ブロックチェーンで取引履歴やスマートコントラクトの動作を監査したいけれど、どのエクスプローラーを選べばよいか悩んでいませんか?
複数チェーン対応やスマートコントラクト解析機能など、ニーズに合ったツールを見つけるのは意外に大変です。
自社プロダクトの透明性や監査効率を上げるためにも、ブロックチェーンエクスプローラーの仕組みをしっかり把握したいと考えるエンジニア・PMの方は多いのではないでしょうか。
今回、Pacific Meta Magazineでは、ブロックチェーンエクスプローラーについて以下の内容について紹介しています。
- 基礎概念と歴史的背景、注目される理由
- 仕組みや取得できるデータの詳細
- ステップバイステップの使い方と実務活用
- スマートコントラクト解析・API連携方法
- 主要サービスの比較と導入ポイント
- セキュリティ対策やFAQ
最後までご覧いただくことで、最適なブロックチェーンエクスプローラーの選び方や安全な運用方法が分かり、監査・トラブルシューティングに即活用できるようになります。
ぜひ、最後までご覧ください。
- ブロックチェーンエクスプローラーとは?
- ブロックチェーンエクスプローラーが注目される理由
- ブロックチェーンエクスプローラーの仕組みとデータ構造
- ブロックチェーンエクスプローラーで確認できる情報一覧
- ブロックチェーンエクスプローラーの使い方を紹介
- ブロックチェーンエクスプローラーでスマートコントラクト解析する方法
- ブロックチェーンエクスプローラーでAPI連携とデータ分析をする方法
- ブロックチェーンエクスプローラーのメリット・注意点
- ブロックチェーンエクスプローラー主要サービス比較
- ブロックチェーンエクスプローラー選定ポイントとチェックリスト
- ブロックチェーンエクスプローラーをビジネスで応用するには?
- ブロックチェーンエクスプローラー利用時のセキュリティ対策
- ブロックチェーンエクスプローラーに関するよくある質問
- ブロックチェーンエクスプローラーについてまとめ
ブロックチェーンエクスプローラーとは?

ブロックチェーンエクスプローラーは、ブロックチェーン上の取引やブロック情報を検索し、可視化するウェブツールです。
誕生の背景には、ビットコインの公開台帳を誰もが閲覧し取引を検証できるようにしたいというニーズがありました。
ビットコインが登場した当初は、コマンドラインからノードに直接アクセスして取引情報を読み取る必要があり、非常に非効率でした。
そこで2010年代前半に、ビットコインブロックチェーンを人間が読みやすい形に変換するウェブサービスとして「Blockchain.info(現・Blockchain.com)」や「BlockExplorer」などが誕生しました。
続くイーサリアムの普及に伴い、スマートコントラクトのソースコードを含むより詳細なデータを提供するEtherscanなどが登場し、エクスプローラー市場が本格化しました。
現在では複数チェーンに対応するマルチチェーン型のエクスプローラーも増え、ブロックチェーンを横断的に分析できるプラットフォームへと進化を遂げています。
エクスプローラーによってはAPI機能やアドレス監視、ソースコードの検証などを含め、単なる「見える化」を超えてブロックチェーン上の活動を総合的に管理できる環境を提供するようになりました。
ブロックチェーンが拡大するにつれ、エクスプローラーもその透明性を担保する重要な基盤となっています。
ブロックチェーンエクスプローラーが注目される理由

まず、世界的に暗号資産やトークンを扱う企業・団体に対する規制強化の流れが進んでおり、ブロックチェーンの取引をオープンに確認できる手段が求められています。
取引内容が真正であるかを自社や第三者が即時に検証できるため、監査面での需要が高いのです。
また、企業内部でのモニタリングや不正取引の早期発見といった監査ニーズも高まっています。
従来は特定のノードを運営してコマンドラインでデータを抽出していましたが、専門知識や時間がかかりすぎました。
エクスプローラーなら直感的なUIでブロックや取引を検索・閲覧できるため、開発・監査効率が格段に上がります。
さらに、開発者にとってはスマートコントラクトの検証やデバッグにも欠かせないツールです。
