詳しく見ていきましょう。
数々の有名NFTを手掛けるアメリカの制作スタジオ
「CryptoPunks」と「Meebits」については、開発元からの知的財産権を取得してYuga Labsが展開を続けています。
BAYCの成功によって一気に資産や知名度が上がり、世界でも有数のNFT制作スタジオへ成長を遂げました。
BAYCのメタバース「Otherside」を立ち上げた
Othersideは、Web3業界の世界的リーディングカンパニー「Animoca Brands」らと共に立ち上げたメタバースプロジェクトです。
本格的なリリースはこれからですが、Otherdeedという土地が先行して販売された際は、即日完売を果たしました。
BAYCやCryptoPunksなどのNFTを3Dキャラクターとして取り込めるようになるといった構想も打ち出しているので、OthersideによってYuga Labsのコンテンツがさらなる広がりを見せることが予想されます。
猿のNFT「BAYC」の値段上昇の背景には何がある?
「たかがサルの絵がなぜここまでの値段をつけたのか」と感じている方もいるでしょう。
この見出しでは、BAYCの値段が上がっていった経緯について紹介していきます。
販売当時の価格は約20,000円だった
BAYCは2021年4月にOpenSeaにて販売開始となりましたが、出足はそれほど良くありませんでした。
当時は0.08ETHで売られており、日本円では約20,000円ほどです。
しかし、2023年5月25日時点では最低でもフロア価格が46.5ETHとなっており、日本円で1,200万円近い値が付いています。
当初と比較すると600倍の値段にまで上昇しており、BAYCはNFTの中でも超高額コレクションへと成長しました。
多くのセレブがTwitterのアイコンにし、価格が急上昇
最初はそこまで話題にならなかったBAYCですが、有名人やインフルエンサーたちの間で徐々に流行しはじめて、Twitterのアイコンにする人が増加し始めました。
有名人の例としては、ジャスティン・ビーバーやエミネム、パリス・ヒルトン、ネイマールといった海外スターが何人も挙げられます。
日本人ではEXILEの関口メンディーや、AVEXのCEOである松浦勝人などが購入を公表しています。
これらの有名人たちの喧伝効果もあり、爆発的に注目度がアップしたBAYCの価格は急上昇しました。
投資家やコレクターの需要増加による影響
有名人の参入が相次いだ後は、BAYCの価値が上がってきたことを察知して投資家やコレクターが興味を持ち始めます。
最終的にはお金を持っている人が続々と集まる事態になり、値段がますます上昇していく相乗効果を生み出しました。
NFTを所持する特典として購入者のコミュニティが形成されたことも、価値を上げた一因でしょう。
Bored Ape Yacht Clubの猿のNFTが熱狂的な支持を集める理由
BAYCがなぜここまで人気を集めるのか、ここではコンテンツの持つ価値について深掘りしていきます。
今なお人気が持続している理由についてもご覧ください。
アイコンやアートとしての価値がある
BAYCはNFTアートとして利用することができ、TwitterなどSNSのアイコンなどにすることが可能です。
アイコンを見ただけでNFTに興味があることが分かるので、コミュニティを広げるのに役立てることができるでしょう。
またBAYCの場合、著作権はもちろん制作側にあるものの、自分が所有しているBAYCであればグッズを販売するなどして商用利用しても大丈夫なので、二次利用で収益をあげることも可能です。
BAYCに関連するプロジェクトが多くある
BAYCからは派生しているプロジェクトが多数誕生しています。
- Mutant Ape Yacht Club(MAYC)
- Bored Ape Kennel Club(BAKC)
- Bored Ape Chemistry Club(BACC)
コンセプトを変えたジェネラティブアートNFTのコレクションがいくつもあるので、一過性のものではなくプロジェクトを展開し続けてくれる期待感があります。
オフラインイベントが頻繁に行われている
上の見出しでは、NFTを所有者がコミュニティに入れるというメリットを書きましたが、コミュニティでは限定イベントも開催されています。
イベントではNFTアートの展示や制作されたグッズの物販などがおこわれており、それ以外にも著名人を呼んでのパフォーマンスなどが催されているようです。
