メタバースは会社・企業にも活用されているというのはご存じでしょうか。
本記事では、メタバースと会社について以下の点を中心にご紹介します!
- メタバースが活躍している分野
- 会社でのメタバースの活用方法
- 企業・会社がメタバースを使用するメリット
メタバースと会社について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
Pacific Metaでは、Web3の事業に取り組む企業様向けにメールマガジンを配信しています。
これまで100件以上のプロジェクト支援して培ったノウハウをもとに、Web3業界の最新情報や、支援事例など、課題解決に役立つ情報をお届けします。
⇒ Pacific Metaのメールマガジンに登録する(無料)
メタバースについて簡単に解説
メタバースは、デジタル上の「仮想共有空間」を指します。この空間は、3次元のインターネット上の世界で、ユーザーはアバターとして参加し、現実のような社会活動を体験できます。この言葉は「超越」を意味する「Meta」と「宇宙」を意味する「Universe」から派生しています。
メタバースの特徴は、現実に近い体験ができる点にあります。ユーザーはアバターを通じて、友人との交流やビジネスミーティング、さらにはゲームやエンターテイメント活動を楽しむことができます。この概念は新しいように思えますが、2003年に登場した「Second Life」のような3D仮想空間は、既に2000年代から存在していました。
2022年には、多くの企業がメタバース技術をビジネスに導入し、バーチャルイベントやオンラインゲームでの利用が増えています。特に、NFTを用いたデジタルアイテムの取引や、異なるゲーム間でのアイテムの利用が可能になるなど、新しいエンターテイメントの形が生まれています。従来のゲームやオンライン空間とは異なり、メタバースはユーザーに更なる自由度と拡張性を提供しています。
メタバースが活躍している分野
メタバースは様々な分野で活躍を広げています。以下で、例として2つの分野を紹介します。
ゲーム
メタバースは、特にゲーム業界での利用が拡大しています。ゲーム内のメタバースは、プレイヤーが自らのアバターを使って、リアルタイムでのコミュニケーションや活動を楽しむことができます。
「フォートナイト」や「ローブロックス」などの大手ゲームタイトルは、メタバースの先駆けとして数億人のユーザーを魅了しています。これらのゲームは、単なる遊びの場ではなく、ユーザー同士の交流やコミュニティ形成の場としても機能しています。
また、伝統的なゲームタイトルである「マインクラフト」や「あつまれ どうぶつの森」も、ユーザーが自由に活動できる仮想空間を提供しており、メタバースの一部として認識されています。
このように、ゲーム業界はメタバース技術を取り入れることで、ユーザー体験を一段と豊かにし、新しいコミュニケーションの形を生み出しています。現代のゲームは、単なるエンターテイメントから、社会的な交流の場へと進化を遂げているのです。
会社
メタバース技術は、ビジネスの現場での新しいコミュニケーション手段として注目を集めています。特に、バーチャルオフィスという形での導入が進められています。これは、アバターを使用して仮想空間での業務やコミュニケーションを行う新しい働き方を指します。
例として、Facebook(現・Meta)が開発した「Horizon Workrooms」は、現実と仮想をシームレスにつなぐバーチャルオフィスプラットフォームです。このシステムは、方向や距離に応じて音声が変わる技術を採用しており、まるで実際のオフィスにいるかのような体験を提供します。
また、Microsoftも「Mesh for Microsoft Teams」というメタバースプラットフォームの開発を進めており、これによりオンラインでのコミュニケーションの質を向上させることを目指しています。
日本国内でも、メタバース技術の導入が進められています。株式会社OPSIONが提供する「RISA」は、アバターのステータス表示機能や簡単な音声通話開始機能を備えたバーチャルオフィスサービスです。さらに、株式会社ガイアリンクが提供する「Virbera」は、多様なバーチャル空間を構築できるプラットフォームで、会議や研修などの場面での利用が期待されています。
会社でのメタバースの活用方法
メタバースは、ゲームやコミュニケーションの領域を超え、ビジネスの様々なシーンでの利用が拡大しています。特に企業の中で、物理的な距離を感じさせないリアルな体験を提供することから、多くの新しい用途が生まれています。
