データセンター障害でSolanaのステークトークン約29%がオフラインへ。全停止の閾値まで約2,000万SOLに接近

スマートコントラクト(自動実行プログラムを備えた分散型台帳技術)を提供する主要ブロックチェーンのSolana(ソラナ)において、データセンター事業者のルーティング障害が発生し、ステークされたトークンの約29%が一時的にオフラインとなりました。ステーキング(ネットワークのセキュリティ維持のために暗号資産を預託する仕組み)プラットフォームのMarinade(マリネード)によると、Solanaはステークされたトークンの3分の1以上が停止すると取引の最終確定が不能になる仕様となっており、今回は完全停止の閾値まで約2,000万SOLに接近する事態となりました。データセンター側の修正により通信自体は10分ほどで復旧したものの、一部の主要バリデータ(取引検証を担うノード)でバックアップ切り替えが機能せず、33分間にわたりオフライン状態が続きました。インフラ依存の偏りがネットワーク停止リスクに直結することが示された出来事として注目されます。

ルーティング障害の発生と復旧までの経緯

今回の障害は、インフラプロバイダーであるTeraswitch(テラスイッチ)のマイアミ施設で生じた不正なインターネットルーティングが原因とされています。この問題がヨーロッパやアジアのデータセンターに伝播し、ロンドン、アムステルダム、フランクフルト、シンガポール、東京に位置する約90のバリデータが切断されました。なお、北米地域のインフラはオンライン状態を維持したとされています。

Teraswitchは約10分でルーティングエラーを修正し、UTC(協定世界時)午前4時16分までにトラフィックは正常化しました。しかし、大手バリデータであるHelius(ヘリウス)を含む影響を受けたバリデータの多くは、バックアップシステムへの切り替えが行われず、結果として33分間にわたりオフライン状態が続きました。この障害により影響を受けたバリデータ全体で合計333 SOLの報酬損失が発生しましたが、これらは「バリデータボンド」(パフォーマンス保証のための積立資産)により手当てされる予定です。

単一事業者への依存とインフラ集中化のリスク

Solanaネットワークでは、ステークされているトークンの3分の1(約33.3%)以上が同時に停止した場合、トランザクションのファイナリティ(取引が不可逆となる確定状態)が停止します。仮にこの基準を超えていた場合、すべてのSOL保持者において取引確定がストップし、2024年2月に発生した約5時間のネットワーク停止と同様の事態に発展していたと見られます。

今回の障害では、AS2032として識別される単一のネットワーク事業者が、ネットワーク上にロックされているトークン全体の25%以上(4分の1超)を制御していたことが判明しました。これはSolanaが定めている安全制限を超える数値であり、特定のインフラプロバイダーへの偏りが脆弱性となっている実態が浮き彫りとなりました。SolanaはDeFi(分散型金融)プロトコル上で43億ドル相当の資産が預託される巨大基盤であり、高速かつ低コストな代替チェーンとして広く利用されているため、インフラの分散化と冗長性の強化が今後の重要な課題と見られます。

ポイント

・データセンタープロバイダーTeraswitchのルーティング障害により、Solana上でステークされていたトークンの約29%が一時的にオフラインとなりました。

・ネットワークのファイナリティ(取引の最終確定)が停止する「ステーク量の3分の1以上が停止」という閾値に対し、約2,000万SOLの差まで接近した点で深刻性が示されています。

・単一のネットワーク事業者(AS2032)が全ステーク量の25%超を占めていたことが判明し、Solanaの定める安全基準を超えるインフラ集中リスクが顕在化しました。

・影響を受けた約90のバリデータが合計333 SOLの報酬を喪失しましたが、バリデータボンドによって補填される見通しです。

・Heliusを含む主要バリデータでバックアップシステムへの切り替えが行われず33分間停止したことから、障害発生時の対応力や冗長化の必要性が浮き彫りになりました。

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監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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