新たな資金調達手法として注目される不動産STOですが、その仕組みやREITとの具体的な違い、法規制の複雑さに頭を悩ませていませんか?
ブロックチェーン技術を活用した不動産の小口化・証券化の可能性は理解しつつも、自社でどのように導入し、リスクを管理しながらメリットを享受できるのか、具体的な検討が進まないというお声も耳にします。
今回、Pacific Meta Magazineでは、不動産STOについて、以下の内容を網羅的に解説します。
- 不動産STOの基本的な仕組みと、従来の不動産投資やREITとの明確な違い
- 金融商品取引法を中心とした法規制、許認可プロセス、そして税制面のポイント
- 発行体・投資家双方から見たメリットと、元本割れなどの潜在的リスクとその対策
- 国内外の市場規模、最新動向、ケネディクスやSBIなどの具体的な成功事例
- 不動産STOの発行ステップ、活用されるブロックチェーン技術と主要プラットフォーム
- 専門家の意見も交えた不動産STOの将来展望と、よくある質問への回答
この記事を最後までお読みいただくことで、不動産STOの全体像を深く理解し、貴社における導入検討や事業戦略策定の一助となるはずです。
ぜひ、最後までご覧ください。
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不動産STOとは?従来の不動産投資・REITの違いは?

不動産STO(セキュリティ・トークン・オファリング)は、不動産を裏付けとしたデジタル証券を発行し資金調達を行う仕組みですが、従来の不動産投資やJ-REIT(不動産投資信託)とはいくつかの重要な違いがあります。
最も大きな違いは、投資対象の構造です。
不動産STOでは、投資家は特定の単一または少数の不動産の持分(信託受益権など)をトークン化したものに直接的に投資します。
これにより、「どの物件に投資しているか」が明確になります。
一方、J-REITは複数の不動産物件に投資する不動産投資法人の投資口(株式に類似)を購入する形の間接投資です。
ポートフォリオは運用会社によって適宜入れ替えられるため、個別の物件への関与度は低くなります。
価格変動特性も異なります。
不動産STOの価格は、主に裏付けとなる不動産の鑑定評価額に基づいて算定され、比較的安定した値動きが期待されます。
対して、上場REITは株式市場で取引されるため、市場の需給や金利動向の影響を受けやすく、価格変動が大きくなることがあります。
流動性については、現時点では上場REITの方が高いと言えます。
REITは取引所で日々売買可能ですが、不動産STOは主に証券会社の店頭取引や私設取引システム(PTS)での取引が中心で、REITほどの流動性は確保されていません。
これらの違いを理解した上で、不動産STOを検討する際には、その法的枠組みを正確に把握することが不可欠です。
不動産STOの法規制と許認可プロセス
日本における不動産STOは、2020年5月施行の改正金融商品取引法によって法的な位置付けが明確化されました。
この改正により、セキュリティ・トークンは「電子記録移転有価証券表示権利等」として定義され、金融商品取引法の規制対象となっています。
これにより、不動産STOの発行体や取扱業者には、株式や社債と同様に開示義務や業登録などが課され、投資家保護が図られています。
また、自主規制機関として日本STO協会(JSTOA)が設立され、業界ルールを整備しています。
特に重要なのは、2023年11月に成立し、2024年内の施行が見込まれる改正金商法です。
これにより、従来、金融商品取引法の直接的な規制対象外とされてきた不動産特定共同事業法(不特法)に基づく権利をトークン化したもの(不特法ST)も、明確に金融商品取引法の規制対象に含まれることになりました。
これは、不動産STO市場の健全な発展にとって大きな一歩と言えます。
許認可プロセスは、一般的に以下のステップで進められます。
- スキーム設計と不動産特定:対象不動産を選定し、信託組成やSPC(特別目的会社)設立などのスキームを構築します。不特法の許可が必要な場合は、この段階で取得します。
- トークン設計とプラットフォーム選定:分配金や償還条件などを定めたトークンの権利内容を設計し、発行・管理を行うブロックチェーンプラットフォーム(例:Progmat、ibetなど)を選定します。
- 引受・販売体制の構築:第一種金融商品取引業者(証券会社など)が引受主幹事となり、目論見書を作成し、投資家への募集・販売を行います。
- トークン発行と資金調達:投資家からの払込みを受け、トークンを発行し、投資家のウォレットに交付します。
- 運用・管理:アセットマネージャーが対象不動産を運用管理し、信託銀行などが資産を保全します。
- 分配・償還:賃料収入などから得られた利益をトークン保有者に分配し、運用期間終了時には元本を償還します。この際の税金については、個人の場合、配当所得や譲渡所得として申告分離課税(20.315%)の対象となるのが一般的です。
金融庁の専門家は、「不動産STOに関する法整備は、投資家保護を強化しつつ、新たな資金調達手法としての市場の成長を促すことを目的としている」と述べています。
法的な基盤が整いつつある不動産STOですが、具体的にどのようなメリットが期待できるのでしょうか。
不動産STOのメリットとは?