例えば、企業のミーティングでは、身体の動きや目の動きを通じて、より現実に近いコミュニケーションが可能になり、効果的な議論が期待できます。また、実際には難しい状況をシミュレートした研修や、他者の視点を体験するような特別な環境での学びも実現しています。
一方、消費者向けのビジネスでは、メタバースを活用して新しい顧客接点を作成する動きが見られます。仮想空間での独自のエンターテインメント提供や、製品の特長を強調するマーケティング手法、さらにはバーチャル店舗での商品販売など、多岐にわたる活用方法が考えられています。
これらの取り組みを通じて、メタバースはビジネスの新しいフロンティアとしての地位を確立しつつあります。
企業・会社がメタバースを使用するメリット
メタバースを使用するメリットについても見ていきましょう。
新たなビジネスの可能性
メタバースは、新しいデジタルのフロンティアとして注目を集めています。この未探索の領域には、まだ誰も手を付けていないビジネスのチャンスや、競合が少ないマーケットが広がっている可能性があります。
企業がメタバースに進出することで、新しい収益の機会を探ることができます。さらに、会社の現行の事業とメタバース上の新しい取り組みを組み合わせることで、双方の強みを最大限に活用し、ビジネスの拡大を図ることができるでしょう。
メタバースの特性を活かすと、地理的な制約なく、リアルタイムでのコミュニケーションやビジネス活動が可能となります。オンラインセミナーやバーチャルオフィスの導入、さらにはNFTやデジタル通貨を組み込んだ新しい経済モデルの構築など、メタバースは企業にとって新しいビジネスの舞台となること間違いなしです。
効率的な人材募集や採用プロセスが実施できる
メタバースは、企業の採用活動に新しい風をもたらしています。リアルな採用イベントや説明会は、地理的な制約から参加を躊躇する求職者が少なくありません。特に遠方からの参加は、時間や交通費の問題が大きな障壁となります。
しかし、メタバースを活用することで、このような制約を取り払い、全国どこからでも気軽に参加できる採用イベントの開催が可能となります。従来のWeb会議ツールを使用したオンライン説明会は、一方的な情報伝達が中心であったが、メタバースを利用することで、より対話型の採用活動が実現します。
アバターを通じての参加となるため、求職者は自分を表現しやすく、企業側もより深い理解を得ることができるでしょう。このような環境は、求職者がオープンに意見や質問を共有し、企業との相性を確かめる絶好の機会となります。メタバースを活用した採用戦略は、企業と求職者双方にとって、より効果的で有意義な経験を提供することが期待されます。
社内コミュニケーションの円滑化
メタバースの導入は、ビジネスコミュニケーションの新しい可能性を開くものです。特にリモートワークや他社との連携が増える現代において、バーチャルオフィスの活用はコミュニケーションの質を向上させる要素となります。アバターを用いることで、遠隔地にいるメンバーの感情や状態を直感的に理解することが可能となり、これによりスムーズなコミュニケーションが実現します。効率的な作業進行や問題の早期発見・解決も期待できます。さらに、メタバース上のアバターのステータス機能は、コミュニケーションのタイミングを適切に捉える手助けとなり、無駄なく情報交換を行うことができるでしょう。
シミュレーションを利用してのバリューチェーン
メタバースの力を借りれば、現実の都市や施設のモデルを仮想空間で精密に再現することができます。これにより、実際の物理的な試作やテスト運転の必要性を減少させ、設計や運営の最適化を迅速に進めることが可能となります。この仮想上のシミュレーションは、企業のバリューチェーン全体、つまり企画からアフターサービスまでのプロセスをスムーズにし、コストの削減やリードタイムの高速化を実現します。メタバースのこの機能性は、ビジネスの効率と競争力を飛躍的に向上させる鍵となるでしょう。
メタバースと会社の展望について
メタバースのビジネスへの適用は、多くの企業が注目しているトピックとなっています。2022年にPwCコンサルティングが行った調査によれば、日本の企業の大多数がメタバースをビジネスの新しい機会として認識しています。具体的には、87%の企業がこれをビジネスチャンスと見ており、BtoBやBtoCの活用の意向も高まっています。
また、すでにメタバースの導入を検討・実施している企業は38%に達しています。これらの企業の目的は、新規ビジネスの機会の創出、営業の強化、顧客サービスの質の向上など多岐にわたります。特に、オンラインの会議やイベント、マーケティング活動の領域での利用が増えています。さらに、メタバースを導入している企業の半数が、その実用化を1年以内に見込んでいることから、近い将来、メタバースの活用は急速に拡大することが予想されます。
