前回「NFT(非代替性トークン)を利用したファンクラブ・メンバーシップ事例」においては、NFTを活用した施策が様々な分野で出てきていることをお伝えしました。
今回Pacific Meta マガジンでは、メンバーシップNFTを活用した新しい形のファンクラブサービス「Fanique」について詳しく紹介します。
Faniqueは、メンバーシップNFTの活用分野としても注目を集めている、スポーツ業界のファンクラブサービスです。
紹介する内容は以下の通りとなっています。
- NFTを活用したファンクラブサービス「Fanique」とは?
- Faniqueの活用事例
- Faniqueの今後の展望
前回の記事を見ていなくても内容は理解できますので、安心してこのまま読み進めてください。
最初の見出しではファンクラブサービスFaniqueの概要・特徴を詳しく説明します。
活用事例では日本のプロバスケットボールチーム、さいたまブロンコスの導入事例を紹介していきます。
バスケットボールに限らず、NFTとスポーツに興味がある方には要チェックの内容なので、ぜひ最後までご覧ください。
NFTを活用した新しい形のファンクラブサービス「Fanique」とは?
FaniqueはメンバーシップNFTを購入することでチームを応援できる仕組みのファンクラブサービスです。
この見出しでは、以下の内容を順に紹介していきます。
- Faniqueの概要
- Faniqueを立ち上げた背景
- Faniqueの特徴
詳しく気になる方は公式サイトをあわせてチェックしてみてください。
また、公式YouTubeチャンネルにはFaniqueの説明動画がアップロードされています。
一度見ておくことで内容がより理解しやすくなるでしょう。
Faniqueの概要
FaniqueはNFTとファンクラブの機能を融合した、新しい形態のファンクラブサービスです。
ここではメンバーシップNFTを販売するとともに、NFTの所有者に様々な特典を用意しています。
具体的には、メンバーシップNFTを購入することでグッズがもらえたり、NFT保有者のメンバー限定イベントに参加できたり、投票企画に参加できたりといった全く新しい特典があります。
今までは月額費用などを定期的に振り込んでファンクラブに参加していたものが、NFTの購入と置き換わったと考えればイメージしやすいでしょう。
メンバーシップNFTを一度購入すればNFTの所有者となります。NFTのホルダーである限りファンクラブの会員です。
Faniqueの掲げているコンセプトは「チームや選手を応援することが価値となり、長く続くファンとのコミュニティ構築を目指す」というものです。
チームを長く、何度も応援するほどあなたの保有するNFTの価値が上がり続けるため、チームに対するあなたの貢献度をより感じやすくなるでしょう。
Faniqueの特徴
Faniqueの特徴としては、以下の6つが挙げられています。
- メンバーシップNFTが売買可能
- デジタルコレクション(ユーティリティNFTが売買可能)
- コミュニティ形成
- 特別体験の獲得
- チーム経営の意思決定への関与
- Support & Earnリワードプログラム
特に、Support & Earnリワードプログラムはゲームのような仕組みが面白く、導入することで楽しみながらチームを応援できるのが大きな特徴です。
詳しい内容を1つずつ説明していくので、気になるものからチェックしてみてください。
メンバーシップNFTが売買可能
ユーザーとしては、メンバーシップNFTを購入することがスタート地点です。
NFTを使うことによるメリットは以下のようなものがあります。
- NFTホルダー限定の特典を提供できる
- NFTとして販売することで権利の売買がしやすくなる
付与される特典や予算に応じて購入するNFTを選ぶことができますし、セカンダリーマーケットで売買出来るのもNFTの大きな利点です。
デジタルコレクション(ユーティリティNFT)
Faniqueでは、メンバーシップNFT購入者限定でユーティリティNFTを販売できるようになるマーケットプレイスの立ち上げを2023年11月末頃に予定しています。
NFTカードを販売、またはメンバーシップ特典によって、試合中の名シーンをユーティリティNFTとして保有することが可能です。
アルバムのように保管して鑑賞しても良いですし、トレーディングカードのように取引することもできます。
現状のロードマップでは2023年中の実装を予定しています。
コミュニティ形成
