暗号資産取引所クラーケンの銀行部門が、暗号資産企業として初めて米連邦準備制度(FRB)のマスターアカウントの承認を受けた。これを受け、同様のアカウントを申請しているリップル社の動向に市場の注目が集まっている。リップル社は2025年に申請を行っているが、現時点で当局による承認の事実は確認されていない。
発表内容の詳細
FRBのマスターアカウントとは、金融機関が米国の連邦準備制度(中央銀行システム)に直接アクセスするための口座です。通常、暗号資産企業が顧客の入出金を処理するには既にマスターアカウントを持っている既存の銀行を経由する必要がありましたが、今回の承認を受けてクラーケンは直接銀行・企業間の大口送金を行うことが出来ます。
報道によると、ワイオミング州の特別目的預託機関(SPDI)憲章を持つクラーケンの銀行部門が、カンザスシティ連邦準備銀行からマスターアカウントの承認を得ました。同社は2020年9月にSPDI憲章を取得し、同年10月にマスターアカウントを申請していました。
このニュースを受けて、市場ではリップル社が次に承認を受ける可能性について推測が広がっています。リップル社は2025年7月に全国信託銀行憲章と連邦準備制度のマスターアカウントを申請しました。同年12月には、米通貨監督庁(OCC)から銀行憲章の条件付き承認を得たことが報じられています。
一部のアナリストは、クラーケンがリップル社のステーブルコイン「RLUSD」を決済プラットフォームに統合している点に触れ、インフラ面での連携を指摘しています。ただし、クラーケンの事例がリップル社の承認を確約するものではありません。クラーケンが申請から承認まで数年を要したように、リップル社のプロセスも長期化する可能性があるとされています。
今後の展開
もしリップル社にマスターアカウントの取得が認められた場合、同社は米国の基幹銀行決済システムの一部を担うことになります。これにより、同社の決済ネットワークにおいて暗号資産「XRP」がブリッジ資産(資産同士を繋ぐ役割)としての地位を強化する可能性があると見られています。ただし、実際の運用における具体的な影響については、現時点では不透明であると報じられています。
編集部コメント
暗号資産企業として初めてFRBのマスターアカウントを取得したクラーケンの事例は、米国における暗号資産と既存金融インフラの融合が新たな段階に入ったことを示すものといえます。承認まで数年を要したクラーケンの前例を踏まえれば、リップル社の動向を楽観視するのは時期尚早ですが、実現すれば国際決済におけるXRPの役割に大きな変化をもたらす可能性があり、市場の注目が集まるのは自然な流れといえるでしょう。