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【セミナーレポート】大企業が挑むWeb3新規事業の最前線──KDDI・カシオ計算機が語る挑戦と展望

レポート

2025年10月、「第6回ブロックチェーンEXPO【秋】」において、カシオ計算機株式会社(以下、「CASIO」)とKDDI株式会社(以下、「KDDI」)が登壇し、両社のWeb3事業への取り組みを語った。当社も両社のプロジェクト推進を支援した経緯から、モデレーターは当社執行役員・ブロックチェーン研究所長の松本が務めた。

NFTや暗号資産といったWeb3領域は、多くの企業にとって「関心はあるが、どう取り組むべきか分からない」テーマではないだろうか。今回はパネルディスカッション形式で、実際にWeb3事業を推進しているKDDIとCASIOによるパネルディスカッションから、彼らの従来のビジネスモデルとは異なるWeb3領域において、大企業がいかに新規事業を推進し、どのような成果を得つつあるのかを議論した。

本レポートでは、セミナーの模様と、両社の実践を通じて得られた知見をまとめる。

※本レポートは、2025年10月開催「第6回ブロックチェーンEXPO【秋】」での登壇内容に基づき作成した。

セミナー概要

本セミナーは日本最大級の専門展「第6回 ブロックチェーンEXPO【秋】」(NexTech Week 2025【秋】内)の会期中に開催され、ブロックチェーン技術やWeb3ビジネスに関心の高い経営層や事業開発担当者が多数来場した。

  • タイトル:KDDIとCASIO、Web3挑戦の裏側と両社が描く未来
  • 日時:2025年10月9日(木)15:20~16:00
  • 会場:幕張メッセ「第6回 ブロックチェーンEXPO【秋】」会場内セミナーエリア

【登壇者】

スピーカー

カシオ計算機株式会社
時計統轄部 デジタルマーケティング部 D2C戦略室 室長
大林 大祐 氏

KDDI株式会社
オープンイノベーション推進本部 ビジネス共創推進室3G グループリーダー
笠井 道彦 氏

モデレーター

株式会社Pacific Meta
執行役員/ブロックチェーン研究所長
松本 頌平

はじめにー各社の取り組み概要

KDDI:「αU(アルファユー)」を軸としたWeb3プラットフォーム展開

KDDIは、Web3プラットフォーム「αU」を中心に、Web3・ブロックチェーン技術を用いたソリューションを多角的に展開している。

主な取り組み事例:

  • スキー場での優先入場権付きNFTの販売
  • 地域創生プロジェクトとの連携(地域体験型NFT)
  • DePin(分散型物理インフラ)分野での地方自治体との協業
  • 人気Web3プロジェクト「STEPN」とKDDIの有名携帯電話モデル「INFOBAR」端末デザインを掛け合わせたゲーム内スニーカーNFTの販売
  • 同社の強固な通信基盤を活かしたバリデータ事業

現在は、NFT販売やウォレット・エンタメを中心としたコンテンツ・プラットフォーム分野から、Web3を活用した新しい金融決済・流通の仕組みについても検討している。

CASIO:「VIRTUAL G-SHOCK」プロジェクトで切り拓く新市場

CASIOは、世界的に高い人気を誇る同社のブランドであるG-SHOCKを活用した「Virtual G-SHOCK」プロジェクトを推進している。このプロジェクトは、開発・デザイン・マーケティングなど各部署から横断的にメンバーが集まった社内プロジェクトとして始動したという。

プロジェクトの目的:

  1. 新規ユーザーの獲得 – ゲームファンなど、時計だけではアプローチできないオンラインコミュニティへのリーチ
  2. 新たなマネタイズ構造の開発G-SHOCKブランドとバーチャル体験を掛け合わせた、新しい収益源の確保

これまでの歩み:

  • 2022年:プロジェクト発足(NFTアートブームの時期)
  • 2023年:「VIRTUAL G-SHOCK」NFTを発行
  • 2024年:STEPNなど著名Web3プロジェクトとのコラボレーション展開
  • 2025年:メタバースプロジェクト「The Sandbox」にて、G-SHOCKの世界が体験できるゲームをオープン。G-SHOCK Droidロボット型NFTを発行

Pacific Metaによる伴走支援

当社は両社の海外コラボレーション創出やマーケティング支援で伴走してきた経緯があり、そのご縁から今回、3社合同のパネルディスカッションが実現した。

KDDIに対しては、海外プロジェクトとの連携検討、イベント運営、バリデータ事業などで実務支援を行ってきた。一方、CASIOに対しては、企画検討、コミュニティ運営、海外プロジェクトとの連携で伴走した。 いずれも両社が主導する取り組みに対し、海外を含む業界ネットワークや専門知識、マーケティングの観点から実務を補完する立場で関わっている。本レポートで紹介する事例の一部は、こうした協働の積み重ねから生まれたものである。

