NFTを始める前に当たって気になるのは、権利関係です。
著作権や権利書などNFTも関係してくるのか分からないので、NFTの利用を諦めているという方もいるかもしれません。
そこで今回Pacific MetaマガジンではNFTの権利問題について以下の内容でご紹介していきます。
- NFTの基礎
- 知っておくべきNFTの権利
- 権利関係のトラブル事例
- NFTの著作権に関する問題
- 著作権のない人が出品する偽物NFTの見分け方
- NFTマーケットプレイスにおける権利問題
そのほかにも利用規約の確認ポイントについてご紹介するので、参考にしてみてください。
NFTの基礎
まずは、NFTの基礎についてご紹介していきます。
これからNFTを始めようか悩んでいる方は、参考にしてみてください。
NFTとは
NFTは、大きく2つの意味があります。
①デジタル証明書の役割を担うトークン
NFTは、ブロックチェーンを使ったデジタル証明書を意味します。
データの正しさや所有権について、NFTで証明できます。
NFTは高度な暗号アルゴリズムが使われているので、データの改ざんは難しいものです。
他のものと交換できない非代替性という特徴を活かして、数多くのコンテンツで利用されています。
②NFT化されたデジタルコンテンツ(NFTコンテンツ)
NFT化されたデジタルコンテンツ(NFTコンテンツ)のことをNFTと呼ぶこともあります。
NFTコンテンツは様々な分野で展開していて、今後のさらに増えると予想する声も少なくありません。
アメリカや日本など世界中でコンテンツをNFT化する動きがあります。
音楽やイラスト、アートなど新しい作品の売り方として、大物アーティストからも注目されるようになりました。
NFTコンテンツの種類
ここでは、NFTコンテンツの主な種類についてみていきましょう。
今回は、以下の4つをご紹介します。
NFTアート
NFTアートとは、NFTの技術をデジタルアートに応用したものです。
従来のアートに比べて改ざんが難しいので、コピーされるリスクが少なくなりました。
転売された場合もアーティストに収入が入るように設定できるので、有名アーティストも次々参加しています。
有名な作品の中には、数億円の価値がついたものもありました。
日本でも楽天NFTをはじめとするマーケットプレイスで取引されています。
NFTコレクション
NFTコレクションとは、ゲーム好きに作成されたゲームや作品内のデジタルコンテンツをコレクションするサービスのことです。
個人間で売買できるので、NFTコレクションのやり取りを通じて利益を出すことができます。
デジタルの世界では物理的なコレクションとは違い、無くしたり、汚したりする必要はありません。
従来からコレクションが好きだったという方からも注目を集めています。
NFTゲーム
NFTゲームとは、ブロックチェーンを利用したゲームのことです。
ゲームで遊ぶと仮想通貨が手に入ることもあり、注目を集めています。
NFTゲームの中には、自分だけのキャラやアイテムを作成できます。
キャラを売ることで収益を得られるので、海外ではNFTゲームで得た収入で生活を試みる人も少なくありません。
NFTドメイン
NFTドメインとは、暗号通貨を送るときのアドレスに任意の文字列が利用できる仕組みのことです。
従来暗号通貨のアドレスは、複雑で覚えるのが大変というものでした。
NFTドメインをつかうことで、暗号通貨の送金が簡単になります。
NFTドメインはドメインを取り扱っている販売所を通じて購入可能です。
NFTの構造
NFTの構造を3つご紹介していきます。
インデックスデータ
インデックスデータとは、ブロックチェーンに関する事務的なデータを保持しているものです。
インデックスデータは、ブロックチェーン上で管理されています。
メタデータ
メタデータとは、外部サーバーをはじめとするブロックチェーンの外に記録されているデータです。
例えばアートであれば、アートのデータを保持しているのはメタデータといえます。
コンテンツ対象データ
コンテンツ対象データは、データが大きくブロックチェーン上では記録できないという特徴があります。
コンテンツ対象データは、メタデータの中で保管されています。
NFTを始める前に知っておくべき権利について
NFTを始める前に、所有権や著作権など権利について学んでおくといいでしょう。
権利侵害だと言われて訴訟を起こされたり、ルールを守らないというペナルティーを受けずにすみます。
NFTは所有権の対象外
大前提として、NFTは所有権の対象外です。
住宅や土地のように所有権を主張するのは難しいものです。
所有権とは
所有権とは、民法85条で定められている特定の物を支配する権利のことです。
所有権は有体物が対象
所有権は、リアルな物が対象です。
例えば家やパソコンなどは有体物なので、所有権をアピールできます。
しかしNFTはデジタルコンテンツで、無体物です。
民法の観点から考えると、所有権を訴えることはできません。
NFTの保有に関する権利はサービス事業者の規約で規定される
またNFTの保有に関する権利はサービス事業者の規約で規定されることが一般的です。
保有に関する権利は、事前にチェックしておいた方がいいでしょう。
NFTは著作権の対象外
NFTは、著作権に関しても対象外です。
著作権に関する権利についても注意が必要といえます。
著作権とは
著作権とは、著作権法2条1項に定められている音楽やアートなど表現物に関する権利のことです。
音楽や漫画の著作権がニュースで話題になることも少なくありません。
著作権はNFTに紐づくデジタルデータが対象
NFT自体には著作権はありませんが、NFTに紐づくデジタルデータが著作権の対象となることもあります。
ただ汎用性の高いNFTアートは、著作権が認められない可能性も少なくありません。
状況に応じて対応される可能性があります。
著作権者の許可のないNFT利用は著作権侵害になる
著作権者の許可がないままにNFTを利用することは、不正利用になります。
無断で絵をNFT化させ、転売することは著作者から訴えられる可能性があります。