Faniqueにおいては、メンバーシップNFT保有者限定のコミュニティを形成することができます。
同じスポーツチームに興味がある人が集まるうえに、NFTに関心がある人の集まりなので、共通の話題には事欠かないでしょう。
このコミュニティではファン同士のみではなく、選手とのコミュニケーションも図れるようになります。
特別体験の獲得
メンバーシップのステータスに応じて、様々なサービス・特典を得られる仕組みが構築されています。
支払った金額や現地観戦した回数などに応じてステータスが上昇して特典が増えていきます。
もらえる特典については下記で説明する「Support & Earnリワードプログラム」にも関連しているので、そちらも参照ください。
チーム経営の意思決定への関与
メンバーシップのステータスが高くなるとチームへの意見も通りやすくなります。
具体的にはグッズやユニフォームのデザインについて意見を言えたり、各試合のスタメン投票ができたりします。
メンバーシップのステータスが高い人向けには、チーム経営者とファンとのコミュニケーションの場も用意されるので、経営者に直接想いを伝えることも可能です。
Support & Earnリワードプログラム
Faniqueが提供するメンバーシップNFTのユーティリティは、試合観戦やグッズ購入などをしてチームを応援することでコインを獲得して、メンバーシップのレベルをアップできる仕組みです。
従来のファンクラブは、会費を払い特定の団体や有名人の限定特典を獲得できる、体験を得ることができるなど非会員と比較して優位性があるものでした。
しかし、FaniqueのメンバーシップNFTを活用すれば、限定的な特典を獲得できることは勿論、ホームゲーム観戦での応援によってコインを貯めることができるため、NFT所有者は従来のファンクラブ会員とは一味違った満足感を得ることができます。
また、そのコインをメンバーシップNFTのレベルアップ・ステータスアップに使用できるので、チームを応援する熱量もレベルアップ・ステータスアップ同様に自然と高めることができます。
したがって熱量が高いファン・サポーターが増加することで、チームの士気にも影響を与え大会での勝利、リーグ昇格へと繋がる好循環を生むことができます。
仕組みの具体は、ホームゲーム開催日に現地に設置してあるQR読み取り機にスマートフォンをかざすことでコインを貯めることができます。
スマホアプリを使って貯めたコインをレベルアップに使い、レベルが一定以上になるとメンバーシップのステータスを上昇させることが可能です。
ステータスが上がるにつれて観戦による獲得コインも増加する、受けられる特典もランクアップするといった要素もあり、ゲーム感覚で楽しむことができるのも従来のファンクラブにはない仕組みです。
Faniqueを立ち上げた背景
Faniqueの運営会社である株式会社スカラパートナーズは価値が溢れ出てくる世界の実現を目指す民間企業と地域経済を共に活性化する共創型プラットフォームを提供する企業です。
地域経済におけるスポーツビジネスの活性化を重要視し、プロバスケットボールチームのさいたまブロンコスをグループに迎え入れたことを契機にスポーツビジネスDXに取り組んできたことが、NFTを活用した新しい形のファンクラブサービス「Fanique」立ち上げにおける1つの理由にもなりました。
Faniqueを立ち上げた背景の詳細は、PR TIMESのスカラパートナーズ、メンバーシップNFTを活用した、新しい形のファンクラブサービス「Fanique」を提供開始をご覧ください。
Faniqueの活用事例
上の見出しではFaniqueの特徴をお伝えしましたが、Faniqueではチームごとにメンバーシップのステータスや特典の設定ができます。
今回は、すでに運用が開始している「さいたまブロンコス」の具体例を活用事例として紹介します。
さいたまブロンコスのメンバーシップNFT
Faniqueの試金石となって運営がスタートしたさいたまブロンコスの場合、会員ステータスごとの価格や特典は以下の通りです。
会員ステータス | メンバーシップ価格 | 年会費 | 主な特典 |
RED | 3,000円 | 2,500円 | 限定コミュニティ参加
投票企画への参加 選手Zoom会の視聴 |
SILVER | 10,000円 | 4,000円 | 新規グッズ起案
公開練習への抽選参加 |
GOLD | 50,000円 | 7,500円 | シーズン後パーティ参加
選手Zoom会で質問可 試合開始前コート見学 シーズンチケット割引 |