エクスプローラーのイベントログやデコード機能を使うことで、コードの動作をリアルタイムで監視しやすくなり、バグの特定や最適化も容易になります。
こうした利便性から、ブロックチェーンに携わるエンジニア・PMがエクスプローラーを常に活用する流れが定着してきました。
ブロックチェーンエクスプローラーの仕組みとデータ構造

ここでは、エクスプローラーの裏側でどのようにブロックチェーンのデータを収集・検索しているか、その仕組みを解説します。
ブロック・トランザクション・アドレスの関係
ブロックチェーンはブロック同士がハッシュで繋がる「チェーン構造」であり、各ブロックには複数のトランザクションが格納されています。
トランザクションは送金元アドレス、送金先アドレス、送金額や手数料などの情報を含み、そのハッシュ値で一意に識別されます。
アドレス同士のやりとりはブロックチェーン上のどこかのブロックに含まれることで確定され、誰でもその取引の内容を検証できるのが特徴です。
エクスプローラーは、これらブロック・トランザクション・アドレスの関係を階層的に管理し、ユーザーがどのブロックにどの取引が含まれているかをたどれるようにインデックスを作成しています。
ハッシュリンクという暗号技術によってブロック同士が改ざんできない形で連結しているため、エクスプローラー上の検索結果も改ざん不可能な状態で公開されるのです。
UTXOモデルとアカウントモデルの表示差異
ビットコインをはじめとするUTXOモデルと、イーサリアムなどEVMチェーンが採用するアカウントモデルでは、エクスプローラー上での表示が異なります。
UTXOモデルは、使用されていない出力(UTXO)がウォレット残高に相当します。
一方アカウントモデルは、アドレスに紐付いたバランスを直接管理する仕組みです。
例えばBitcoin系のエクスプローラーでは、各トランザクションに複数のInputsとOutputsが表示され、それぞれがUTXOとして管理されています。
EVM系のエクスプローラーでは、アドレスの残高がひとつの数値として表示され、トークン残高やスマートコントラクト情報も併せて確認できます。
インデックス生成と高速検索アルゴリズム
多くのエクスプローラーはノードから取得した生データをデータベースに格納し、検索を高速化しています。
新しいブロックが生成されるたびにインデクサが情報を取り込み、何億件ものトランザクションから瞬時に検索できるよう最適化されているのです。
特にリアルタイム更新が求められるEthereumなどの高トランザクションチェーンでは、効率的なDB設計とスケーリング戦略が不可欠です。エクスプローラー運営には相応の技術力が求められます。
ブロックチェーンエクスプローラーで確認できる情報一覧
ここからは、エクスプローラー上でどのような情報を閲覧できるか、その主な内容を整理します。
トランザクション詳細とガス代の見方

エクスプローラーでは、Txハッシュを検索して、送金元・送金先アドレスや送金額、ステータス(Success/Fail)、Gas Used、Gas Priceなどを確認できます。
Ethereumの場合、手数料は「Gas Used × Gas Price」で計算されます。
トランザクションが失敗した場合、RevertedなのかGas不足なのかなどがステータスで示されます。
エクスプローラーによってはエラーコードを可視化しており、開発者がデバッグしやすくなるのが特徴です。
ブロック統計とチェーン状態モニタリング

エクスプローラーのトップページなどでは、最新ブロック高や平均ガス価格、未承認トランザクション数(Pending Tx)などのメトリクスがリアルタイム表示されます。
これらの統計を見れば、ネットワークの混雑度や手数料の相場を把握できます。
ブロック単位の情報も充実しており、タイムスタンプやマイナー(バリデータ)、難易度、含まれるトランザクション数などを一覧できます。どのアドレスがどの程度の手数料を払っているか、ブロック生成の頻度がどのくらいかといったマクロ分析も可能です。
アドレス残高・トークン保有量チェック

アドレスを検索すると、ネイティブ通貨やERC-20トークン、NFT(ERC-721/1155)の保有状況を一覧できるエクスプローラーが多いです。
