日本円ステーブルコイン「JPYC」を手がけるJPYC株式会社の岡部典孝代表取締役は、2026年7月28日に発生した熊本地震の被災地支援に向け、ステーブルコインを活用した寄付の仕組みを金融庁のFintechサポートデスクへ照会していることを明らかにしました。この取り組みは、新たなシステム改修を行うことなく、最も速やかに寄付の受け入れを開始できる手法として検討されています。JPYCや米ドル連動型ステーブルコイン「USDC」で収集した寄付金を日本円へ換金し、自治体等へ届けるという具体的なスキームが提示されています。災害支援におけるステーブルコインの活用実績と、法的な位置付けを明確化する取り組みとしてWeb3業界で注目されています。
ステーブルコインを活用した被災地支援スキームの仕組み
今回金融庁へ照会された具体例では、事業者や団体が日本円ステーブルコインであるJPYCや、米ドル連動型ステーブルコインであるUSDCを使って寄付を受け付けます。USDCで集まった寄付についてはDeFi(分散型金融)を利用してJPYCへ交換した上で、JPYC社が日本円へ償還する手続きを行います。最終的に、寄付を募った事業者や団体が自治体や日本赤十字社へ現金として寄付を届ける運用が想定されています。また、寄付を行った後に償還を希望する寄付者への対応についても、最大限サポートできるよう金融庁との間で調整が進められています。システム改修を伴わないため、災害発生直後における迅速な資金集めと支援実行が可能になると見られます。
電子決済手段等取引業(電取業)との法的関係と今後の展望
今回の協議において焦点となっているのは、寄付の募集からDeFiでの換金、日本円への償還、最終的な現金寄付に至る一連のプロセス全体が、資金決済法における「電子決済手段等取引業(電取業)」に該当するかどうかという点です。電子決済手段等取引業はステーブルコインの売買や仲介を行う事業者に求められる規制枠組みです。岡部氏は金融庁からの正式な回答が得られ次第、その内容を公開する意向を示しています。金融庁の判断次第では、今後の災害時におけるステーブルコインを活用した寄付活動や民間団体の支援スキームにおいて、規制に準拠した標準的な運用モデルが示される可能性があります。
ポイント
- JPYC社の岡部典孝社長が、熊本地震支援に向けたステーブルコイン寄付の仕組みを金融庁のFintechサポートデスクへ照会しました。
- システム改修が不要なスキームのため、被災地に対して最も速やかに寄付支援を開始できる利点があります。
- JPYCやUSDCで寄付を募り、DeFi経由での交換や日本円への償還を経て、自治体や日本赤十字社へ現金で届ける構成となっています。
- 一連の寄付プロセスが電子決済手段等取引業に該当するかについての金融庁の回答と、その後の公表内容が注目されます。