今週のWeb3業界は、日本の企業金融に革命をもたらす歴史的な転換点を迎えました。金融庁が国内初となる円建てステーブルコインを承認する方針であることが報じられ、これまで海外資産に依存していた国内のWeb3ビジネスが、いよいよ本格的な実用フェーズに突入します。
これは、決済コストの削減や国際送金の高速化といった、具体的な経営課題の解決に直結する動きです。本記事では、この円建てステーブルコインの誕生が貴社の事業にどのようなインパクトを与えるのか、そして今すぐ着手すべきアクションプランを詳細に解説します。
Pacific Metaでは「Web3領域での事業開発に課題を抱えている」「ブロックチェーン技術を事業に取り入れたいがどう活用すべきか分からない」企業様を包括的にサポートします。ブロックチェーンやNFTといったWeb3技術を活用した新規事業の立ち上げから、市場ニーズに適合した事業企画の策定から実行まで、トータルでご支援いたします。Web3を活用した新規事業展開をご検討中の方は、ぜひご連絡ください。
⇒ サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちらから
⇒ CASIO様との海外展開実証事例|詳細資料はこちらからダウンロード
今週のピックアップニュース
今週最も注目すべきは、国内の企業決済や金融のあり方を根底から変える円建てステーブルコインの承認に向けた動きです。これが示す巨大な事業機会について深掘りします。
金融庁が円建てステーブル承認へ—JPYCが今秋発行に前進

金融庁が、国内で初めてとなる円建てステーブルコインの承認に向けて最終調整に入ったことが報じられました。対象となるのはJPYC社が発行するステーブルコインで、早ければ今秋にも「電子決済手段」として正式に発行される見込みです。
2023年に改正された資金決済法のもと、預金や国債を裏付け資産とすることで、常に1コイン=1円の価値を維持する仕組みが整いました。これにより、これまでUSDTやUSDCといった海外のステーブルコインが主流だった市場において、日本企業が安心して利用できる円建ての決済インフラが誕生します。JPYC社は今後3年間で1兆円の発行を目指しており、国際送金や法人決済での活用が期待されています。
■ パシメタ編集部のコメント
このニュースは、大手企業が動かざるを得ない号砲です。円建てステーブルコインの実装を前提に、①決済・送金におけるコストと時間の削減効果の試算、②会計・税務・資金管理の具体的な運用設計、③自社システムとのウォレット連携やKYC(本人確認)の技術的な実証を、”開始すべき”といえます。
楽天、Web3大衆化への一手。「お買いものパンダ」ゲームでポイント経済圏とNFTを融合
楽天ウォレットが、初の独自Web3ゲーム「楽天ウォレットTAPTAP」の提供を開始しました。公式キャラクター「お買いものパンダ」をタップしてポイントを貯め、楽天ポイントが当たるNFTチケットと交換できるシンプルな設計です。これは、楽天が持つ国内最大級の会員基盤と巨大なポイント経済圏を活用し、Web3サービスを一般消費者に浸透させるための戦略的な一手です。
複雑な技術を意識させず、人気キャラクターと楽天ポイントという強力なインセンティブを用いることで、Web3への心理的・技術的な参入障壁を限りなくゼロに近づけ、ウォレットアプリの利用を促進する狙いが見えます。
■ パシメタ編集部のコメント
Web3のマスアダプション(大衆化)を成功させる鍵は、楽天が示したように「Web3を意識させない体験設計」にあります。自社の顧客にウォレット作成や秘密鍵の管理といった専門的な手続きを強いるのではなく、既存のポイントプログラムの延長線上で自然に利用できる仕組みこそが成功の条件です。
ロイヤリティプログラムや顧客接点において、NFTやトークンをどのように活用すればエンゲージメントを高められるか、楽天の「強力なインセンティブ設計」は、全ての事業者が参考にすべき最高のモデルケースと言えるでしょう。
「電柱撮影ゲーム」で地域貢献。DAOと連携し市民参加型インフラDXが全国へ

地方創生を手がける「シン地方DAO」が、社会貢献ゲーム「PicTrée(ピクトレ)」との連携を発表しました。これは、市民が電柱などのインフラを撮影することでトークン(経済的インセンティブ)を得られるゲームで、DAOのコミュニティが推進力となり、インフラ点検と地域活性化を同時に実現する新しい市民参加型DXモデルです。
ゲームを通じてインフラ老朽化という社会課題の解決に貢献し、対価を得る「SocialFi(ソーシャルファイ)」と呼ばれるこのモデルは、日本が抱える地方創生とインフラ維持という二大課題に対する、Web3ならではの画期的なソリューションとして注目されます。
■ パシメタ編集部のコメント
この事例は、DAOが単なるオンラインコミュニティではなく、共通の目的を持つ人々がインセンティブに基づいて協力し、現実の課題を解決するための「事業体」として機能することを示しています。CSR活動や事業において、顧客やファンを巻き込みDAOを組成すれば、これまでにない価値共創が可能です。