ERC-20は数値で残高を表示し、ERC-721の場合はコレクション名やトークンIDの一覧を見ることができます。
ただし、エクスプローラーによっては独自にコントラクトを認識して登録している場合もあります。未認識のトークンや特殊なNFTは表示されない可能性もあるため注意が必要です。
ブロックチェーンエクスプローラーの使い方を紹介
ここでは、実際にエクスプローラーを操作するときの手順を、具体的に解説します。
トランザクションを検索する方法
- トップページやヘッダー部の検索バーをクリックします。
- 検索バーに取引ID(Txハッシュ)を入力し、Enterキーを押します。
- 表示されたトランザクション詳細ページで、StatusやGasUsed、From/To、Valueなどを確認します。
- Txハッシュやブロック番号をコピーして共有する場合は、この詳細ページのURLを参照すると便利です。
アドレス追跡で残高遷移を可視化する方法
- 検索バーにウォレットアドレスを入力し、残高や過去のトランザクション履歴を表示します。
- Etherscanなどではトークンタブから、保有トークンや転送履歴を確認できます。複数のトークンを保有するアドレスであれば、Token Trackerを使って保有量推移をチェックできます。
- 一部エクスプローラーには残高推移をグラフ表示する機能があり、特定期間の増減を可視化可能です。高額アドレスの大きな送金時期を分析する際に役立ちます。
イベントログとスマートコントラクト呼び出しを確認する方法
- スマートコントラクトが関与するトランザクションの詳細ページで、Logsタブを開きます。
- イーサリアム系ではイベントのトピック(Topics)が表示され、TransferやApprovalなどをデコードして閲覧可能です。どの関数が呼び出されたかも確認できます。
- Decode Input Data機能を使うと、コントラクト呼び出し時のパラメータを読みやすい形で確認できます。どのアドレスがいくつトークンを送信したかなど、実行内容をトレースしやすくなります。
CSV/JSON形式でファイルをエクスポートする方法
多くのエクスプローラーでは、検索結果をCSVやJSON形式でエクスポートできます。
会計ソフトやBIツールに取り込むことで、監査やレポート作成が効率化します。
Etherscanの場合、アドレスページ右下のExport CSVボタンなどで履歴をダウンロードできます。
大量データが必要なときは、API経由でバッチ取得する方法も検討しましょう。
ブロックチェーンエクスプローラーでスマートコントラクト解析する方法
次は、エクスプローラーを使ったスマートコントラクトのコード解析やイベントログのモニタリング方法について解説します。
コントラクトソースコード閲覧と検証
エクスプローラーでは、スマートコントラクトのバイトコードと一致するソースコードをアップロードし、Verified状態にできる機能があります。
これにより、利用者はコードを直接確認して不正やバグを自己判断できます。
検証時はコンパイラのバージョンや最適化フラグを正しく一致させる必要があります。
Verifiedコントラクトならソースコードが自由に参照でき、開発者やコミュニティからの信用も得やすくなります。
関数呼び出し・イベント解読
Etherscanの「Read/Write Contract」タブを使うと、ブラウザ上でコントラクト関数を呼び出せます。
ウォレットを接続してDAppを経由せず直接実行できるのが特徴です。
実行したトランザクションのイベントログはTopicsに記録され、ABIを使ってデコードできます。
想定外のイベントが発火していないかなど、オンチェーンの動作を詳細に確認する際に役立ちます。
ガス最適化ポイントの見つけ方
GasUsedやGasPriceを比較することで、どの関数が高コストか把握できます。
L2(OptimismやArbitrum)でも大量トランザクションを想定するならガス最適化が重要です。
エクスプローラーの検索結果を繰り返しチェックすれば、関数呼び出しの微調整や最適化を進めやすくなります。
ブロックチェーンエクスプローラーでAPI連携とデータ分析をする方法
ここからは、エクスプローラーのAPIを活用し、自動化やダッシュボード連携に生かす方法を説明します。
REST / GraphQL API概要と取得例
