2025年9月、CoinbaseとCloudflareは「x402 Foundation(x402財団)」を立ち上げました。この取り組みは、x402を「AI主導の決済」における共通かつユニバーサルな標準として確立することを目的としたものです。
x402 Foundationは、特定の企業や組織に依存せず、誰でも利用・参加できる仕様を整備することで、AIエージェント・企業・ユーザー間の価値交換をシームレスに実現します。これにより、エージェント型コマース(agentic commerce)の可能性を最大限に引き出していきます。
本記事では、業界でも大きな注目を集めたこの取り組みについて、詳しくご紹介していきます。
x402とは何か?—「402 Payment Required」を活用した新しい決済プロトコル

x402プロトコルは、インターネット上での決済のあり方を根本から変えることを目指す取り組みです。HTTPステータスコード「402 Payment Required」を活用することで、Web上のやり取りに決済を直接埋め込み、AIエージェントやAPI、アプリケーションがデータ交換と同じレベルで価値を送金できる状態を実現しようとしています。
これにより、従来のように
- 専用の決済ページへ遷移する
- カード情報や口座情報を毎回入力する
- サブスクリプション契約を前提とする
といった、人の手による煩雑なプロセスを経なくても、機械同士が自律的に決済できる世界観が描かれています。
なぜx402 Foundationが重要なのか?
x402プロトコルは、インターネット上での決済のあり方を根本から変革しつつあります。
HTTPステータスコード“402 Payment Required” を活用することで、x402はウェブ上のやり取りに決済機能を直接埋め込み、AIエージェントやAPI、アプリがデータ交換と同じレベルで価値を送金できる世界を実現するのです。これにより従来型の煩雑な決済プロセスは簡略化され、商取引の自動化が飛躍的に進めやすくなります。
すでに見え始めているユースケース
x402はまだ初期段階にあるものの、すでに以下のような領域でユースケースが立ち上がりつつあります。

- AI/リサーチの従量課金
- サブスクリプション契約を前提とせず、モデルやプレミアムコンテンツに対して「リクエストごと」に課金する形でアクセスを提供
- オンデマンドのデータ/シグナル取得
- スクレイピング、ニュースフィード、リアルタイム分析などに対して、必要な分だけ都度支払うオンデマンド課金
- クリエイター向けマイクロペイメント
- 投げ銭、記事・投稿単位でのコンテンツ課金、任意のID証明を組み合わせた新しい収益化体験
- ストレージ/メディア
- ストレージやコンピューティング、CDN利用に対して従量課金するモデルのパイロットが進行中 (CDN:ユーザーの近くにあるサーバーからコンテンツを配信することで、Webサイトの表示速度を向上させ、アクセス集中時のサーバー負荷を軽減するサービス)
- エージェント同士の自律決済
- x402を通じてエージェント同士が価値をやりとりすることで、MCP※(Model Context Protocol)系のワークフローとも互換性を持った自律的なエージェント経済の構築を志向
これらのユースケースを背景に、x402はAIエージェント経済の中核的インフラとしての地位を徐々に固めつつあります。
※MCP(Model Context Protocol):AIエージェントが外部サービスや他のエージェントと、標準化された方式で情報交換を行うための通信プロトコル
なぜ「財団」が必要なのか?—オープンなガバナンスの重要性
x402が本来のポテンシャルを発揮するためには、中立でオープンな標準としての透明なガバナンスが不可欠です。特定企業の閉じた仕様としてではなく、開発者、企業、AIプラットフォームなどといった幅広いステークホルダーが安心して採用・拡張できるような枠組みが求められています。
こうした課題意識のもとでこのたび設立されたのが「x402 Foundation」です。本財団は、x402の標準仕様を維持・発展させるだけでなく、エコシステム全体の協力と貢献を促すハブ的な役割を担います。
決済の新しい時代へ
ここからは、x402 Foundationの今後の取り組みについて掘り下げていきます。
まず、既存の決済システムは、人間が操作する前提で作られてきました。そのため中間業者への依存やサブスクリプション中心のモデル、手動処理など、AIや自律エージェントが大規模に活用される時代には適していません。そこで、x402はこれを根本的に変え、安定したステーブルコインを用いたリアルタイム・安全・円滑な決済を実現することを目指しています。
そのうえでx402 Foundationは、主に次の3つの領域にフォーカスします。

1. ガバナンス
x402を中立的・オープンな標準として確立し、開発者・企業・AIプラットフォームによる採用を促進する。
2. エコシステム拡大
開発者への助成金、ツール、リソースを提供し、x402を活用したプロダクト開発を支援する。
3. 相互運用性
あらゆるプラットフォーム、産業、国・地域を跨いでスムーズに機能するプロトコルを実現する。
新たな可能性の解放
こうしたビジョンのもとx402 Foundationが設立されたことによって、AIエージェントが自律的に価値をやりとりする未来が現実味を帯びてきます。たとえば、次のようなことも可能になるかもしれません。
- ダイナミックAIエージェント:必要なデータ、サービス、計算資源をリアルタイムで購入し、タスクを自動的に完遂するエージェント
- スケールするマイクロペイメント:サブスク不要で、API・コンテンツ・サービスを従量課金化
- 自律型システム:自ら経済活動を行うAIの実現(例:自動運転タクシー、サプライチェーン管理など)
従来の決済では不可能だったこのようなビジネスモデルが、x402を基盤に次々と生まれていく可能性があります。
設立体制:Coinbase × Cloudflareが描く「エージェント型コマース」の未来
x402 Foundationは、CoinbaseとCloudflareが共同で設立します。今後、参画メンバーは順次追加されていく予定です。
今回CoinbaseのパートナーとなったCloudflareは、インターネットインフラとグローバルスケールの構築に強みを持つ企業であり、すでに同社の「pay per crawl」ベータ版において、x402を使った「後払いスキーム(deferred payments)」の導入を開始しています。これにより、Webベースのデータアクセスや各種オンラインサービスに対して、ネイティブな決済統合を行う試みが進んでいます。
Cloudflareが掲げる「オープンでアクセスしやすいインターネット」という理念は、x402 Foundationが目指すビジョンと重なっており、両社の協業によってx402を真に普遍的な標準へと押し上げていく構図が見えてきます。
また今後は、以下のような幅広い領域からメンバーを迎える予定です。
- 本番環境でx402を利用する企業
- コンシューマー・エンタープライズ・デベロッパー企業
- AIモデル開発企業
- ECプラットフォーム
x402 Foundationの詳細や参加方法については、こちらをご覧ください。
まとめ:AIエージェント時代の「決済OS」としてのx402
最後までお読みいただきありがとうございました。 x402 Foundationの立ち上げは、AIエージェントが自律的に価値をやりとりする未来像を、より現実的なものにする一歩と言えます。
- HTTP402コードを活用し、「Webそのもの」に決済機能を埋め込むx402プロトコル
- AIエージェントやAPIが、データ通信と同じ粒度で価値を交換できる世界観
- CoinbaseとCloudflareという、インフラと決済の両面に強みを持つ企業による共同推進体制
これらが組み合わさることで、従来の決済前提では実現しづらかったビジネスモデルやサービス体験が、次々と生まれていく可能性があります。企業・開発者・AIプロダクト事業者にとっては、「エージェント型コマース」をどのように自社サービスに取り込むかという観点で、今後の動向をウォッチしていく価値が高いテーマといえるでしょう。
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