韓国のスマホ決済・送金サービス「カカオペイ」は8月12日、ウォン建てステーブルコインの発行およびグローバルエコシステム構築の準備を進めていることを明らかにしました。同社はプロジェクトマネージャーやサーバー開発者の求人募集を開始しており、国内外のパートナーと協力して韓国初となるステーブルコイン基盤の金融サービスモデルの構築を目指しています。今年7月には米サークル(Circle)社との提携を発表しているほか、利用者4,000万人を抱える決済サービスや「カカオトーク」と連動させたスーパーウォレット構想も打ち出しており、同国のWeb3決済インフラにおける重要な動きとして注目されます。
ウォン建てステーブルコイン発行に向けた人材採用とインフラ構築
カカオペイは8月12日、求人募集ページにおいて、次世代金融インフラの中核としてウォン建てステーブルコインの発行とグローバルエコシステムの構築を準備中であることを公表しました。同社は国内外の企業、海外決済・送金ネットワーク、ブロックチェーンインフラパートナーと連携し、韓国初とされるステーブルコイン基盤の金融サービスモデルを構築する計画です。
募集職種としては、ステーブルコイン(米ドルなどの価値に裏付けられ、価格の安定を目指した暗号資産)をベースとしたサービスの企画や概念実証(PoC)、国内外の規制環境を踏まえたプロダクトポリシー策定およびコンプライアンス対応を担うプロジェクトマネージャーに加え、発行と流通を担うサーバー開発者の採用が進められています。
サークル社との戦略的提携とスーパーウォレット構想
カカオグループ(カカオコープ、カカオペイ、カカオバンク)は今年7月、米ドル建てステーブルコイン「USDC」などを手掛ける米サークル社と戦略的覚書(MOU)を締結しました。カカオグループが持つプラットフォームと金融サービスの運営経験に、サークル社のグローバル決済インフラとブロックチェーン技術を組み合わせることで、決済・精算、海外送金、資産トークン化の可能性検討といった多角的な協力を推進する見込みです。
さらに、カカオペイのシン・ウォングンCEOは7月、ステーブルコインやトークン化資産を保有・管理できる「スーパーウォレット」の構築構想を発表しました。4,000万人が利用する送金・決済サービスとステーブルコインを連携させ、メッセージアプリ「カカオトーク」に組み込まれた「カカオペイ・ウォレット」を通じて、利用者がブロックチェーン技術を意識することなく利用できる利便性の高い環境を目指すとしています。
韓国におけるステーブルコインの流通量は、2024年時点でGDP比3.2%に達しており、米国の1.1%を上回り新興国を除けば世界トップクラスとされています。大規模なユーザー基盤と強力なメッセージングアプリを基盤とするカカオグループが参入することで、韓国内でのデジタル資産決済の普及が加速する可能性があります。
ポイント
- 韓国カカオペイが求人募集を開始し、韓国初となるウォン建てステーブルコインの発行およびグローバルエコシステムの構築準備を表明しました。
- 米サークル社と戦略的覚書(MOU)を締結しており、ブロックチェーン決済インフラや国際送金、資産トークン化領域での連携が進められています。
- 利用者4,000万人を誇る既存サービスや「カカオトーク」と連携した「スーパーウォレット」を軸に、技術を意識させない利便性の高い金融モデルを目指す点で重要視されます。
- 2024年の流通量がGDP比3.2%と世界トップクラスの利用水準にある韓国において、主要決済プラットフォームによるステーブルコイン事業推進が注目されます。