オンド・ファイナンス創業者の母親が現CEO解任を求めて提訴。同社の支配権確認と重要決定の制限を求める方針

現実資産(RWA)のトークン化サービスを手掛けるオンド・ファイナンスにおいて、経営権を巡る法的な対立が発生しました。2026年5月に急逝した創業者ネイサン・オールマン氏の母親であるキャスリーン・オールマン氏が、現CEOのイアン・デ・ボード氏の解任と同社の支配権を求め、7月24日にデラウェア州衡平法裁判所へ提訴しました。原告側はCEO就任手続きの不備などを主張する一方、デ・ボード氏側は主張に根拠がないと反論しており、主要なRWAプロトコルにおける経営体制の正当性が法廷で争われることになります。

創業者の急逝とCEO就任手続きを巡る双方の主張

今回の対立は、2021年にオンド・ファイナンスを設立したネイサン・オールマン氏が2026年5月に死去したことに端を発しています。同社は当時社長であったイアン・デ・ボード氏がCEOに就任すると発表しましたが、キャスリーン・オールマン氏はその就任に必要な取締役会の承認が得られておらず、適切な手続きを経ていないと主張しています。

訴状によると、ネイサン氏は死去時点で同社のCEO、唯一の取締役、支配株主を務めており、もう1つの取締役席は空席でした。そのため、同氏の死去後は取締役が不在となり、取締役会によるCEO選任が行えない状態だったとされています。ネイサン氏が保有していた議決権は遺産の一部となり、6月26日にハワイ州の裁判所から遺産の個人代表(法的代表者)に任命されたキャスリーン氏が、株主による書面同意を通じて自身を唯一の取締役に選任したと主張しています。

その後、取締役会を4席に拡大したキャスリーン氏は、ネイサン氏の姉妹であるターニー・トウィル氏らを取締役に選任しました(同時に選任されたゴードン・リャオ氏は紛争とは無関係の理由で就任を辞退)。そして7月24日付で、キャスリーン氏とトウィル氏がデ・ボード氏をすべての役職から解任し、キャスリーン氏が取締役会議長兼暫定CEOなどに就任したと主張しています。

裁判所への請求と現経営体制側の反論

キャスリーン氏側はデラウェア州衡平法裁判所に対し、オンド・ファイナンスを適法に支配する権限を持つ者の判断を求めるとともに、経営権を巡る争いが解決するまでの間、会社による重要な意思決定を制限するよう求めています。

これに対し、デ・ボード氏はメディアへの声明において、キャスリーン氏側の主張には根拠がなく、裁判を通じて明らかになるとの見解を示しています。さらに、主要な投資家やオンド財団は現在の経営体制を支持しており、経営陣は引き続きネイサン氏が掲げたビジョンの実現に取り組む方針を示しています。

なお、公開されている訴状では、ネイサン氏が保有していた議決権の具体的な比率や死因については黒塗りとなっています。

ポイント

  • 創業者ネイサン・オールマン氏の急逝に伴い就任したイアン・デ・ボード現CEOの手続きの適法性が争点となっている点で注目されます
  • 故人の遺産管理人となった母親のキャスリーン・オールマン氏が、取締役選任および現CEOの解任を主張して提訴しています
  • 現経営陣側は主張に根拠がないと反論し、主要投資家やオンド財団からの支持を強調しています
  • 経営権の帰属が裁判所で確定するまでの間、会社による重要な意思決定の制限が求められており、ガバナンスの行方が注視されます
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監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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