不動産STOは、発行体であるデベロッパーやREIT運用会社、そして投資家の双方に多くのメリットをもたらします。
発行体にとっては、資金調達手段の多様化と投資家層の拡大が最大のメリットです。
従来、機関投資家や富裕層が中心だった不動産投資の間口を広げ、個人投資家からの小口資金を集めやすくなります。
これにより、特定の大口投資家に依存しない安定的な資金調達が期待できます。
ケネディクスの担当者は、「STOにより、これまでリーチできなかった個人投資家層へアプローチでき、数億円規模の資金調達も可能になった」と実感を語っています。
また、ブロックチェーン技術の活用により、契約や名義書換、配当金の支払いといった事務作業の効率化やコスト削減も見込めます。
スマートコントラクトを利用すれば、これらのプロセスを自動化することも可能です。
投資家にとっては、少額からの不動産投資が可能になる点が大きな魅力です。
数万円単位で特定のビルやマンションに投資できるため、資産形成の選択肢が広がります。
ブロックチェーン上で権利が管理されるため、透明性が高く、取引記録の改ざんリスクも低いという安心感もあります。
将来的には、現在限定的な流通市場が整備されることで、不動産という非流動資産の流動性向上も期待されています。
これにより、不動産市場全体の活性化にも繋がる可能性があります。
多くのメリットがある一方で、不動産STO特有のリスクも存在します。
投資判断には、これらのリスクを正しく理解することが不可欠です。
不動産STOのリスクは?
不動産STOへの投資には、いくつかのリスクが伴います。
これらを十分に理解し、許容できる範囲で投資判断を行うことが重要です。
元本割れリスク
第一に、元本割れリスクです。
不動産STOは預貯金とは異なり、元本が保証されていません。
裏付けとなる不動産の価値は、市場環境や物件の状況によって変動します。
不動産価格が下落した場合、売却時に投資元本を回収できない可能性があります。
ケネディクスの資料によれば、売却時に鑑定評価額どおりの価格で売れる保証はなく、売却損が生じるリスクが明示されています。
流動性リスク
第二に、流動性リスクです。
現状、不動産STOの流通市場は発展途上であり、上場REITのようにいつでも希望価格で売買できるわけではありません。
換金したいときにすぐに買い手が見つからなかったり、不利な価格でしか売却できなかったりする可能性があります。
この譲渡制限のリスクは、投資期間中に資金が必要になった場合に大きな影響を及ぼす可能性があります。
収益変動リスク
第三に、収益変動リスクも考慮すべきです。
賃料収入や運営コストは、空室率の変動、賃料相場の変動、予期せぬ修繕費の発生などにより影響を受け、結果として分配金が減少する可能性があります。
第四に、プラットフォームリスクやシステムリスクです。
ブロックチェーン技術やスマートコントラクトにバグがあった場合、あるいは取引プラットフォームにシステム障害やサイバー攻撃が発生した場合、資産の保全や取引の安全性に影響が出る可能性があります。
信頼性の高いプラットフォームを選定し、セキュリティ対策が十分であることを確認する必要があります。
これらのリスクを軽減するためには、発行体の信頼性、対象不動産の詳細な情報、リスク開示資料を十分に確認し、分散投資を心がけるなどの対策が求められます。
リスクを理解した上で、現在の不動産STO市場がどのように動いているのか、その規模と最新のトレンドを見ていきましょう。
不動産STO市場規模と最新動向(国内発行総額・案件数)
日本の不動産STO市場は、2021年8月の国内初案件以降、着実に成長を続けています。
三井住友ファイナンス&リース(SMFL)の調査によると、2021年8月から2023年8月末までの2年間で、不動産セキュリティ・トークンの累計発行額は約578億円に達し、対象不動産の評価額ベースでは約1,331億円規模となっています(参照:資産運用立国を掲げる日本の切り札へ。不動産投資の民主化を加速するSTO、SMFLグループの先端テクノロジー)
