オンチェーン調査者のZachXBT氏は、偽のサポート電話を通じて少なくとも500万ドル相当の暗号資産窃盗に関与したとされる、米国拠点のティファニー・ミラノビッチ(Tiffany Milanovich)氏を特定しました。同氏はカスタマーサポートになりすまして被害者に電話をかけ、資金へのアクセス権を渡すよう誘導する役割を担っていたとされています。本件は、Web3業界におけるソーシャルエンジニアリング攻撃の脅威と、ユーザーセキュリティの重要性をあらためて示す事例として注目されています。
偽カスタマーサポートになりすます詐欺の手口
ZachXBT氏の調査結果によると、ミラノビッチ氏は暗号資産の窃盗を行っていたグループの中で「コーラー(電話担当)」として活動していました。同氏は取引所やウォレットサービスのサポートスタッフを装って被害者に直接電話をかけ、言葉巧みに誘導して資金へのアクセス権を譲渡させていたとされています。
また、同氏が詐欺の電話を行っている最中に自らを録音していたことも報告されています。このようなカスタマーサポートになりすます手法は、システムの技術的な脆弱性を突くのではなく、人間の心理的な隙を狙うソーシャルエンジニアリング攻撃の一種とされています。
Web3業界におけるセキュリティ上の意義と影響
今回の事件は、暗号資産サービスやWeb3関連事業において、ブロックチェーン自体の安全性やスマートコントラクトのセキュリティだけでなく、ユーザーとのコミュニケーションチャネルにおける安全対策が極めて重要であることを物語っています。
事業者側には、公式サポートが電話などを通じて直接アクセス権や個人情報を要求することはない旨を明確に周知することが求められます。また、ユーザー側においても、サポートを騙る不審な連絡に応じないためのセキュリティリテラシーの向上が不可欠とされています。
ポイント
・オンチェーン調査者のZachXBT氏が、偽サポート電話により少なくとも500万ドル相当の暗号資産窃盗に関与したティファニー・ミラノビッチ氏を特定しました。
・同氏はサポートスタッフになりすまして被害者に電話をかけ、資金のアクセス権を放棄させる「コーラー」として機能していたとされています。
・同氏が偽電話の際、自らのやり取りを録音していたことも明らかにされています。
・技術的対策に加え、ユーザー心理を突く詐欺手法への警戒感と対策の重要性を提示している点で注目されます。