主要エクスプローラー(EtherscanやBscScanなど)は開発者向けにREST APIを提供しています。
ブロック番号やアドレスを指定し、詳細データをJSON形式で取得できるのが特徴です。
例えばEtherscanのAPIで「module=account&action=txlist&address=…」のように指定すると、アドレスのトランザクション一覧が返されます。
GraphQL対応のサービスもあり、柔軟なクエリを組んでデータを取得できます。
Python・Node.jsで自動データ収集
Pythonのweb3.pyやNode.jsのethers.jsを使うと、オンチェーンデータの取得に加えてエクスプローラーAPIも組み合わせることが可能です。
監査ツールからウォレットを定期スキャンし、Tx履歴をSlackへ通知するなどのワークフローを構築できます。
レートリミットには注意し、有償プランや自前ノードの検討も必要です。
大量データを扱う場合はバッチ処理や並列化の設計がポイントとなります。
ダッシュボード可視化とアラート設定
取得したデータをGrafanaやMetabaseに取り込み、取引件数やGas使用量をグラフ化する事例が増えています。
ネットワーク状況や自社コントラクトのアクティビティを一目で把握できるようになります。
また、特定のイベントや大口送金を検知したらSlackに通知する仕組みを整えれば、セキュリティリスクを早期に察知可能です。
エクスプローラーAPIは自動監査やリアルタイム警告システムの基盤として期待されています。
ブロックチェーンエクスプローラーのメリット・注意点
エクスプローラーを利用するメリットと、気を付けるべきリスクを確認します。
メリット:監査効率化・透明性の向上
ブロックチェーンエクスプローラーは取引やコントラクトの動きを直感的に把握できるため、監査の効率を大幅に高めます。
オンチェーンデータが全て公開されている特性とも相まって、第三者検証が容易になる点も強みです。
筆者の経験では、リリース直後のコントラクトに不具合が見つかった際、エクスプローラーのイベントログを活用して数時間以内に修正できた事例があります。
もしエクスプローラーがなければ、膨大なログ解析に時間がかかり、復旧が大幅に遅れていた可能性があります。
注意点①:誤解を招くデータ解釈リスク
エクスプローラーの表示を誤読すると、実際には一部処理が失敗しているのに「成功」と見なしてしまうなどのリスクがあります。
Gas代の計算を誤り、コスト見積もりがずれるケースもあるでしょう。
また、UTXOモデルとアカウントモデルの違いを理解していないと、表示された残高を誤解する恐れがあります。細かな仕様を把握せずに意思決定すると、重大な判断ミスを引き起こしかねません。
注意点②:レート制限・サービス不具合への対策
無料APIにはレートリミットがあり、大量リクエストを送るとブロックされる場合があります。
定期的なデータ収集をするなら、有料プランや自前ノードの運用を検討しましょう。
エクスプローラー自体の障害に備えることも必要です。
筆者はイーサリアムの大規模イベント時にEtherscanが重くなり、別のエクスプローラーで代替確認してトラブルを回避した経験があります。
ブロックチェーンエクスプローラー主要サービス比較
ここでは、代表的なエクスプローラーの機能や料金体系、UI/UXを比較します。
Etherscan・Polygonscan・BscScan機能比較

EtherscanやPolygonscan、BscScanは同じEtherscan社が運営しており、UIや機能が共通しています。
対象チェーンがEthereum、Polygon、BNBチェーンで異なる点が大きな違いです。
いずれもスマートコントラクトの検証や詳細検索、API提供などの機能を備えています。
EtherscanはL2を含む幅広いチェーンをカバーし、PolygonscanはPolygon、BscScanはBNBチェーンに特化しています。
メニュー構成や検索バーの配置はほぼ同じで、英語表示ながら直感的に操作しやすい設計です。
大量データを扱う監査や高度な開発には有料APIプランが便利です。
料金・API制限・UI/UX比較表
以下にEtherscan、Polygonscan、BscScanの主な比較を示します。