企業のメタバース参入のリスク
企業がメタバースを参入する際にはリスクも存在します。以下で詳しく解説します。
メタバース構築の時間や費用
メタバースの世界に足を踏み入れるためのオフィスや顧客コミュニティの構築は、時間とコストが伴う作業となります。しかし、技術の進化により、スマートフォンやウェブブラウザだけでアクセス可能なWeb型メタバースが登場しており、導入の敷居は低くなってきています。
さらに、企業がメタバースの世界を構築する際の費用や専門家の確保といった課題をサポートするサービスも増加しています。これにより、企業がメタバースへの参入を検討する際のリスクやハードルが低減されつつあります。今後、このようなサポートサービスの拡大により、多くの企業がメタバースへの参入をより容易に進めることが期待されます。
機密情報の流出
メタバースの普及に伴い、セキュリティの問題が浮上してきています。ハッカーがメタバースのセキュリティの弱点を突き、ユーザーや企業の情報を不正に取得する危険性が存在します。特に、IDやパスワードが盗まれると、アバターの偽装だけでなく、価値ある情報の漏洩のリスクも増大します。
メタバースでは、従来のオンライン活動よりも詳細な個人データ、例えば生体データや位置情報、金融情報などが集められるため、これらの情報が外部に漏れることは、個人や企業に甚大な被害をもたらす可能性があります。このようなセキュリティの懸念を受けて、政府機関も専門家を集めて対策を議論している状況です。メタバースの安全性確保は、今後の大きな課題となるでしょう。
メタバース空間の改ざん・ハッキング
メタバースの環境は、ユーザーが自らのアバターや仮想空間を作成し、他のユーザーと共有することが可能です。この特性が攻撃者に利用されると、オリジナルのデータが不正に変更され、意図しない動作を引き起こすリスクが生じます。このような改ざんやハッキングは、他のユーザーに対しても悪影響を及ぼす可能性があります。メタバースが日常生活に深く浸透していく中で、このようなセキュリティ上の脅威は、企業や一般ユーザーにとって大きな損失や被害をもたらす恐れがあります。メタバースの普及に伴い、その安全性や信頼性の確保が急募される課題となっています。
デジタルアセットの盗難やウォレットへの不正アクセス
メタバースの普及に伴い、アバターや仮想の土地、ファッションアイテムなどのデジタルアセットの取引が増える中、NFTを用いた取引が一般的になると予想されます。しかし、これらのデジタルアセットを管理するウォレットや取引所は、ハッキングのターゲットとなるリスクがあります。
過去には、2018年にCoinCheckという暗号資産取引所が攻撃を受け、大量の仮想通貨NEMが盗まれるという大きな事件が発生しました。このような事件は、実際に取引を行っているユーザーだけでなく、広く暗号資産の信頼性を揺るがすものとなりました。このような背景から、メタバースに参入する企業やユーザーは、デジタルアセットのセキュリティ対策を強化する必要があると言えるでしょう。
匿名性の悪用
メタバースの魅力の一つは、ユーザーが自分のアバターを自由にカスタマイズし、異なる人格で活動できる点です。しかし、この匿名性が犯罪の温床となる恐れもあります。SNSにおけるアカウントの乗っ取りや偽装と同様に、メタバースでも類似の問題が発生しています。具体的には、「アカウントの乗っ取り」と「模造アバターを用いた詐欺」が主なリスクとして挙げられます。
アカウントの乗っ取りでは、攻撃者が正当なユーザーとして振る舞い、情報を不正に取得したり、他のユーザーに対して悪意のある行動をとることが考えられます。また、実際の知人や有名人のアバターを模倣して、他のユーザーを欺くという手口も存在します。このような匿名性の裏側に潜むリスクは、メタバースを安全に利用するための大きな課題となっています。
メタバース内での盗聴・盗撮
メタバースの仮想空間は、現実と同じくプライバシーの侵害のリスクが存在します。特に、メタバースでは「目に見えない」アバターが存在することが可能で、これが盗聴や盗撮の手段として利用される恐れがあります。さらに、メタバースの特性上、一つの基本データから複数の仮想空間を同時に生成することができるため、プライベートな空間でも外部からの不正アクセスが考えられます。
例えば、秘密情報を取り扱うような会話がプライベートな空間で行われている際、第三者がこの空間に侵入し、目立たないアバターを使用して情報を盗むというリスクが考えられます。このようなメタバース特有のセキュリティの問題は、企業がメタバースに参入する際の大きな懸念点となります。
メタバースと会社に関するよくある質問
メタバースと会社に関係する質問を3つ紹介します。
メタバースのセキュリティーは万全ですか?
