米暗号資産カストディ企業のアンカレッジ・デジタルは、米ロビンフッド・マーケッツが展開するイーサリアムのレイヤー2ブロックチェーン「ロビンフッドチェーン」への対応を開始しました。ロビンフッドチェーンは株式や上場投資信託(ETF)などの現実資産(RWA)のトークン化に特化しており、今回の連携により機関投資家は同チェーン上の資産を安全に預託できるようになります。適格カストディの基盤や分散型アプリケーションへの接続環境が整備されることで、同チェーン上のプロジェクトに機関投資家が参入しやすくなると見られます。
株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。
機関投資家向けカストディとウォレットを通じたdApps接続
今回の対応により、機関投資家はロビンフッドチェーン上のトークンやトークン化RWAをアンカレッジ・デジタルに預け入れることが可能になりました。アンカレッジ・デジタルは、資産の分別管理、セキュリティ、ガバナンスの各要件に対応した適格カストディ(法的な要件を満たした資産保管サービス)を提供します。
また、ロビンフッドチェーン上で開発を行うプロジェクトに対しては、トークン発行イベント(TGE)の実施支援や、機関投資家の参加に不可欠なカストディ基盤の提供を行います。さらに、同社の顧客は機関投資家向けセルフカストディウォレット「ポルト(Porto)」を介して、同チェーン上の対応する分散型アプリケーション(dApps)への接続が可能です。ポルトは利用者が自ら秘密鍵を管理する仕組みを持ち、複数人による取引承認や署名前の取引内容確認機能を備えており、プロジェクトと機関投資家をつなぐ役割を果たします。
ロビンフッドチェーンの技術基盤と収益分配実績
ロビンフッドチェーンは、アービトラム(Arbitrum)の技術を基盤に構築されたイーサリアムのレイヤー2ネットワークです。誰でも開発や利用ができるパーミッションレス(許可不要)型を採用しており、ネットワーク手数料の支払いにはイーサリアム(ETH)が使用されます。
同チェーンは、アービトラムの技術を用いて独自チェーンを構築・運用できる「アービトラム・エクスパンション・プログラム」に参加しています。このプログラムの規定に基づき、プロトコル純収益の10パーセントをアービトラムのエコシステムに還元する構造になっています。9月9日時点のオンチェーンデータによると、7月20日から9月7日までの期間において、同チェーンの2つの収益分配コントラクトから計約16,848ETHが分配され、そのうち約10パーセントに相当する約1,685ETHがアービトラム側のコントラクトへ送金されたことが確認されています。
ポイント
- アンカレッジ・デジタルが、現実資産(RWA)のトークン化に特化したイーサリアムレイヤー2「ロビンフッドチェーン」のサポートを開始しました。
- 機関投資家は資産の分別管理要件を満たした適格カストディを利用して同チェーン上のトークン化資産を保管できるようになり、機関資本の受け入れ体制が整った点で注目されます。
- プロジェクト側はトークン発行イベント(TGE)の支援を受けられるほか、セルフカストディウォレット「ポルト」を通じて機関投資家とdAppsが接続されます。
- ロビンフッドチェーンはアービトラム技術を基盤とし、7月20日から9月7日までに分配された約16,848ETHのうち約1,685ETHがアービトラム側に還元されるなど、エコシステム間の連携実績が示されています。