項目 | Etherscan | Polygonscan | BscScan |
---|---|---|---|
チェーン | Ethereum / L2 | Polygon | BNB Chain |
無料APIリミット | 5 req/sec | 5 req/sec | 5 req/sec |
有料プラン | API PRO (月額数十~数百ドル) | API PRO | API PRO |
UI/UX | 開発者向けツールが充実 | Etherscanと同様 | Etherscanと同様 |
筆者が独自に計測したところ、トランザクション検索速度は3サービスともほぼ同等でした。
日本語には対応していませんが、英語が苦手でも使いやすいUIと言えます。
国内チェーン向けエクスプローラー
日本国内で開発されたチェーンでも公式エクスプローラーが用意されるケースがあります。
Astar NetworkやOasysなどはBlockscoutをベースにした独自エクスプローラーを提供しており、国内企業が運営するチェーンでも透明性確保に力を入れています。
基本的な検索や監査機能は海外チェーンのエクスプローラーと類似しており、アドレスやTxハッシュから履歴をチェックできる点は同じです。
ブロックチェーンエクスプローラー選定ポイントとチェックリスト
ここでは、エンジニアやPMの視点で、エクスプローラーを選定する際の基準をまとめます。
対応チェーンとAPI性能を確認
まずは、対象のブロックチェーンがサポートされているかを確認しましょう。
ビットコイン専用なのか、Ethereumやレイヤー2もカバーするのか、マルチチェーン型なのかを比較します。
次にAPIのレートリミットや提供形態をチェックします。
ダッシュボード連携などを多用する場合、無料枠では不足することもあるので、有料プランの費用対効果を検討する必要があります。
セキュリティ・信頼性の評価項目
公式や実績あるエクスプローラーかどうか、過去に重大な障害や誤表示がなかったかなどを調べます。広告リスクやフィッシングサイトの存在にも注意が必要です。
トップページに怪しい広告が出る場合、アドブロッカーを使うなどの対策も検討してください。
信頼性が低いエクスプローラーを使うと、誤ったデータを参照するリスクが高まります。
社内ワークフロー統合の容易性
監査フローやトラブルシューティングにエクスプローラーを組み込みやすいかも重要です。
API連携で定期レポートを自動生成する、イベントをSlack通知するといったワークフローを構築しやすいかを確認しましょう。
UI/UXがチームメンバーにとって分かりやすいか、日本語ドキュメントやコミュニティがあるかなども、導入コストに影響するポイントです。
ブロックチェーンエクスプローラーをビジネスで応用するには?
金融やNFT、SaaSなど、多様な業種でのをユースケース紹介します。
金融機関による監査自動化事例
国内金融機関では、Etherscanの有料APIプランを使って自社ウォレットをモニタリングし、不正取引や大口送金を自動で抽出することがユースケースとして考えられます。
異常を検知したら社内監査担当に即時通知することが可能です。
これにより不正資金移動の兆候を早期に把握でき、監査コストも削減可能です。
NFTプラットフォームの運用最適化事例
NFTマーケットプレイスを運営する企業では、ブロックチェーンエクスプローラーのAPIを活用し、ユーザーのミントや購入履歴を社内ダッシュボードで管理することが可能です。
問い合わせ対応で「誰がいつ何を買ったか」を即座に確認できるため、カスタマーサポートの迅速化と負荷軽減につながります。
KPI計測とユーザー行動分析の応用
SaaS型Web3サービスでは、オンチェーン上のトランザクションをKPIとして可視化し、トークン保有量や取引回数とユーザー行動を関連付けて分析することが可能です。
「特定トークンの保有量が多いユーザーはリテンション率が高い」などの相関を抽出し、ロイヤルユーザー向けの特別キャンペーンを企画するなど、マーケティング施策に反映されるケースも想定されます。
ブロックチェーンエクスプローラー利用時のセキュリティ対策
最後に、エクスプローラーを安全に活用するためのセキュリティ面を確認します。
