NFTとは何かご存じの方はそれほどいないのではないでしょうか。
本記事では、NFTの成功事例について以下の点を中心にご紹介します!
- NFTを活用するメリット
- NFTを活用する際の注意点
- 地方自治体によるNFTの成功事例
NFTの成功事例について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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NFTを活用するメリット
まずは、NFTを活用するメリットについて紹介します。
デジタル資産の価値が保証される
NFT(非代替性トークン)はブロックチェーン技術を活用して、デジタルデータに固有の識別子を付与することで、そのデータのオリジナル性を担保できます。この特性により、デジタルアートやその他のデジタルコンテンツのオリジナル性が確保され、第三者によるコピーを防げます。
例えば、デジタルアート作品がNFTとして取引される場合、その作品に固有の識別子が付与され、ブロックチェーン上に記録されることで、その作品が代替不可能な本物であることが証明されます。これにより、デジタルアートの価値が保証され、真正性が確認できるため、クリエイターや購入者双方にとって信頼性が高まります。
破損や紛失のリスクがない
NFT(非代替性トークン)はデジタルアセットの1種で、ブロックチェーン技術を活用しています。この技術の特徴の1つとして、物理的なアイテムとは異なり、NFTは破損や紛失のリスクが存在しない点が挙げられます。
具体的には、実際の物理的なアイテムは火災、地震、経年劣化などの外部要因によってその価値や形状が変わる可能性があります。しかし、NFTはデジタルデータとして存在するため、これらのリスクから免れています。
また、NFTはブロックチェーン上に記録されるため、データの改ざんや偽造が非常に困難であり、その真正性や所有権を確認することが容易です。これにより、NFTは取引や保管ができるデジタル資産としての価値を持っています。
様々な人が作成可能
NFTのメリットとして「様々な人が作成可能」という点が挙げられます。具体的には、NFTは簡単に作成できるので、参入の敷居が非常に低いと言えます。例えば、有名アーティストによる高額な出品事例も多い中、小学生が夏休みの自由研究で描いたイラストが約380万円の価値を持った事例も存在します。
このように、アーティストでなくても、自身の作品をNFTとして市場に出品し、それが金銭的な評価として返ってくる仕組みが確立しています。このメリットにより、多くの人々がNFTに興味を持ち、自らのクリエイティブな作品を市場に出品する動機付けとなっています。
NFTを活用する際の注意点
NFTを活用する際には、注意する点もいくつかあります。以下で解説していきます。
法整備が整っていないことを理解しておく
NFT(非代替性トークン)はデジタルアートやコレクティブルの取引に革命をもたらしていますが、取引を開始する前に考慮すべきいくつかの注意点があります。特に、日本の法律の文脈でのNFTの取引に関する法的整備がまだ十分に行われていない点が挙げられます。
具体的には、日本の法律では「実体のないものに所有権はない」という前提が存在し、デジタルデータの所有権という概念も法律上は認められていません。このため、NFTの取引に関するトラブルが発生した場合、これまでの裁判例やルールを参考にすることが難しい状況にあります。
さらに、NFTの機能や用途に応じて、資金決済法や金融商品取引法などの既存の法律が適用される可能性があります。これらの法律の適用範囲や新たな規制の導入に関する動向を注視することが重要です。
信頼できる運営元か確認する
NFTはブロックチェーン技術を基盤としていますが、出品される作品そのものが著作権を侵害している場合があるため、取引内容を十分に確認する必要があります。さらに、取引を行うマーケットプレイスの選択も重要です。中には取引実態が不明瞭で、運営元が不明確なマーケットプレイスも存在します。
そのため、取引を行う前に、マーケットプレイスが信頼できるものであるか、運営元が明確に記載されているか、そしてその運営元が信頼できるかどうかを確認することが不可欠です。NFTの取引は新しい技術を背景にしているため、十分な注意と理解が求められます。
価格や取引内容を十分に確認する
NFTは出品者と購入者の同意のもとで価格が決定されるため、第三者から見た場合にその価値が本当に妥当なのかは一概には言えません。そのため、作品を購入する際には、そのアーティストやクリエイターが信頼できる人物なのか、購入が本当に可能なのか、価格が適正であるかなど、取引内容を十分に確認することが求められます。
特にNFTの世界では、高額な取引が日常的に行われているため、慎重な判断が必要です。購入意向がある場合でも、情報を十分に収集し、リスクを理解した上で取引を進めることが大切です。
NFTの取引に関しては、その新規性やブロックチェーン技術の特性上、多くのメリットがある一方で、注意すべき点も多々存在します。価格や取引内容の確認は、適切な取引を行うための基本中の基本と言えるでしょう。
地方自治体によるNFTの成功事例
NFTは様々な成功事例があります。今回はその中で、地方自治体によるNFTの成功事例を紹介します。
竹神社デジタル御朱印(三重県明和町)
「竹神社デジタル御朱印」とは、2022年8月にリリースされた、三重県明和町の「竹神社」に関連するデジタル御朱印のNFTです。このプロジェクトは、明和町の観光地域づくりを推進する「一般社団法人明和観光商社」、広告大手「株式会社博報堂」の「HAKUHODO Blockchain Initiative」と「博報堂行動デザイン研究所」、そしてNFTサービスを手掛ける「CryptoGames株式会社」との共同で展開されました。
