暗号資産取引所Binanceの共同創業者であるCZ(チャンポン・ジャオ)氏が、東南アジア諸国連合(ASEAN)における暗号資産ライセンスの互換(パスポート)制度の導入を支持しました。現行の国ごとに異なる規制手続きを簡素化・共通化することで、事業者のコンプライアンスコスト軽減と地域全体の市場競争の促進を図る考えです。東南アジア全体で統一された規制アプローチが整備されれば、事業者の広域展開やデジタル経済の拡大に寄与すると見られています。
共通ライセンス構想の背景とメリット
東南アジア地域では、暗号資産に対する規制枠組みが国ごとに分断されており、事業者が複数の加盟国へ事業を展開する際には、各国の規制当局に対して個別にライセンス申請を行う必要があります。こうした現状に対し、フィリピンのFinTech Alliance PHなどの業界関係者から、地域内でのライセンス相互承認制度(パスポート制度)が提案されました。
この制度は、いずれかの加盟国で正規にライセンスを取得した事業者に対し、別の加盟国へ進出する際に一から全申請をやり直すのではなく、簡素化された承認プロセスを適用する仕組みです。規制審査の重複を減らすことで、事業者のコンプライアンスコストが大幅に削減されるほか、適正な事業者の参入が促されることで市場の競争が活発化し、結果として利用者へのサービス向上やコスト低下につながるとされています。
東南アジア市場への影響と今後の課題
欧州連合(EU)の暗号資産市場規制(MiCA)のように、一国での認可をベースに域内全体へサービスを提供できる「パスポートライト」制度は、事業者の国際的な事業拡大を後押しする重要な仕組みとして知られています。ASEANにおいても同様の枠組みが実現すれば、暗号資産取引所やステーブルコイン決済事業者などの地域展開が容易になり、Web3関連ビジネスの成長が加速する可能性があります。
一方で、技術的な準備は整っているものの、各国の金融規制当局による監督方針の違いや政治的な調整が主な課題になるとされています。現時点では公式な枠組みの決定や具体的な導入スケジュールが発表されたわけではなく、今後の各国の政策的合意形成の行方が注目されます。
ポイント
- Binance共同創業者のCZ氏が、ASEAN域内における暗号資産ライセンスの互換(パスポート)制度を支持しました。
- 一国で取得したライセンスを基に審査を簡素化することで、事業者のコンプライアンスコストの削減が期待されます。
- 事業者の域内展開が円滑になることで市場競争が促進され、ユーザーへのサービス改善や費用軽減につながるとされています。
- 各国で異なる規制基準の統合や政治的な合意形成が、実現に向けた課題として挙げられています。