この期間、ケネディクスが市場シェアの約7割を占め、市場拡大を牽引しています。
しかし、BOOSTRY(野村ホールディングスと野村総合研究所の合弁会社)のレポートによれば、2024年度(FY2024)の新規公募STO発行額は前年度比で約47%にとどまったとされています(参照:BOOSTRY 市場総括レポート)。
これは、信託受益権を用いた不動産STOの税制に関する議論が影響し、一時的に発行が手控えられたためと分析されています。
2024年末に税制方針が示されたことで不透明感が解消され、2025年度は不動産STOの発行が再加速すると見込まれています。
案件数も増加傾向にあり、SBI証券は2025年2月時点で主幹事を務めた不動産STOの実績が10件に上ると公表しています。
野村證券も2024年時点で累計12件の不動産STOを取り扱い、関与案件の累計発行額は数百億円規模に達しているとしています(参照:取扱実績|野村不動産)。
海外では、米国、欧州、アジア(特に香港やシンガポール)でも不動産STOの事例が増えつつあります。
Deloitteは、2035年までに商業用不動産のトークン化市場が劇的に拡大すると予測しており、グロールな成長ポテンシャルも高いと評価されています(参照:Digital dividends: How tokenized real estate could revolutionize asset management)。
市場が拡大する中で、具体的な成功事例は、不動産STOの可能性をより深く理解する上で貴重な参考となります。
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下記の記事では、支援内容の詳細をCASIOのプロジェクトメンバーへのインタビューと共にご紹介しているのでぜひ、こちらもご覧ください。
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代表的な不動産STO事例
日本国内では、特に大手不動産アセットマネジメント会社や証券会社が主導する形で、注目すべき不動産STO事例が次々と登場しています。
ケネディクス株式会社の取り組み
- 国内初の公募型不動産STO(2021年8月):東京都渋谷区神南の賃貸レジデンスを対象とし、三菱UFJ信託銀行が受託。発行額は数億円規模。
- 「雪の花」温泉旅館ファンド(2022年3月):群馬県草津温泉の旅館「湯けむりの宿 雪の花」を裏付け資産とし、観光施設STOの先駆けとなりました。
- ロンコ・プロフィットマート厚木物流施設(2022年8月):資産規模146億円の物流施設を対象に、発行総額約69億円を調達。国内最大級の不動産STO案件です。
ケネディクスは、不動産STOをREIT、私募ファンドに次ぐ第3の柱と位置づけています。
SBI証券
SBI証券は、2021年から不動産STO商品の販売に注力し、複数の案件で主幹事を務めています。
投資家がアクセスしやすいプラットフォームを提供し、市場の裾野拡大に貢献しています。
3. 三井物産デジタル・アセットマネジメント
総合商社である三井物産グループもSTO事業に参入。
2022年2月には神戸市の物流施設を対象に7億6600万円を調達するSTOを公募で実施しました。
異業種連携によるファンド組成が特徴です。
4. 野村證券の「ibet」プラットフォーム
野村證券は、自社開発のセキュリティ・トークン・プラットフォーム「ibet(アイベット)」を活用し、個人投資家向けの不動産STO商品を継続的に提供しています。
2024年7月には、ケネディクスが運用する戸建賃貸住宅ポートフォリオ「Koletシリーズ」を対象としたSTOの公募を実施しました。
これらの事例は、不動産STOが多様なアセットタイプや資金調達ニーズに対応可能であることを示しています。
これらの成功事例の背景には、周到な準備と実行プロセスがあります。
次に、不動産STO発行の具体的なステップを見ていきましょう。
不動産STO発行ステップは?
