米決済大手Stripeが、AIモデルへのルーティングを担うOpenRouterを70億ドルで買収したと報じられました。OpenRouterは入力されたプロンプトに対してどのAIモデルが応答するかを決定するレイヤーを提供しており、Stripeはすでに同プラットフォームの決済処理を手掛けていました。ブロックチェーンを介さないプリペイド型の少額決済(マイクロペイメント)の仕組みを自社エコシステムに取り込む動きとして注目されています。
ブロックチェーンを介さないプリペイド型少額決済の仕組み
OpenRouterは、ユーザーが事前に入金したデポジット(前払い残高)に対してAIの利用量を計測し、課金するシステムを採用しています。残高チャージ時の手数料は、Stripeを経由したクレジットカード決済の5.5パーセントに対し、暗号資産(仮想通貨)によるチャージは5パーセントに設定されています。
この設計により、APIの呼び出しごとに個別にオンチェーン決済を実行することなく、オフチェーンでの超少額決済を実現しています。
StripeのAI決済戦略とブロックチェーン「Tempo」の現状
Stripeはこれまで、マシン同士の支払いをオンチェーンで決済することを目的としたブロックチェーン「Tempo」を共同で育成してきました。しかし、Tempoの処理能力は現状で約1TPS(1秒あたりのトランザクション数)にとどまっています。
StripeはすでにOpenRouterの代金回収を担っていましたが、AIモデルの振り分けを決定するインフラ層そのものを傘下に収めた形となります。ブロックチェーンによるマシン決済の開発を進める一方で、実専ブラウザやAPI利用でスケールしているオフチェーンの少額決済基盤を確保したと見られます。
ポイント
- StripeがAIモデルのルーティングを担うOpenRouterを70億ドル規模で買収したと報じられた点
- OpenRouterは事前入金デポジット方式により、ブロックチェーンを介さずにAI利用ごとの少額課金を実現している点
- チャージ手数料において、Stripeのカード決済が5.5パーセントであるのに対し、暗号資産チャージが5パーセントと低く設定されている点
- Stripeが支援するマシン決済向けブロックチェーンTempoが約1TPSにとどまるなか、実用的なAI決済レイヤーを統合した点で注目されます