なぜWeb3事業に取り組んだのか

―御社がWeb3事業に取り組むことになった背景をお聞かせください。

KDDI:スタートアップ投資の変化と新たな経済圏への対応

KDDIがWeb3に着目したきっかけは、2020〜2021年頃のスタートアップ投資環境の変化であった。

「株式ではなくトークンで資金調達をする会社が非常に多くなり、スタートアップ企業と連携していくうえで、その分野に対応していく必要性を強く感じました。」(笠井氏)

さらに、Web3・ブロックチェーン技術と同社が注力するID基盤や決済事業との関連性も見逃せなかった。暗号資産やトークンを中心とした全く新しい金融・経済の仕組みが生まれる兆しが見え、「そこにタッチしていかなければ、大きな経済活動や金融分野での機会を失う可能性がある」という危機感が、検討を加速させたという。

CASIO:グローバルブランドの強みを活かした新市場の開拓

一方、CASIOの動機は、製造メーカーとしての事業環境の変化にあった。

CASIOは元々、携帯電話端末やデジタルカメラなどを手がけるハードウェアメーカーとして多角的に事業を展開していた。しかし、市場環境の変化により事業構造が転換し、時計事業を主力とする体制へと移行した。G-SHOCKブランドを主軸に人気を博していた時計事業も、Apple Watchの登場などによる市場環境の変化により、「これまでの延長だけでは安定的な成長が難しい」状況に直面していた。

「CASIOの時計事業は8割が海外ビジネスで、その海外での知名度を何かに活かせないかと考えました」(大林氏) こうした中で、さらに新しいことに挑戦する機運が社内に生まれ、グローバルに強いG-SHOCKブランドとWeb3の親和性に可能性を見出したのだ。時計だけではアプローチできないゲームファンなどのコミュニティへのリーチという新たな発想が、Web3挑戦の起点となった。

社内推進の壁をどう乗り越えたか

―Web3という前例のない挑戦において、社内の理解をどのように得てきましたか?

目に見える形で伝えることが重要(KDDI)

Web3は、触れたことのない人には非常に分かりにくい領域である。多くの企業で、特にマネジメント層の理解を得ることが大きな課題となっている。

「言葉で説明するのは非常に難しいので、プロトタイプを作って見せて説明していくことを重視しました」(笠井氏)

また、意外な発見として、社内に趣味としてWeb3に関心を持っているメンバーが一定数見つかったという。
Web3事業はどの部署にとっても未知の領域であり、経理処理や法務対応など慎重に進める必要がある部分も多かった。そうした中で、様々な部署に「隠れWeb3ファン」が存在したことは、事業を円滑に進める上で大きな助けとなった。
社内副業制度を活用してこうした人材を巻き込み、初期の推進メンバーを形成したことで、プロジェクトが加速したという。

有志による横断チームの結成(CASIO)

CASIOでは、「やりたい」と声を上げた社内メンバーが自然に集まるという特徴的なチーム結成がなされた。

「商品企画、開発、デザイン、マーケティングの各部署からメンバーが集まり、各所属の上司と話をして合意を得られたことが大きかったです」(大林氏)

一つの部署だけで進めようとすると、関連部署すべてに説明して回る必要があるが、最初から横断チームだったことで、各部署での合意形成が並行して進められた。

さらに重要だったのが、事業トップの後押しである。CASIOには「創造 貢献」という企業理念のもと、世界初の小型純電気式計算機やG-SHOCKなど「今までになかったものを作ってきた」歴史がある。この「ゼロイチ精神」が企業文化として根付いていたことが、新しい分野への挑戦を後押しした。

Web3ならではの難しさとは

――NFTや暗号資産には、世間的には「怪しい」というイメージを持たれる場面も少なからずあると思います。Web3で事業を行うにあたり、社内でそうしたマイナスイメージに悩まされたことはありませんでしたか?

「社内ではWeb3そのものに対するマイナスイメージはそれほどありませんでした。ただ、会社として扱う上で、法務面の確認など、実務上の対応が非常に難しかったですね」(笠井氏)

例えば、企業としてNFTを購入した際、会計上これを資産として扱うべきかどうか。法律や社内ルールが確立されていない中で、経理処理や法務対応に悩まされたという。

「法務や経理など、事業部門以外の方たちに興味を持ってもらい、理解してもらって『これで大丈夫だよね』と確認していくプロセスが必要でした」(笠井氏)

「CASIOでも同様で、初回NFT発行時には『これはどのように経理処理すればいいのだろう』『法規的には大丈夫なのか』などといった懸念が社内にあり、解決には時間を要しました」(大林氏)

Web3事業を推進する上では、法務・経理・監査などといった管理部門を早期に巻き込み、理解者を増やしていくことが重要である。

Web3が事業にもたらしたポジティブな変化とは?