例えば、製品の改善アイデアを募るDAOや、環境保全活動を共に行うDAOなどが考えられます。コミュニティの熱量と持続性を左右する「インセンティブ設計」こそが、プロジェクト成功の鍵となります。
Pacific Metaでは「Web3領域での事業開発に課題を抱えている」「ブロックチェーン技術を事業に取り入れたいがどう活用すべきか分からない」企業様を包括的にサポートします。ブロックチェーンやNFTといったWeb3技術を活用した新規事業の立ち上げから、市場ニーズに適合した事業企画の策定から実行まで、トータルでご支援いたします。Web3を活用した新規事業展開をご検討中の方は、ぜひご連絡ください。
⇒ サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちらから
⇒ CASIO様との海外展開実証事例|詳細資料はこちらからダウンロード
週間のダイジェストニュース
その他、メルカリのRWA市場への本格参入や、地方創生におけるNFT活用の広がりなど、事業のヒントとなる今週の重要ニュースをまとめてお届けします。
メルカリ、NFTで「モノの所有権」を再定義。実物トレカ連動でRWA市場に本格参入
フリマアプリ大手のメルカリが、自社のNFTマーケットプレイスで事業者による新規NFTの一次販売機能を開始しました。これまでは二次流通が中心でしたが、これによりIPホルダーと直接連携する一次流通市場へと事業領域を拡大します。第一弾として、実物のトレーディングカードと交換できる権利をNFT化しました。
これは、メルカリが既存の巨大な顧客基盤を武器に、実物資産(RWA)とNFTを紐づけることで、Web3に馴染みのないユーザーにも価値が分かりやすいサービスを設計し、Web3領域での主導権を確立する戦略的な一手です。
■ パシメタ編集部のコメント
大手プラットフォーマーの本格参入は、Web3が投機から実用ビジネスツールへ移行した決定的な証拠です。重要なのは「技術のための技術」ではなく「既存事業を強化するための技術」としてWeb3を捉える視点です。
まず、自社が持つ製品、サービス、会員権、保証書といった有形・無形の資産をリストアップし、どれをNFT化すれば顧客体験の向上や新たな収益源に繋がるか、具体的な仮説を立てるべきです。メルカリの事例は、その最も分かりやすい成功モデルとなります。
地方創生の切り札はNFT。17自治体が導入、関係人口創出へWeb3活用が本格化
NFTマーケットプレイス「HEXA」でNFTを発行した地方自治体が17団体を突破しました。各自治体は、デジタル住民票NFTなどを活用し、関係人口の創出や継続的な財源確保、シティプロモーションに繋げています。
初期費用・維持費無料で発行できる手軽さが導入を後押ししており、Web3技術が地方の「人口減少」「財源不足」といった深刻な社会課題を解決する実用的なツールとして定着しつつあることを示しています。これは、政府が推進する「地方創生2.0」の方針とも合致する動きです。
■ パシメタ編集部のコメント
企業のCSR活動や地域貢献にWeb3を活用する道筋が明確になりました。自社の事業拠点がある自治体や、企業理念と親和性の高い地域と連携し、共同でNFTプロジェクトを立ち上げることは、強力な地域エンゲージメントとPR効果を生み出します。
これは単なる寄付ではなく、地域の魅力をコンテンツ化し、持続可能な関係性を構築する新たな事業モデルです。まずは連携可能な自治体をリストアップし、NFTを活用した地域貢献の企画を検討してみてはいかがでしょうか。
大阪万博NFT、発行数500万枚を突破。国家プロジェクトで証明されたWeb3マスアダプションの実力
2025年大阪・関西万博の公式サービス「ミャクーン!」の発行枚数が500万枚を突破しました。このNFTは、会場や提携自治体のイベントでのデジタルスタラリーの景品として提供されています。国家的な大規模イベントにおいてNFTがマスエンゲージメントツールとして有効であることを証明した世界でも類を見ない事例です。
投機的なイメージがあったNFTを、来場記念という分かりやすい体験に落とし込むことで、数百万規模の一般利用者をWeb3の世界に自然な形で導いています。
■ パシメタ編集部のコメント
この事例が示すように、NFTは大規模イベントやキャンペーンにおける「デジタル記念品」として非常に高いポテンシャルを持ちます。自社が主催するイベント、製品発売キャンペーン、周年記念などで、参加者限定のNFTを配布することは、顧客との特別な繋がりを生み出し、長期的なエンゲージメントを構築する上で有効です。
重要なのは、万博の事例のように、ユーザーがブロックチェーンを意識することなく、簡単かつ直感的に受け取れる仕組みを提供することです。
日本版マイクロストラテジー誕生。メタプラネット、BTC評価益100億円で「デジタル財務」の威力を証明
