韓国放送通信審議委員会(KCSC)は、予測市場プラットフォームであるポリマーケット(Polymarket)が韓国国内で違法な賭博環境を提供していると認定し、接続遮断を求める是正要求を議決しました。委員会は、政治や選挙など利用者が関与できない事象に基づく勝者総取り型の損益構造が射幸心を助長していると指摘しています。ポリマーケット側はスマートコントラクトに基づく非保管型の運営体制を理由に反論しましたが、技術的特性を理由とした国内法の適用回避は認められないと判断されました。Web3技術を用いたサービスであっても実質的な運営実態に基づいて規制が執行される事例として注目されます。
勝者総取り構造と運営実態を違法賭博と判断
韓国放送通信審議委員会は通信審議小委員会において、ポリマーケットのサービスが刑法上の賭博幇助や賭博場開設を目的とする情報、および国民体育振興法上の類似行為を目的とする情報に該当すると判断しました。
判断の大きな要因となったのは、政治、決済、スポーツ、選挙、天気など、利用者が結果を左右できない事象によって損益が極端に決定される勝者総取り型の構造です。委員会はこの仕組みが射幸心を助長しているとみています。
さらに、運営者自身が市場の開設や取引ルールの設定など全般を管理している点や、暗号資産(デジタル資産)の入出金・精算システムを提供して利用者資金が実質的に集められ分配される環境を作っている点も考慮されました。加えて、取引に伴う手数料を得て経済的利益を得ている実態も違法性の判断材料とされています。
非保管型技術による国内法適用の回避を否定
ポリマーケット側は、自らのプラットフォームが非保管型の個人間(P2P)取引であり、スマートコントラクトに基づいて運営されていることから、賭博の主宰者には該当しないと反論しました。また、資金を直接徴収・管理しておらず、体育振興投票券に相当する商品も発行していないため、賭博場開設の要件を満たさないと主張していました。
これに対し委員会は、韓国語サービスの提供有無や、分散型技術あるいは中央集権的な取引インターフェース(オーダーブック)といった技術的特性やサービス方式を理由に、国内法の適用を回避することはできないとの見解を示しました。国内利用者に実質的な違法賭博環境を提供している以上、利用者保護の観点から接続遮断は不可避であるとしています。
同委員会は2026年5月に審査に着手し、7月には運営者に意見陳述の機会を与えたうえで今回の議決に至りました。なお、ポリマーケットはフランス、ドイツ、イタリア、インドネシアなどの国・地域でも違法賭博サイトと位置づけられて接続制限の対象となっており、フランス当局の遮断命令に対しては事業構造の違いを強調して法的に異議を申し立てる計画であることが伝えられています。
ポイント
- 韓国放送通信審議委員会(KCSC)が、ポリマーケットのサービスを違法賭博と認定し、国内向けの接続遮断を議決しました。
- 政治や天候など結果を左右できない事象を対象とする勝者総取り構造や、市場開設・手数料徴収といった運営実態が問題視されました。
- スマートコントラクトや非保管型の個人間取引といった技術的特性を理由とした国内法の適用回避は認められないと判断された点で注目されます。
- フランスやドイツ、イタリア、インドネシアなど複数国でも同様に接続制限の対象となっており、予測市場に対する規制判断の一環として位置づけられます。