PLATINUM | 100,000円 | 30,000円 | VIP席購入権利
限定ユニフォーム特典 試合後コート見学 |
DIAMOND | 5,000,000円 | 500,000円 | チケット最優先購入
経営陣との面談 試合後選手ハイタッチ エスコートキッズ参加 |
幅広いステータスや価格帯でチームを応援することができます。
ステータスが上がるにつれて選手と触れ合える機会が増加し、DIAMONDになれば経営陣とも直接話ができます。
選手のユーティリティNFTカードを販売するマーケットプレイス
マーケットプレイスについては、2023年9月時点で公式ページに「Coming soon」の文字が出ています。
そのため、具体的な仕様はまだ分かりませんが、選手ごとの名シーンがカードとなって集めたりトレードしたりすることができる想定です。
ロードマップでは「2023年冬」の実装が予定されているので情報を待ちましょう。
Faniqueの今後の展望
最後に、FaniqueやメンバーシップNFTについて今後の展望を記載します。
今はまだバスケットボール1チームのみで運用しているFaniqueですが、将来性も見ながらロードマップなどをチェックしていきましょう。
Faniqueのロードマップ
Faniqueには導入予定の機能が数多くあります。
ロードマップでは「Voting投票機能(実装済み)」「ユーティリティNFT」「Faniqueマーケットプレイス」といった機能が2023年中に実装予定です。
選手のユーティリティNFTカードを取引できるようになれば、ユーザー同士のコミュニケーションもさらに活発になっていくでしょう。
さいたまブロンコスの運用が上手く行けば他のチームにも徐々に広がって、将来的にはBリーグ全体でFaniqueが利用できる可能性もあります。
メンバーシップNFTの広がり
メンバーシップNFTを活用した事例は他のスポーツでもすでに見られます。
例えば、国内初のスキーNFT「ニセコパウダートークン」があります。
ニセコパウダートークンとは、北海道倶知安町のスキー場「ニセコ東急 グラン・ヒラフ」において、NFTホルダーは、通常の営業時間前に入場し滑ることが可能なユーティリティがあります。
このように将来的には、当たり前のようにメンバーシップNFTを使ったサービスが利用できるようになるでしょう。
NFTの購入には仮想通貨を使うのが一般的でしたが、最近では国内サービスを中心にして現金払いができるシステムも増えていきました。
NFTを取引するハードルは少しずつ下がっているので、今まで敬遠していた方もチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ファンクラブサービス「Fanique」についてまとめ
今回Pacific Meta マガジンでは、メンバーシップNFTを活用した新しい形のファンクラブサービス「Fanique」について以下の内容をご紹介しました。
この記事のポイントを一覧で整理しましょう。
- FaniqueはメンバーシップNFTを購入することでチームを応援できる仕組み且つサポーターとしての自身の価値向上に繋がる
- プロバスケットボールのさいたまブロンコスでFaniqueがすでに運用されている
- NFTを購入することでグッズがもらえる、イベントに参加できる、投票企画に参加できるといった特典を受け取れる
- 特徴としては「メンバーシップNFTが売買可能」「デジタルコレクション要素(ユーティリティNFT)」「コミュニティ形成」「特別体験の獲得」「チーム経営の意思決定への関与」「Support & Earnリワードプログラム」の6つが挙げられる
- Support & Earnリワードプログラムでは試合観戦などでチームを応援してコインを貯め、貯めたコインをレベルアップに使ってメンバーシップのステータスを上げることもできる
- さいたまブロンコスのメンバーシップNFTはステータスが5種類あり、ステータスが上がるにつれて選手と触れ合える機会も増える
- 将来的には選手のユーティリティNFTカードを販売するマーケットプレイスの実装なども予定されている
Faniqueはまだ運用が開始されたばかりのサービスですが、ここから他チームや他スポーツに広がっていく期待を感じさせてくれます。
将来的には、スポーツ×NFTの組み合わせが身近な存在になる可能性が十分あるので、今のうちからFaniqueのサービスをチェックしておきましょう。