メタバースのセキュリティは、ブロックチェーン技術を採用することで、非常に高い安全性を持っています。ブロックチェーンは、取引データを多数のコンピュータで分散して管理する方式をとっています。このため、すべてのコンピュータを同時にハッキングすることは、実質的には非常に困難です。これに対して、従来のシステムは一つのサーバーに集中してデータを管理していたため、そのサーバーが攻撃を受けると多くのデータが危険にさらされるリスクがありました。ブロックチェーンの採用により、このような集中的なリスクが分散され、メタバースのセキュリティは大幅に向上しています。したがって、ブロックチェーン技術を活用したメタバースは、高いセキュリティを誇るサービスと言えるでしょう。
日本最大のメタバースは何ですか?
日本で最も大きなメタバースプラットフォームは、「cluster」といわれています。「cluster」はユーザーがバーチャル空間を作成し、その中で活動することができるサービスです。このプラットフォームには、40,000以上のユーザー作成のバーチャル空間があり、それらの空間での体験が可能です。2017年のリリースから現在にかけて、ダウンロード数は100万回を超え、累計動員数も800万人に達しており、国内でのメタバースプラットフォームとしてのユーザー数はトップクラスです。
さらに、大型のバーチャルイベントの開催や、国内外の著名なブランドとの連携も行われています。このプラットフォームは15億円以上の資金を集め、多数の大手企業からの支援を受けており、その規模と影響力から、日本最大のメタバースプラットフォームと評価されています。
メタバース業界とは何ですか?
メタバース業界は、現在まだその定義が固まっていない新興の分野ですが、多くの人々に「3Dのインターネット空間」や「3Dゲームの世界」として認識されています。これは、3D技術、インターネット、ゲームの要素が組み合わさった業界と言えます。2022年の時点で、このメタバースの国内市場の規模は約1,825億円とされ、2026年には1兆円を突破するとの予測も出ています。
このような急成長が見込まれる分野は稀有で、多くの企業や投資家が注目しています。国際的な大手企業も、メタバースの将来的なポテンシャルを高く評価しており、この業界の今後の拡大が大いに期待されています。
メタバースと会社についてのまとめ
ここまでメタバースと会社についてお伝えしてきました。
メタバースと会社の要点をまとめると以下の通りです。
- メタバースが活躍している分野は、ゲーム分野やビジネス分野などがある
- 会社でのメタバースの活用方法は、ミーティングや研修、消費者向けにはエンターテインメント提供やマーケティング手法などがある
- 企業・会社がメタバースを使用するメリットは、新たなビジネスの可能性や、効率的な人材募集や採用プロセスが実施できること、社内コミュニケーションの円滑化、シミュレーションを利用してのバリューチェーンなどがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Pacific Metaでは、Web3の事業に取り組む企業様向けにメールマガジンを配信しています。
これまで100件以上のプロジェクト支援して培ったノウハウをもとに、Web3業界の最新情報や、支援事例など、課題解決に役立つ情報をお届けします。
⇒ Pacific Metaのメールマガジンに登録する(無料)
Web3のお悩みはPacific Metaにご相談ください
Web3に特化したグローバルプロフェッショナルチームとして、株式会社Pacific Metaは、Web3を経営戦略の中核に据え、事業拡大に欠かせないトークンエコノミクスやブロックチェーンの開発、コミュニティの育成などをトータルにサポートします。
Web3の分野で挑戦する国内外の企業やプロジェクトに対しては、Web3の専門性を生かした支援だけでなく、世界各地にいるチームメンバーが築いたWeb3コミュニティとの連携によるグローバル支援も提供しています。
現在は、国内最大規模のブロックチェーンゲーム制作企業や、日本の大手広告代理店などの企業と、日本国内外で多様な取り組みを実施しています。
- ブロックチェーンの利用やNFTの活用を新規事業の柱として考えている。
- 自社のWeb3プロジェクトを海外市場に進出させたい。
- 自社プロジェクトのマーケティングを総合的に委託したい。
Web3やメタバース・NFT・ブロックチェーンに関するビジネスで困っている場合には、弊社のお問い合わせページからお問い合わせください。