ビットコインを大量保有する上場企業メタプラネットが、2025年上期決算で大幅な黒字転換を発表しました。ビットコインの評価益100億円を計上したことが主因で、経常利益は105億円に達しました。暗号資産の含み益が企業財務に与えるインパクトが顕在化した例であり、企業のビットコイントレジャリー戦略が財務戦略として成立し得ることを示しています。
■ パシメタ編集部のコメント
暗号資産を自社資産として大量保有する戦略は、相場次第で企業業績を大きく左右する両刃の剣です。今回の事例は価格上昇局面で大きな利益をもたらしましたが、下落局面では巨額損失のリスクも伴います。
自社で暗号資産を財務に組み込む場合、そのボラティリティに備えたリスク管理策(ヘッジ手段や開示方針など)を慎重に検討するとともに、その戦略が企業価値向上に繋がるか、長期的な視点で評価する必要があります。
「次のビットコイン」を探す動きが加速。アルトコイン検索数が過去最高水準に、企業財務への採用も
「アルトコイン」のGoogle検索数が2021年以来の高水準に達しています。背景には、米国でのソラナ(SOL)などの現物ETF申請の動きや、メタプラネット社のようにビットコイン以外のデジタル資産を財務資産として保有する企業の増加があります。個人投資家だけでなく、機関投資家や事業会社の関心もビットコインから多様なアルトコインへと広がっており、各アルトコインが持つ独自の技術や用途が評価され始めた、市場の成熟を示す重要な指標です。
■ パシメタ編集部のコメント
貴社のデジタル資産戦略を検討する上で、評価軸を「ビットコインか、それ以外か」という二元論から、「どの技術領域(決済、スマートコントラクト等)に投資するか」というポートフォリオ思考へ移行させるべきです。
各アルトコインのユースケースや、それを支持する企業を調査することで、自社の事業とシナジーのある技術領域を見極め、より戦略的な情報収集や技術検証に繋げることができます。
DeFiは「無法地帯」から「育成市場」へ。コインベースが新ファンド設立でエコシステムを本格支援
大手暗号資産取引所コインベースが、DeFiプロトコルに流動性を供給するための新ファンドを設立しました。これは、DeFi市場が黎明期の実験的な段階を終え、巨大な中央集権型プレイヤーがエコシステムの成長を体系的に支援するフェーズに入ったことを意味します。規制下にあるステーブルコインUSDCを基軸にしている点も、市場の健全な成長を目指す姿勢の表れです。
■ パシメタ編集部のコメント
これまでリスクが高いと見られていたDeFi領域が、大手企業の参入と支援によって、より安定的で予測可能な市場へと変化しつつあります。これは、事業会社がDeFiを活用する上でのリスクを低減させる好材料です。
例えば、自社で保有するステーブルコインを、コインベースが支援するような信頼性の高いDeFiプロトコルで運用し、新たな収益源とする可能性を検討する価値があります。
「Web3って何ができるの?」「ブロックチェーンは自社ビジネスに本当に役立つの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。Pacific Metaでは、各社の要望や課題に応じてカスタマイズしたWeb3コンサルティングを提供しています。以下のようなご相談をお受けしております。
- Web3技術の活用方法がわからない
- ブロックチェーン導入の費用対効果を知りたい
- NFTを活用したマーケティング施策を検討している
- グローバル展開におけるWeb3活用のアドバイスが欲しい
個別相談も行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
今週は、国内初の円建てステーブルコインの承認という、日本のWeb3の歴史における「夜明け」とも言える大きな一歩が示されました。これは、Web3がマーケティングやエンタメといった領域を超え、いよいよ企業の「金融」という根幹業務に組み込まれる時代の到来を意味します。
これまで多くの企業が、為替リスクや法規制の不透明さから本格導入をためらっていましたが、この円建てステーブルコインの登場がその全ての障壁を取り払うゲームチェンジャーとなります。経営者や新規事業担当者は、この動きを単なる技術ニュースとして捉えるのではなく、自社の財務戦略と事業プロセスを根底から見直す好機と捉え、具体的なアクションプランの策定を急ぐべきです。
「Web3って何ができるの?」「ブロックチェーンは自社ビジネスに本当に役立つの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?Pacific Metaでは、各社の要望や課題に応じてカスタマイズしたWeb3コンサルティングを提供しています。
- 国内外の大手企業から中小企業まで、様々な業種/業界でのWeb3導入実績あり
- 国内企業のグローバル展開・海外プロジェクトの豊富な支援実績多数
- PoC実施を通じた事業価値の最大化
- 最適なWeb3技術(ブロックチェーン/NFT/DePINなど)の提案
- 初心者向けセミナー・ワークショップも対応可能
貴社のビジネスニーズに合わせたWeb3技術を駆使して幅広い課題解決をサポートします。お気軽にご相談ください。