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ブロックチェーン総研by Pacific Meta

米グレースケールがZcashオプションETFを米SECに申請。2週間ごとの分配金支払いを目指す方針

米暗号資産運用大手のグレースケールが、暗号資産Zcash(ZEC)に連動するオプション取引を活用した新たな上場投資信託(ETF)を米証券取引委員会(SEC)に申請しました。このファンドは現物の暗号資産を直接保有せず、オプションの売却で得られるプレミアム収入(権利料)を原資として投資家に2週間ごとに分配金を支払う設計とされています。暗号資産の高い価格変動性を活用したインカム型金融商品として注目される一方、価格急騰時の利益制限や下落時のリスクなど、投資家側の留意点も示されています。

監修:ブロックチェーン総研編集部

株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。

オプション取引を通じた隔週分配の仕組み

グレースケールが申請した「ZCSH High Income ETF」は、同社が運用する既存の現物ETF「The Zcash ETF(ティッカー:ZCSH)」のオプション取引を活用する運用方針を掲げています。プライバシー保護機能を持つ暗号資産であるZcashそのものを直接保有するのではなく、コールオプション(買う権利)とプットオプション(売る権利)を組み合わせて現物ETFの価格推移を複製します。その上で、主に満期1カ月以内の短期コールオプションを売却することでプレミアム収入を獲得し、その資金を原資として投資家に2週間ごとの分配を行う仕組みとされています。また、申請内容によると純資産の少なくとも80パーセントがZcash関連の上場投資商品のオプションに投資される予定とされています。

上値制限と元本変動のリスク

高利回りのインカム獲得を目指す一方で、投資家が負うトレードオフやリスクも挙げられています。コールオプションの売却を伴う戦略では、Zcashの価格が事前に設定された権利行使価格を大幅に上回って上昇した場合、その超過利益を享受することができません。それに対して、現物価格が下落した局面では下落損失をそのまま受ける構造となっています。さらに、申請書類では高利回りという名称が一定水準の利回りを保証するものではなく、分配金の一部が投資家自身の元本の払い戻し(元本返還)に該当する場合があることも明記されています。また、対象となるオプション市場が開設されて間もないことや、関連会社が受け取る手数料構造に伴う利益相反への配慮についても触れられています。

ポイント

  • 米グレースケールがZcash関連のオプションを活用した「ZCSH High Income ETF」の登録申請書を米SECに提出しました。
  • 現物の暗号資産を直接保有せず、オプションの売却で得られるプレミアム収入を原資として2週間ごとに分配金を支払う運用モデルが採用されています。
  • 短期のコールオプションを売却する戦略の特性上、暗号資産の急騰による利益が限定される一方、下落リスクはそのまま負うという構造的な制約が存在する点で注目されます。
  • 高利回りをうたうものの利回り保証はなく、状況によっては元本の払い戻しが含まれる可能性があるなど、分配型暗号資産金融商品のリスクとリターンのバランスを評価する上で重要な事例と見られます。

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