不動産STOの仕組みを理解し、実際に発行に至るまでには、いくつかの主要なステップがあります。
以下に一般的な発行プロセスを6段階で示します。
- 企画・準備段階:
- 対象不動産の選定と評価、デューデリジェンスの実施。
- 資金調達目標額、トークンの発行条件(予定利回り、償還期間など)の検討。
- 発行スキーム(信託活用、SPC設立など)の設計、法務・税務面の確認。
- 関係者の選定と契約:
- アセットマネージャー、プロパティマネージャー、信託銀行、カストディアンの選定。
- 主幹事証券会社(第一種金融商品取引業者)との契約締結。
- ブロックチェーンプラットフォーム提供事業者との連携。
- 許認可取得と届出:
- 必要に応じて不動産特定共同事業の許可取得。
- 金融商品取引法に基づく有価証券届出書または特定投資家向け開示書類の作成・提出。
- 日本STO協会への情報提供など、自主規制規則への対応。
- トークン設計とシステム開発:
- セキュリティ・トークンの仕様設計(権利内容、移転制限など)。
- スマートコントラクトの開発・監査(必要な場合)。
- 投資家向けウォレットや取引システムの準備。
- 募集・販売活動:
- 目論見書や販売用資料の作成と配布。
- 投資家への勧誘、購入申込の受付。
- KYC(本人確認)/AML(マネーロンダリング対策)の実施。
- トークン発行と運用開始:
- 投資家からの資金の払込み。
- セキュリティ・トークンの発行と投資家への交付。
- 対象不動産の取得と運用管理の開始、定期的な情報開示。
これらのステップは、案件の規模や複雑さによって期間や詳細が異なりますが、関係各所との緊密な連携が成功の鍵となります。
発行プロセスの背景には、不動産STOを支えるブロックチェーン技術の存在が不可欠です。
不動産STOにおけるブロックチェーン技術と主要プラットフォームは?
不動産STOの根幹をなすのは、ブロックチェーン技術です。
この技術により、不動産の権利がデジタル化され、セキュリティ・トークンとして発行・管理されます。
利用されるブロックチェーンには、いくつかの種類があります。
パブリックブロックチェーンであるEthereum(イーサリアム)やそのスケーリングソリューションであるPolygon(ポリゴン)なども理論的には利用可能ですが、日本の金融規制や実務運用を考慮すると、現状では主にコンソーシアム型またはプライベート型のブロックチェーンプラットフォームが採用されています。
これらは、許可された参加者のみがネットワークを構成・利用するため、セキュリティ管理や取引処理速度の面で企業ユースに適していると判断されています。
国内で代表的なプラットフォームとしては、以下のようなものがあります。
- Progmat(プログマ):三菱UFJ信託銀行が開発・提供するプラットフォーム。多くの金融機関が参加するコンソーシアム型で、不動産STOを含む多様なセキュリティ・トークンに対応しています。
- ibet(アイベット):野村證券と野村総合研究所が中心となって開発したプラットフォーム。主に野村證券が関与する案件で利用されています。
- Securitize(セキュリタイズ):米国発のプラットフォームで、SBIグループなどが国内展開を支援。グローバルな実績があります。
これらのプラットフォームは、トークンの発行・ライフサイクル管理、投資家情報の管理、権利移転の記録などの機能を提供します。
選定にあたっては、セキュリティの堅牢性、システムの安定性、スケーラビリティ、運用コスト、既存システムとの連携のしやすさなどが比較検討のポイントとなります。
また、各プラットフォームが準拠する法規制や業界標準も重要な要素です。
技術基盤が進化する中で、不動産STOは今後どのような未来を迎えるのでしょうか。
不動産STOの将来展望は?