NFTの権利関係のトラブル事例
過去に起こったNFTの権利関係のトラブルの事例をご紹介していきます。
権利関係でNFTの取引に影響を受けたくないという方は、参考にしてみてください。
Nikeが仮想NFTスニーカーの販売に対して訴訟
大手ブランドのNikeは、仮想NFTスニーカーの販売に対して商標権侵害を理由に提訴を行ったことがあります。
これは仮想NFTスニーカーがヴォルトNFTという実物の所有権に基づいた投資に関し、許可なくナイキのスニーカーを利用したからです。
ナイキは提訴の前にファッションやスニーカー分野のNFTを多く扱うスタートアップ企業RTFKTを買収していて、NFT関連に積極的に進出しています。
エルメスがNFTアート作品販売に対して提訴
エルメスは、バーキンによく似たメタバーキンズを制作、発売したとしてメイソン・ロスチャイルドを提訴しました。
メイソン・ロスチャイルドは、デジタル上で100個バーキンによく似たNFTアートを作成して利益を得ていました。
映画会社ミラマックスが「パルプ・フィクション」のNFTに対して訴訟
映画会社ミラマックスは、映画「パルプ・フィクション」のNFT化を巡ってタランティーノ監督と裁判にまで発展しました。
ことの発端は、タランティーノ監督が「パルプ・フィクション」の公開していないシーンをNFTとしてリリースと発表したことです。
裁判は双方訴えを退けることで合意し、今後は協力しながらNFTをの可能性を模索していくと発表がありました。
NFTの著作権に関する問題
NFTの著作権に関する問題について2つのポイントをご紹介していきます。
NFTを保有すると著作権も得られると誤解しやすい
NFTに詳しくない人の中には、NFTを保有すると著作権も得られると考えている方も少なくありません。
所有権と著作権を混同しているケースもあるので、認識を改める必要があります。
例えば実物のアートでも絵画自体の所有権は購入者に移りますが、著作権自体は制作者にのこるものです。
NFTサービスを提供する事業者が著作権に関しても規約で明記している可能性があるので、確認してみてください。
著作権がない人でも著作物のNFT化は技術的に可能
著作物のNFT化は、技術的に誰でも行うことは可能です。
そのため自分の書いた絵が無断でNFT化されていたという大物アーティストも少なくありません。
残念ながら無断で著作物をNFT化される事例も多く聞かれます。
無権限者の不正利用に対して著作権侵害を訴えることは可能です。
しかし時間や労力がかかるので、泣き寝入りする人も少なくありません。
NFTを購入する場合には、著作権のない人から購入するとトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
うまく見極める力が必要でしょう。
著作権のない人が出品する偽物NFTの見分け方
著作権のない人が出品する偽物NFTの見分け方をご紹介していきます。
実際に取引する際の参考にしてみてください。
公式マークを確認
まずは、購入時に公式マークがあるか確認してください。
公式マークの形は各プラットホームで異なりますが、公式マークがついていれば安心して利用できるでしょう。
Twitterアカウントの連携を確認
Twitterアカウントと連携していない人は、偽物の可能性があります。
自分のNFTを販売する場合、SNSを活用して売り出そうとすることが一般的です。
偽物なのでTwitterアカウントと連携できない可能性があります・
アイテム/オーナー/取引ボリュームを確認
アイテム自体が偽物らしい、オーナーの評価が良くない、取引ボリュームが極端に低い場合は偽物かもしれません。
まずはしっかりとアイテムを見極めましょう。
さらにオーナーが信用できそうか確認してみてください。
取引ボリュームが確認できる場合は、確認しておくといいでしょう。
NFTマーケットプレイスにおける権利問題
NFTマーケットプレイスにおける権利問題もよく確認しておくといいでしょう。
利用の前に目を通してみてください。
プラットフォーム間で利用規約が異なる
NFTマーケットプレイスは、プラットフォーム間で利用規約が異なるものです。
そのため定期的に利用規約は確認してみてください。
プラットフォームによっては明確に権利関係を提示しているところもあります。
運営している国や地域の考えもあるので、注意が必要です。
NFTの追加発行で購入後に価値が下がる危険がある
NFTマーケットプレイスは、NFTの追加発行で購入後に価値が下がる危険があります。
そのため購入のタイミングが将来性を見極める必要があります。
価値が変化すれば、売却を前提に購入していた場合大損する可能性もあるかもしれません。
どのNFTであれば稀少性があるか、見極める力が必要でしょう。
NFTの権利関係は利用規約の確認が大切
NFTの権利関係は利用規約の確認が大切です。
注目すべきポイントを3つご紹介していきます。
NFTの出品・取引で著作権は誰のものになるのか
NFTの出品・取引で著作権は誰のものになるのかは、必ず確認しておきましょう。
利用規約はプラットフォームで異なります。
不明点があれば、運営に問い合わせするといいでしょう。
著作権以外に発生する権利はあるのか
様々な権利はが、NFTに発生する可能性があります。
トラブルにならないように、著作物やそれ以外の権利を考えてみてください・
無断利用に対してだれがどのように対処するのか
無断利用があれば対応するのは運営なのか、自分なのかはっきりさせておく必要があります。
自分で行う場合には、対策を取らないと無断利用されてしまうこともあるでしょう。
NFTの権利についてまとめ
今回、Pacific MetaマガジンではNFTの権利について以下の内容でご紹介してきました。
- NFTには所有権や著作権はない著作権がない人でも著作物のNFT化は技術的に可能
- 不NFTの購入先にも著作権について不明点あれば、連絡する
NFの利用に興味がある方は、権利についても近いを深めてみてください。