ソニー銀行は7月29日、米ドル建てデジタル証券「米ドル建投資パートナーシップファイナンスデジタル証券(2026年第1号)」の募集取り扱いを開始しました。本商品は三井住友信託銀行が組成・発行を行い、セキュリタイズジャパンが提供するブロックチェーン基盤を用いて管理される実績配当型の信託受益権です。調達された資金は、米ソニー・ミュージックグループなどが参画する音楽カタログ資産への投資パートナーシップに活用される仕組みとなっています。
商品の仕組みと投資条件
今回のデジタル証券は、「米ドル建実績配当型合同運用指定金銭信託受益権」をトークン化した商品です。顧客から預かった米ドル建て信託金は、ソニー銀行向けの米ドル建て貸付金や三井住友信託銀行の米ドル普通預金などで運用されます。ソニー銀行は、この運用を通じて調達した資金を、GICや米ソニー・ミュージックグループ(SMG)が設立した音楽カタログ資産への投資パートナーシップへ投資します。
募集総額は1,000万ドル(約16億円)で、1口1,000ドル(約16万円)から最大100口まで申し込みが可能です。募集期間は7月29日から9月28日までで、申し込み後に抽選で割当が決定します。対象はソニー銀行の普通預金口座および米ドル普通預金口座を保有する18歳以上75歳未満の国内在住個人などとなっています。運用期間は1年間(信託設定日は10月19日、満了予定日は2027年10月18日)で、予定配当率は年3.5%(税引前)に設定されています。ただし実績配当型商品のため元本や配当は保証されず、原則として中途解約はできません。
技術基盤と顧客向けプラットフォームの機能
本商品の管理には、セキュリタイズジャパン(Securitize Japan)が提供するプライベート型ブロックチェーン基盤が採用されています。権利は電子記録移転有価証券表示権利(ブロックチェーン等のデジタル技術を用いて記録・移転される有価証券上の権利)等として電子的に管理・記録されます。
顧客体験の面では、ソニー銀行のインターネットバンキングからセキュリタイズの購入申込画面へシングルサインオン(SSO)で直接遷移できるシステムが構築されています。また、投資家向け画面および管理画面では、外貨での金額表示に加え、源泉徴収税などの外貨ベースでの自動算出や分配金額の確認機能が提供されます。三井住友信託銀行、ソニー銀行、セキュリタイズの3社による協業は、2023年7月の合同運用指定金銭信託STや2024年3月の米ドル建てグリーンファイナンスSTに続く実績となります。
音楽カタログ投資の背景と関連する金融事業の動向
投資対象となる音楽カタログ資産とは、過去に制作・公開された楽曲やオリジナル音源に関する権利の集合体を指します。音楽配信、ストリーミング、放送、広告利用などを通して継続的なロイヤリティー収入が得られることから、近年は投資対象として注目を集めています。同パートナーシップとソニー・ミュージック・パブリッシング(SMP)は5月、ブラックストーンが運用するファンドからレコグニション・ミュージック・グループが保有する4万5,000曲以上の音楽カタログを取得することで合意しています。
なおソニー銀行は、今回のデジタル証券発行のほかにもデジタル金融領域での取り組みを展開しています。米国においては米通貨監督庁(OCC)から条件付き承認を取得し、米ドル建てステーブルコインの発行・管理を担う100%子会社「コネクティア・トラスト・ナショナル・アソシエーション」の設立を計画するなど、デジタル資産を活用した事業基盤の構築を進めています。
ポイント
- ソニー銀行が米ドル建てデジタル証券「米ドル建投資パートナーシップファイナンスデジタル証券(2026年第1号)」の募集を開始しました。
- 募集総額は1,000万ドルで、調達資金は米ソニー・ミュージックグループなどが参画する音楽カタログ資産投資パートナーシップへ充てられます。
- 三井住友信託銀行が組成・発行し、セキュリタイズジャパンのプライベート型ブロックチェーン基盤上で管理されます。
- 実績配当型信託のデジタル証券化に加え、米国でのステーブルコイン事業推進など、伝統的金融とブロックチェーン技術の統合を図る取り組みとして注目されます。