竹神社での御朱印をデザインしたこのNFTは、竹神社社務所で申し込みを完了し、配布されたQRコードをスマートフォンで読み取ることで、専用ページからデジタル御朱印NFTを受け取れます。明和町は、この取り組みを通じて地域の文化とデジタル技術の組み合わせを検証しており、今後もメタバースやWeb3.0関連のプロジェクトを展開する計画があるとのことです。
META田植え(新潟県新発田市)
新潟県新発田市の農家と連携したWeb活用経営株式会社は、メタバース上での田植え体験プログラムを開始しました。このプログラムには23名が参加し、メタバースの広大な田んぼで3Dの苗を植え、半月間で育てる作業を行いました。参加者は仕事の合間にログインし、苗を順次並べていったとのことです。
体験会が終了した後、参加者には記念としてNFTの写真と、実際に参加農家が栽培した新潟県産のコシヒカリが贈られました。このようなメタバースを活用した取り組みは、農業とテクノロジーの融合を示すものであり、新しい農業体験の提供を目指しています。
Open Townプロジェクト(埼玉県横瀬町)
埼玉県横瀬町の「Open Townプロジェクト」は、国内で初めての取り組みとして注目されています。このプロジェクトは、世界中から資金や応援者を継続的に集めることを目的としており、NFTアートの収益を活用して自律的なまちづくりを進めることを目指しています。
具体的には、NFT技術を活用して地域の魅力や資源をデジタル化し、それを販売することで新たな収益源を生み出すとともに、地域の魅力を広める活動を行っています。このような取り組みは、地方自治体が直面する人口減少や経済の停滞といった課題への新しいアプローチとして、他の地域でも参考にされる可能性があります。
NFTに関するよくある質問
NFTに関する質問を集めました。以下で3つ紹介します。
NFTはどうやって儲けるのですか?
NFTは多様な分野での導入が進んでおり、稼ぐ方法も多岐にわたります。以下はその主な方法です。
- NFTアートの出品:自作のデジタルアートや動画をNFTマーケットプレイスで出品することで収益を得られます。作品が転売されると、取引額の一部が作者に還元される仕組みもあります。
- NFTの転売:価格上昇が期待できるNFTを安価に購入し、高値で売却することで利益を得る方法です。情報収集と市場の動向をしっかりと把握することが重要です。
- NFTゲーム:「Play to Earn」の仕組みを持つNFTゲームをプレイすることで、ゲーム内の仮想通貨やNFTを獲得し、それを売却することで収益を得られます。
- LANDの売買やステーキング:メタバース上の土地「LAND」を購入し、売買やステーキングで利回りを得る方法もあります。
- NFTレンディング:NFTを担保に仮想通貨を貸し借りするサービスを利用して、利息を得る方法です。
これらの方法を活用する際は、市場の動向やリスクをしっかりと理解し、適切な戦略を立てることが成功の鍵となります。
NFTアートは何がすごいのですか?
NFTアートの魅力として、その「唯一性」が大きな特徴として挙げられます。ブロックチェーン技術を活用することで、デジタルアートも伝統的なアートと同様に、その存在が唯一無二であることが証明されます。
従来のデジタルアートは容易にコピー・改ざんが可能でしたが、NFTとしてブロックチェーン上に登録されることで、そのアートのオリジナリティと所有権が確保されるのです。この「唯一性」により、デジタルアートにも資産価値が生まれ、高額な取引が行われるようになりました。
また、この技術により、アートの二次流通時にも収益の一部がオリジナルの作者に還元される仕組みや、著作権が基本的に作者に帰属するという特徴もあります。これにより、クリエイターの権利が守られるとともに、新しいアートの形としての価値が高まっています。
日本で最高額のNFTはいくらですか?
手塚治虫の漫画原稿を元に制作されたモザイクアートNFT「鉄腕アトム」は、NFTマーケットプレイス「OpenSea」でのオークションで120イーサリアム、約5600万円で落札され、日本発NFTとしての最高落札額を更新しました。
この作品は、手塚プロダクションとNFT・ブロックチェーンゲームの専門開発会社「double jump.tokyo」とのコラボレーションによる公式NFTプロジェクト「From the Fragments of Tezuka Osamu」の一部として展開されました。
モザイクアートNFTは、手塚治虫のカラー原画840枚を背景に、4000枚以上の白黒漫画原稿を4万点以上の断片にしてモザイク素材として使用し、モチーフキャラクターを組み合わせて制作されました。この作品は10イーサリアム(約450万円)の価格からスタートし、最終的にはユーザー「D67C91」によって落札されました。
NFTの成功事例についてまとめ
ここまでNFTの成功事例についてお伝えしてきました。NFTの成功事例の要点をまとめると以下の通りです。
- NFTを活用するメリットは、デジタル資産の価値が保証されることや、破損や紛失のリスクがないこと、様々な人が作成可能なことが挙げられる
- NFTを活用する際の注意点は、法整備が整っていないことを理解しておくことや、信頼できる運営元か確認すること、価格や取引内容を十分に確認することが挙げられる
- 地方自治体によるNFTの成功事例として、三重県明和町の竹神社デジタル御朱印や新潟県新発田市のMETA田植え、埼玉県横瀬町のOpen Townプロジェクトなどが挙げられる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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