米国のスコット・ベッセント財務長官は2026年9月10日、暗号資産の規制枠組みを定めるクラリティー法案について、上院が休会から復帰次第直ちに審議を継続するよう要請しました。同法案は米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の管轄を明確にする市場構造法案であり、米国がデジタル資産市場で主導権を維持する上で重要視されています。上院では9月15日に審議入りの可否を問う手続き採決が予定されていますが、可決には60票が必要であり、予測市場における年内成立確率は16%にとどまっています。
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9月15日に控える手続き採決と審議入りのハードル

上院多数党院内総務のジョン・スーン議員は8月8日、法案を本会議で審議する動議に討論終結(クローチャー:審議を打ち切って採決に進む手続き)を申し立てましたが、上院はその後8月の休会に入っていました。休会明けとなる9月14日の翌日、9月15日にこの動議の採決が行われる予定です。
この採決は法案の審議入りを問う手続き投票であり、可決には在籍議員の5分の3にあたる60票が必要です。この数字は共和党単独の議席数では届かないため、超党派の合意が不可欠となります。採決で可決されれば本会議での審議入りが実現しますが、否決された場合は今会期中の法案成立が事実上困難になるとみられています。予測市場のポリマーケットにおいて、同法案が2026年中に成立する確率は16%にとどまっています。
米国の主導権維持と産業基盤への影響
ベッセント財務長官は、上院議員に対して交渉の場にとどまり審議入り動議に同意した上で立法プロセスを継続するよう求めています。要請に応じない場合、デジタル資産の未来において米国が主導的役割を担う意思がないという懸念を同盟国や敵対国の双方に与えかねないと警告しました。同長官は7月にも同法案の前進を上院に呼びかけていました。
議会内からも法案停滞に対する懸念が示されています。上院デジタル資産小委員会の委員長を務める共和党のシンシア・ルミス上院議員は9月7日、クラリティー法案が今国会で成立しなければ次の機会は2030年になると警告し、米国内の雇用、投資、税収が失われかねないと訴えました。同法案は2025年7月に下院を通過し、2026年5月には上院銀行委員会でも賛成15、反対9で可決されてきた経緯があり、9月15日の手続き採決が立法プロセスの大きな分岐点となっています。
ポイント
- ベッセント米財務長官が上院に対し、暗号資産の包括的な規制枠組みを定めるクラリティー法案の審議を直ちに継続するよう要請しました。
- 9月15日に予定される審議入り動議の採決には60票が必要であり、否決された場合は今会期中の成立が事実上困難になるとみられます。
- 予測市場ポリマーケットにおける同法案の2026年内成立確率は16%にとどまり、議会手続きのハードルの高さが反映されています。
- ルミス上院議員は今国会を逃すと次の機会は2030年になると指摘しており、雇用や投資の流出を防ぎ米国の主導的立場を守れるかの節目として注目されます。