不動産STOの将来は、大きな成長ポテンシャルを秘めていると多くの専門家が指摘しています。
ケネディクスは、日本の不動産トークン化市場が2030年までに2.5兆円規模に達すると予測しており、これは現在の市場規模から飛躍的な拡大を意味します。
この成長を後押しする要因として、まず規制環境の整備が挙げられます。
2024年内に施行予定の改正金商法により不特法STが明確に規制対象となるなど、投資家保護と市場の健全な発展を両立させる枠組みが整いつつあります。
今後、さらなる規制緩和や税制優遇措置などが講じられれば、市場参加者は一層拡大するでしょう。
次に、技術の進化とプラットフォームの成熟も重要です。
ブロックチェーン技術の進歩や、Progmat、ibetのようなプラットフォーム間の連携(インターオペラビリティ)が向上すれば、より効率的で利便性の高いSTO発行・流通が可能になります。
グローバル展開も期待される分野です。
現状、国内市場が中心ですが、将来的には海外投資家が日本の不動産STOに投資したり、逆に日本の投資家が海外の不動産STOにアクセスしたりするクロスボーダー取引の活発化が予想されます。
そのためには、各国規制当局間の連携や国際的な基準の策定が課題となります。
また、不動産だけでなく、インフラ、美術品、知的財産権など、多様なアセットのトークン化が進むことで、STO市場全体が拡大していくと考えられます。
将来への期待が高まる不動産STOですが、まだ新しい分野だけに、多くの疑問点もあることでしょう。
次に、よくある質問とその回答をまとめました。
不動産STOに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 不動産STOは元本保証されていますか?元本割れのリスクはありますか?
A. いいえ、不動産STOに元本保証はなく、元本割れのリスクがあります。
不動産価格の変動や賃料収入の減少などにより、投資元本を回収できない可能性があります。
多くの発行体の開示資料でもこのリスクは明記されています。
Q2. 不動産STOの利益(配当金や売却益)にはどのように課税されますか?
A. 個人の場合、不動産STOから得られる分配金や譲渡益は、原則として申告分離課税の対象となり、税率は20.315%(所得税+住民税+復興特別所得税)です。
これは上場株式等の配当金や譲渡益と同様の扱いです。
詳細は税理士や税務署にご確認ください。
Q3. 不動産STOのデメリットには何がありますか?
A. 主なデメリットは、流動性の低さ(いつでも希望価格で売買できるわけではない)、元本割れリスク、収益変動リスク、そして新しい市場であることによる制度変更リスクやシステムリスクなどが挙げられます。
Q4. 不動産STOとREITはどちらが有利ですか?どう違いますか?
A. 一概にどちらが有利とは言えません。
不動産STOは特定の物件に少額から直接投資できる点が特徴で、価格変動は比較的緩やかですが流動性は低めです。
REITは多数の物件に分散投資し流動性が高いですが、市場価格の変動は大きくなることがあります。
投資目的やリスク許容度に応じて選択することが重要です。
Q5. 不動産STOへの投資はどのように行いますか?どこで買えますか?
A. 不動産STOは、SBI証券や野村證券など、STOの取扱ライセンスを持つ証券会社を通じて購入できます。
各証券会社が募集する案件に対して、証券口座(場合によってはST専用口座)を開設し、申込み手続きを行います。
Q6. 不動産STOは安全な投資と言えますか?
A. 不動産STOは金融商品取引法の下で規制されており、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)のような無規制の資金調達とは異なり、一定の投資家保護の枠組みがあります。
しかし、投資である以上、価格変動リスクや流動性リスクは存在するため、「完全に安全」とは言えません。
リスクを理解した上で慎重な判断が必要です。
不動産STOについてまとめ
今回、Pacific Meta Magazineでは、不動産STOについて以下の内容を紹介してきました。
- 不動産STOは、ブロックチェーン技術を活用し不動産への小口投資を可能にする仕組みで、REITとは投資対象の特定性や流動性で異なります。
- 金融商品取引法の下で規制され、投資家保護が図られており、2024年内施行の改正法で不特法STも対象となります。
- 発行体には資金調達の多様化、投資家には少額投資機会の提供というメリットがある一方、元本割れや流動性リスクも存在します。
- 国内市場は成長期にあり、ケネディクスやSBI証券などが市場を牽引。将来的には数兆円規模への拡大も期待されています。
- 発行には複数ステップがあり、Progmatやibetなどの専用プラットフォームが活用されています。
不動産STOは、伝統的な不動産投資と最先端のデジタル技術が融合した、まさに新時代の投資・資金調達手法です。
その可能性は広大ですが、同時に法規制やリスク管理、技術への理解が不可欠となります。
本記事が、貴社における不動産STOの導入検討や理解促進の一助となれば幸いです。
より詳細な情報や具体的な導入相談については、専門家へのコンタクトをおすすめします。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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