ー実際にWeb3が御社の事業にもたらした効果や、ポジティブな変化について教えてください

共創の機会が拡大。さらに海外認知や時代の流れへの機動力も向上(KDDI)

「まだ全社の規模に対し事業収益としては必ずしも大きいとはいえませんが、さまざまなきっかけづくりに非常に役立っています」(笠井氏)

NFTを中心としたサービスを展開する中で、様々なクリエイターや企業とのコラボレーションが非常にしやすくなったという。ゲームで使えるNFT、地域の観光資源を体験できるNFTなど、多様な組み合わせが可能になり、KDDIが本来持つ通信やソリューション事業との相乗効果も生まれている。

また、海外のブロックチェーン企業からの認知度向上も大きなメリットであった。 「バリデータをしている海外プロジェクトから『日本の企業として、KDDIさんのことは知っている』と言ってもらえることが多く、グローバル展開においても優位性を発揮しています」(笠井氏)

「たとえ大きな事業にならなかったとしても、継続してきたことで、時代の新たな流れに対して、技術的な理解や検討ができるようになった点がとてもよかったです。」(笠井氏)

“Web3でのマネタイズ”と”マーケティング”の両立が実現(CASIO)

CASIOにとって最も大きな成果は、Web3でのマネタイズが実現できていることである。

「時計業界の中で、メタバース上に体験空間を作るといった本当にこれまでできなかったことが先進的に捉えられ、ブランドの拡張性や認知度の優位性を発揮できています。」(大林氏)

特に成功事例として挙げられたのが、STEPNとのコラボレーションである。

G-SHOCK × STEPNのNFTスニーカーを発売したときは、通常のSTEPNのNFT発行時の何倍もの人が集まって購入いただきました。その売上をマーケティングに充当できたことが非常にポジティブな結果ですね」(大林氏)

Web3事業に取り組む企業の中で「ビジネスになっている」と明言できるケースは決して多くない。CASIOの事例は、適切なパートナーとのコラボレーションによってマネタイズとブランディングを両立できることを示している。

今後のWeb3事業構想

―最後に、今後の展望について教えてください。

次世代金融を身近にするプラットフォームへ(KDDI)

「ビットコインやステーブルコインなどに対して、数年前は『怪しい』『難しい』イメージがあったかもしれませんが、今は身近な人たちも暗号資産を持っている状態になってきています。税制や法制度もだいぶ整理されてきました。 KDDIとして直接暗号資産を扱うのは難しいものの、例えば持っているポイントの一部が暗号資産に交換できるようになったら便利ではないか、など、『暗号資産をより安全・安心に持ったり使ったりできる環境』の実現に向けできることがないか検討していきたいと考えています。」(笠井氏)

これまでエンドユーザーに近い立場でNFT販売を中心に事業を展開してきた経験が、今後の検討の基盤になっているという。

コラボ事業の深化と新プラットフォームへの展開(CASIO)

「これまで継続してきたコラボ事業をより発展させていきたいと考えています」(大林氏)

当初はキャラクターのビジュアルをG-SHOCKテイストにするところから始まったコラボレーションも、The Sandboxでは「耐衝撃」といったG-SHOCKの世界観そのものをメタバース上で体験できる空間として表現するまでに進化している。

「私たちはプラットフォーマーではないので、勢いのあるプラットフォームを使いながら何ができるのかを模索しています。Web3領域に留まらない分野でも、引き続き試行錯誤している状況です。」(大林氏)

Web3は、多くの企業にとってまだ「未知の領域」かもしれない。しかし、KDDIとCASIOの事例が示すように、適切なアプローチで着実に事業化への道を切り拓くことは可能である。

重要なのは、自社の強みとWeb3の特性をどう掛け合わせるか、そして社内外の理解者・協力者をどう増やしていくかである。プロトタイプによる可視化、横断チームの結成、管理部門の早期巻き込み、外部パートナーとの連携―こうした実践の積み重ねが、新規事業を前に進める。

「たとえすぐには大きな事業にならなかったとしても、継続してきたことで技術的な理解や検討ができるようになりました」(笠井氏)

この言葉が示すように、Web3事業への取り組みは、短期的な収益だけでなく、将来の事業機会を掴むための「学習と準備」の側面も持っている。技術や市場が成熟するまでには時間がかかるが、粘り強く取り組める体制を整え、小さな一歩から始めることで、いつか訪れる機会に備えることができる。

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Pacific Metaは、ブロックチェーン技術を活用した新規事業の立ち上げから開発マーケティングまでを一気通貫で支援しています。

支援内容例

  • 新規事業の企画支援:Web3・ブロックチェーンを活用した事業コンセプト設計、PoC支援、パートナー選定など
  • マーケティング・コミュニティ支援:戦略立案、SNS・Discord運用、キャンペーン設計、海外ユーザー向け発信支援
  • 海外プロジェクト連携支援:海外Web3プロジェクトとの提携交渉・コラボレーション設計・コミュニケーションサポート
  • バリデータ・ノード運用支援:事業性評価、技術要件整理、インフラ構築・運用サポート
  • 暗号資産保有・ステーブルコイン導入支援:規制対応から技術実装まで、ワンストップでサポート

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監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、Web3、NFT、DeFi、ブロックチェーン、GameFi、メタバースなどの新たなデジタルエコノミーに精通する専門家集団です。 常に最新のトレンドを追求し、読者にわかりやすく伝えることを目指します。

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