大規模なイベントが開催されるのはアメリカ・ニューヨークなどが中心なので日本人が参加するハードルは高いですが、日本でも時々NFTホルダー向けのイベントが開催されることがあります。
オフラインでの繋がりが定期的に保たれていることも、人気が継続する要因の1つでしょう。
猿のNFT BAYC(Bored Ape Yacht Club)の購入方法
最後に、BAYCの買い方について説明します。
BAYCはマーケットプレイスのOpenSeaで売買されており、購入までの手順自体はシンプルです。
※この記事はBAYCの購入を推奨するものではありません。
NFTの中でもかなり高額なものなので、十分に各自で検討をおこなってください。
仮想通貨取引所を開設する
BAYCの購入にはイーサリアムがあれば大丈夫です。
イーサリアムはどの仮想通貨取引所でもまず扱っているので、すでに登録している取引所があるなら、そこで購入すれば問題は無いでしょう。
取り扱い銘柄の種類や使い勝手などを考えると、これから開設するのであればCoincheck(コインチェック)などがおすすめです。
登録の申請が通るまでに1週間以上かかることもあるので、スケジュールには余裕を持って手続きをおこないましょう。
仮想通貨取引所でイーサリアムを購入する
開設が完了したら、口座に入金してイーサリアムを購入します。
現状では最低でも46.5ETH(およそ1,200万円)からの販売なので、それ以上の金額を入金しましょう。
仮想通貨を移動する際にはガス代(手数料)がかかるので、販売価格より少し多めに購入する必要があります。
仮想通貨の売買だけでも損益が大きく出るので、イーサリアムを購入する際はチャートを見ながらタイミングを十分に検討してください。
メタマスクをインストールする
NFTの保管には仮想通貨ウォレットの導入が必要です。
ウォレットの種類は色々ありますが、現状で最もポピュラーで汎用性が高いのはMetaMask(メタマスク)でしょう。
MetaMaskの導入は、Google chromeの拡張機能としてブラウザからインストールするのが楽です。
以下の記事なども参考にしながら導入してみましょう。
メタマスクにイーサリアムを送金する
ここまで準備ができたら、導入したメタマスクに購入したイーサリアムを送金します。
メタマスク側では、送金するネットワークを選択します(イーサリアムメインネット)。
取引所側では自分のメタマスクのアドレスを入力してイーサリアムを送金する手続きをおこないます。
送金の際は、アドレスやネットワークの設定を間違えると資金が消失してしまうので十分に注意しましょう。
OpenSeaでBAYC(Bored Ape Yacht Club)を購入する
あとはOpenSeaへ登録してBAYCのNFTを購入するだけです。
OpenSeaではまず、サイトにウォレット(メタマスク)を紐付けましょう。
その後はユーザー設定のメニューから、名前やメールアドレスなどを登録すればOKです。
OpenSeaへの登録が完了したらBAYCのページからNFTを購入できます。
いきなり高額のNFTを購入する前に、手頃な価格のコンテンツで流れを確認しておくのがおすすめです。
猿のNFT BAYC(Bored Ape Yacht Club)のまとめ
今回Pacific Meta マガジンでは、猿のNFT 「BAYC」(Bored Ape Yacht Club)について以下の内容をご紹介しました。
この記事のポイントを改めて整理しましょう。
- BAYCは機械的なアルゴリズムで量産できるジェネラティブアートNFTで、10,000点の作品が制作されている
- BAYCを保有することで専用のコミュニティに所属できたり、オフラインイベントに参加できたりするメリットもある
- 制作したのはYuga Labsというスタジオで、「CryptoPunks」「Meebits」などのNFTや、メタバースプロジェクトの「Otherside」などを展開している
- BAYCの価格は当初約20,000円だったが、世界各国の有名人や投資家などが注目したことによって知名度が上がり、現在では1,200万円近くの値が付いている
- TwitterなどSNSのアイコンにできることも、BAYCの知名度を上げた一因となっている
- BAYCはOpenSeaで購入することが可能
今からBAYCを購入するのは相当ハードルが高いですが、まずはNFTに関する知識の一つとして抑えておきましょう。
OpenSeaでNFTを購入できるようにしておけば、他の作品を売買するときにも利用できるので、まずは一通りの準備を済ませておくのも良いと思います。