フィッシングサイト判別と公式証明チェック
エクスプローラーは閲覧中心のツールですが、偽サイトに誘導されてウォレット接続を求められるフィッシング被害が報告されています。
URLを正確に入力し、公式証明を確認する習慣を身につけてください。
怪しい広告やリンクを踏まないよう、ブラウザ拡張機能やセキュリティソフトの導入も有効です。
APIキー管理とアクセス制御
エクスプローラーのAPIキーをGitHubなどに誤ってコミットすると、第三者が不正利用する恐れがあります。
レートリミット超過や高額請求を回避するためにも、キーは安全に保管しましょう。
有償APIを複数人で使う場合は、アクセス制限を設けるとともに誰がどの用途で利用しているか把握しておく必要があります。
チームでの操作ログ監視
社内で頻繁にエクスプローラーを使用する場合、誰がどのアドレスやトランザクションを調べたか操作ログを残しておくとよいでしょう。
取引情報が機密に関わる場合、誤用や情報漏洩を防ぐためにアクセス監視を強化します。
大規模プロジェクトなら、重要アドレスへのアクセス権限を限定し、承認フローを導入するなど、内部統制の一環として運用体制を整えることが望ましいです。
ブロックチェーンエクスプローラーに関するよくある質問
最後に、エクスプローラーを利用するうえでよくある質問と、その回答をまとめます。
トラブル時や疑問点が出たときの参考にしてください。
トランザクションが見つからない場合の原因は?
チェーンを間違えている、まだ未承認(Mempool)状態、Txハッシュの打ち間違いなどが主な原因です。
まずはチェーンが合っているかと、ハッシュを誤入力していないかを再確認してください。
また、エクスプローラー側の障害もあり得るため、別のエクスプローラーで検索してみるのも有効です。
Mempoolに留まっているだけなら、しばらく時間を置くとブロックに取り込まれ検索可能になる場合があります。
エクスプローラー表示が遅い時の対処法
別のエクスプローラーを使う、VPN経由で接続する、ブラウザのキャッシュをクリアするなどが考えられます。
特定リージョンのサーバー負荷が高いだけの場合もあるため、時間をおいて再度試してみるのも手です。
マイナーなチェーンや新しいL2では公式エクスプローラーが不安定なこともあるので、利用時期をずらすなどの対応が必要になる場合もあります。
APIレート制限を回避する方法は?
無料APIのレートリミットが厳しい場合、有料プランへのアップグレードや自前ノードの運用を検討するのが確実です。
重複データはキャッシュして呼び出し回数を抑える、複数のエクスプローラーAPIを併用して負荷を分散するなどの方法もあります。
本番環境での安定稼働を重視するなら、有料プランかノード運用のいずれかを検討することをおすすめします。
ブロックチェーンエクスプローラーについてまとめ
今回、Pacific Meta Magazineでは、ブロックチェーンエクスプローラーについて以下の内容を紹介してきました。
- ブロックチェーンエクスプローラーの定義と歴史背景、注目される理由
- 仕組み・データ構造と主要な確認ポイント
- トランザクション検索やアドレス残高確認などの使い方
- スマートコントラクト解析やAPI連携による監査・開発効率化
- 主要サービス比較と選定チェックリスト
- 導入事例やセキュリティ対策、FAQでの疑問解消
ブロックチェーンエクスプローラーはオンチェーンデータの可視化と監査効率化に欠かせない基盤ツールです。
初心者向けの残高確認から、開発者・PM向けのスマートコントラクト検証やイベントログ解析まで、幅広い活用が期待できます。
一方で、レートリミットや誤読リスクなどの注意点もあるため、複数のエクスプローラーや有料API、自前ノード運用なども視野に入れておくとよいでしょう。
金融機関やNFTプラットフォームなどの事例からも分かるように、正しく使いこなせばビジネス面でも大きな成果が見込めます。
まずは簡単なトランザクション調査を行い、次のステップとしてAPI連携やコントラクト解析へとスキルを拡大してみてください。
自社の透明性向上や監査効率化に、ブロックチェーンエクスプローラーをぜひ活用してみましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。