2025年の金融市場は、関税による不確実性の高まりと世界貿易の減速を背景に、主要資産間で対照的な動きを見せた。CoinGeckoのデータによると、金(ゴールド)が大幅に上昇し、原油が暴落した一方、ビットコインは小幅な下落にとどまり失速した。しかし、この市場の停滞期にDAT企業(Digital Asset Treasury Companies)とが静かに暗号資産を大量に購入し、市場の基盤を強化したことが示されている。
発表内容の詳細
CoinGeckoのデータに基づき、2025年の主要資産の価格パフォーマンスは以下の通りです。
| 金 | 62.6%の上昇 |
| 原油 | 21.5%の下落 |
| ビットコイン | 6.4%の下落 |
金価格の上昇は、米国による関税強化によって先行きの不透明感が増す中、地政学的リスクも重なり、リスク回避の受け皿としての需要が高まったことが背景にあるとみられます。一方で原油価格は、関税の影響で貿易が鈍化し、製造業の活動が抑えられた結果、エネルギー需要が低下したことで下落しました。いわば、景気減速によるショックを織り込む動きだったと言えます。
ビットコインは、不確実性の高まりによるヘッジ需要と、金融環境の引き締めによる流動性低下という、相反する二つの要因に挟まれ、上昇の勢いを欠く展開となりました。原油のように急落することも、金のように大きく買われることもなく、流動性環境の改善を待ちながら、長期的な持ち合い(コンソリデーション)局面にあったと考えられています。
DAT企業による暗号資産の蓄積
価格が低迷する中、DAT企業は積極的に暗号資産を購入しました。
| 購入総額 | 2025年中に497億ドルを投入しました。その約半分は下半期に展開されました。 |
| 保有額の増加 | 年末時点のDATsの保有額は1340億ドルに達し、前年比で137%増加しました。 |
| 市場支配率 | DAT企業はビットコインとイーサリアムの総供給量の5%以上を保有するに至りました。 |
この動きは、DAT企業が長期的な確信に基づき、ボラティリティを受け入れて供給を確保しようとする姿勢を示しており、下落期における蓄積が、ビットコインとイーサリアムは、売却しにくい長期保有者の手に集まり、市場で動かせる供給量が次第にタイトになっていったと考えられます。
今後の展開
2025年は関税が流動性を枯渇させ、暗号資産市場にとって圧縮の年となりました。しかし、この間にDAT企業がポジションを構築したことで、市場は2026年に向けて供給がよりタイトになり、保有者がより強固な状態となっているとされています。関税の圧力が悪化するのを止め、売り圧力が薄れるにつれて、流動性が改善すれば拡大への道筋が明確になる可能性があると見られています。
編集部コメント
昨年は関税を背景とした不確実性の高まりの中で、金をはじめとする貴金属資産が明確に選好され、ビットコインとの時価総額の差が拡大した一年となりました。一方で暗号資産市場が停滞する局面において、DAT企業による大規模な蓄積が静かに進み、供給はより長期保有を前提とする主体へと移行しています。短期的な価格パフォーマンスでは測りにくいものの、2025年は暗号資産の「市場基盤」が強化された年として捉えることもできそうです。