Coinbaseが支援するEthereum(イーサリアム)のレイヤー2(メインチェーンの処理能力向上や手数料削減を目的としたネットワーク)であるBaseにおいて、実際の株式と1対1で裏付けられたトークン化株式(現実世界の株式をブロックチェーン上で表現したデジタル資産)のローンチが間近に迫っていることが明らかになりました。Baseのリード開発者であるJesse Pollak氏が、自身のSNSアカウントでの投稿を通じて言及したとされています。これは、Baseが従来のソーシャル優先の戦略から、金融分野のサービス拡大へと舵を切るピボット(方向転換)を象徴する動きとして注目されています。
Robinhood Chainへの対抗と1対1裏付けモデルの特徴
Baseのリード開発者であるJesse Pollak氏は、新しくローンチされたRobinhood ChainがEVM(イーサリアム仮想マシン。イーサリアムのスマートコントラクトを実行するためのプログラム環境)においてトークン化株式をいち早く展開したことを正しいアプローチであると評価しました。その上で、Baseがこの分野で遅れをとっていたことに不満を抱きつつも、親会社であるCoinbaseと協力してこの状況をまもなく解決すると述べたとされています。
Baseが計画しているトークン化株式は、Robinhoodの提供するデリバティブ(金融派生商品)型の株式連動トークンとは異なり、実際の株式と1対1で裏付けられる点が特徴とされています。Pollak氏によると、この1対1裏付けモデルは、信頼性、資本効率、機関投資家への受容性の観点から、より優れたスケールが可能であるとのことです。
なお、Coinbaseは2026年6月に、米国外の顧客を対象とした1対1裏付けのトークン化株式(配当支払いや株主権利を含む)の提供計画を発表していましたが、具体的な発行や保管、Base上での表現方法などの詳細は現時点では公表されていないと報じられています。
ソーシャル優先からグローバル金融インフラへの戦略的シフト
このトークン化株式の導入は、Baseがこれまでのソーシャルメディアやクリエイター重視の戦略から、本格的なグローバル金融インフラへと焦点を移行する大きなピボットの一環とされています。
Pollak氏は、以前にクリエイターコインやソーシャル製品などのソーシャル優先戦略に注力したことが、パーペチュアル(無期限契約)取引や予測市場、トークン化、決済といった主要な金融分野での進捗を遅らせる要因になったと認めています。この反省から、Baseは2026年に向けて以下の3つの優先目標を掲げ、開発のリソースを再配分しているとされています。
1. 多様な資産の取引拡大:トークン化株式やアプリコインなどの取引環境の整備
2. ステーブルコイン決済の改善:グローバルな決済インフラの強化
3. AIエージェントのサポート:暗号資産ネイティブな決済を通じた自律型AIエージェントの支援
この戦略シフトに伴い、Base Appの開発はCoinbase側に移管され、Pollak氏自身はBaseをグローバルな金融インフラとして構築するプロジェクトに専念しているとのことです。
今後のスケジュールと展望
現時点で、Base上でのトークン化株式の具体的なローンチ日や、対象となる株式の銘柄リスト、法的枠組みの詳細は明らかにされていません。しかし、Pollak氏は進捗に関する質問に対し、細部を詰めている段階だが非常に近いうちにローンチが行われるはずだと回答しており、実質的なサービス開始が迫っていると見られています。
ポイント
- 1対1裏付けのトークン化株式を間近に控える:Baseは原資産となる株式と1対1で裏付けられたトークン化株式のローンチ準備を進めており、信頼性と資本効率の向上を狙う点で注目されます。
- EVM環境での競争激化:先行するRobinhood Chainの取り組みに対抗し、EVM環境におけるトークン化資産のシェア獲得を目指す動きとして注目されます。
- 金融インフラへの明確なピボット:これまでのソーシャル重視の戦略から、取引や決済、AIエージェント支援を軸としたグローバル金融インフラとしての進化へ舵を切った点が重要視されます。
- 具体的な詳細発表が待たれる状況:ローンチの時期や具体的な対応銘柄、法的および技術的な運用スキームについては今後の公式発表が注目されます。