ビットコインは2026年1月21日、過去24時間で約4%下落し、約88,850ドル付近まで値を下げた。この下落により、一時97,000ドルを超えていた3週間にわたる上昇分が帳消しとなり、価格は2025年末の終値とほぼ同じ水準に戻った。市場の急変は、トランプ大統領によるグリーンランド買収推進の動きと欧州同盟国への新たな関税の示唆が、地政学的リスクとして世界市場に衝撃を与えたことが背景にあると見られる。
発表内容の詳細
2025年末の動向と2026年初の回復
ビットコインは2025年を約87,000ドルから88,000ドル付近で終え、年間で約6%の損失を計上しました。これは、10月につけた史上最高値126,000ドルから約30%下落した水準です。特に12月は、約22%の下落となり、2018年12月以来最悪の月間パフォーマンスを記録しました。
明けて2026年、市場の潮目は劇的に変化しました。1月14日にインフレ沈静化を示す統計が発表されると、ビットコインは24時間で4%以上急伸し、およそ2ヶ月ぶりに97,000ドルの大台を回復しています。この時期は、デジタル資産の広範な規制枠組みを確立するとされる「クラリティ法」への楽観論もセンチメントを支えていました。ただし、上院は同法案の予定されていた修正案審議を1月最終週に延期しており、必要な票がまだ確保できていない可能性が示唆されています。
地政学的リスクの再燃
1月21日、トランプ大統領がグリーンランド買収を推進する姿勢を示し、欧州同盟国に対して新たな関税を課す可能性を警告したことで、世界市場に動揺が広がりました。米国の主要株価指数は2%超下落し、恐怖指数とされるVIXは11月以来の最高水準に達しました。この急激な売りは、2025年4月の広範な関税発表が引き起こした米国市場の急落とボラティリティの急増を想起させるものとなりました。
今後の展開
ビットコインは年初来の上昇分を消し去り、2025年の終値水準に戻る「ラウンドトリップ」を完了しました。今後、水曜日にはトランプ氏による連邦準備制度理事会(FRB)のリーサ・クック理事解任を巡る最高裁判所の審理が予定されており、追加的なボラティリティの要因となる可能性があります。
グリーンランドを巡る緊張は最終的には解消される可能性がありますが、それには数ヶ月かかる可能性があり、市場はその間、ボラティリティの高まりに直面すると見られています。トレーダーは現在、ビットコインが88,000ドルを超えて安定しつつある状況を、買いの機会と捉えるか、あるいはより深い調整の始まりと見なすかを評価している段階です。
編集部コメント
年初から強気ムードが広がっていたビットコインですが、トランプ政権による地政学的な発言や政策を巡る不透明感が意識される中で、価格は短期間で年末水準まで押し戻されました。今回の動きは、明確な上昇・下落トレンドというよりも、トランプ政権の動向をきっかけに市場心理が大きく揺れ、上下どちらにも振れやすい局面に入っていることを示しているように見えます。今後は価格水準そのもの以上に、政治・政策イベントに反応したボラティリティの高まりが常態化するかどうかが、相場環境を見極める上でのポイントになりそうです。