米通貨監督庁が暗号資産企業の銀行参入を後押し。国法銀行開設の道を用意する方針

米通貨監督庁(OCC)は、暗号資産(仮想通貨)企業の銀行参入を後押しする方針を発表しました。これは新規銀行の設立を促し、米国銀行業界への新規参入を活性化させる取り組みの一環です。過去10年以上にわたり参入に消極的だった規制当局の姿勢を転換し、法律で認められた事業を行うデジタル資産企業に対しても国法銀行設立の道を開くものとして、Web3業界における金融インフラの発展に向け重要視されています。

規制当局による従来姿勢の転換と新規設立の背景

米通貨監督庁(OCC:米国で国法免許を受けて営業する銀行などを監督する財務省の内部機関)のジョナサン・V・グールド通貨監督官は、過去10年以上にわたり、規制当局が連邦銀行免許や連邦預金保険を求める事業者に対し、事実上「申請する必要はない」というシグナルを送ってきたと指摘しました。そのうえで、デジタル資産や新しい技術を含め、法律で認められた事業を行う企業には国法銀行になるための道が用意されるべきだと説明し、従来の姿勢を転換する考えを示しました。

背景には、米国において新規銀行の設立が長期にわたり低迷してきた状況があります。OCCによると、新規銀行の免許申請は過去15年間で大きく減少し、2011年から2014年には年平均4件未満にとどまり、申請が1件もなかった年も存在したとされています。一方で、直近18カ月では国法信託銀行を含む新規申請を40件受け付けており、新規参入の動きは再び活発化しています。

暗号資産業界における銀行免許取得の動向

暗号資産業界では、すでに連邦銀行免許を取得する具体的な動きが進んでいます。OCCは2025年12月、Ripple National Trust Bank(リップル・ナショナル・トラスト・バンク)とFirst National Digital Currency Bank(ファースト・ナショナル・デジタル・カレンシー・バンク)の新設を条件付きで承認しました。

あわせて、BitGo(ビットゴー)、Fidelity Digital Assets(フィデリティ・デジタル・アセッツ)、Paxos(パクソス)の国法信託銀行への転換についても条件付きで承認したと発表しています。暗号資産企業が連邦の規制枠組みのもとで銀行事業を展開できる環境が整いつつあります。

ポイント

  • 米通貨監督庁(OCC)が暗号資産企業の銀行参入を後押しし、従来制限的だった規制姿勢を転換する方針を示した点
  • 過去15年間低迷していた新規銀行の設立申請が、直近18カ月で40件の申請を受けるなど活発化している点
  • リップルなどの新設銀行や、ビットゴー、フィデリティ、パクソスなどの国法信託銀行転換が条件付きで承認されている点
  • 法的に認められたデジタル資産事業者に連邦銀行免許への道が開かれることで、暗号資産事業の健全な拡大につながる点
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監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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