TIS株式会社と岡三証券株式会社は、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する「ブロックチェーン技術を活用した資金調達に関する研究・実証実験」の研究パートナーに選定されたと発表した。本プロジェクトではデジタル債を通じた資金調達の多様化や、投資家のエンゲージメント創出の可能性を検証する。
発表内容の詳細
開発途上国におけるSDGs達成に向けた資金需要が高まるなか、JICAは民間資金を動員する手段の多様化を検討しています。本プロジェクトでは、ブロックチェーン技術を活用したデジタル債(有価証券をデジタル化したもの)の発行について、法制度や業務フローの整理、投資家の理解促進や参画意識の醸成につながるかの検証を行います。
主な研究・実証内容は以下の通りです。
・資金調達手法としてのデジタル債の有用性およびメリット・デメリットの整理
・投資家層の拡大およびJICAの活動に対する理解・参画感を生む体験設計の検証
・JICA以外の主体(JICA BizやJICA BLUEの応募企業等)による活用可能性の検討
各社の役割としてプロジェクトオーナーのJICAは法務・決算上の制約確認などを担当します。共同企業体代表企業のTISは自社のプラットフォーム「STLINK」を活用し、投資体験の設計支援やブロックチェーン技術の活用可能性を検討します。構成員の岡三証券は、デジタル債の発行事例研究や、関係者の特定、契約等の整理、投資家への取り組み浸透策の検討などを行います。
今後の展開
2026年2月に業務委託契約を締結しており、同年5月より実証実験フェーズを開始する予定です。研究および実証の結果については2026年8月に報告書の公表を予定しています。
TISと岡三証券は、本プロジェクトで得られた成果をもとに、デジタル債などの新たな金融手法による資本市場の活性化を目指すとしています。また、投資家の体験価値向上を通じてグローバルな課題解決への参画を促し、持続可能な社会の実現に貢献する意向です。
編集部コメント
財投機関によるデジタル債発行を想定した実証実験は国内初の取り組みとなります。JICAが担う「開発途上国への資金協力」という社会的意義の高い領域にブロックチェーン技術を活用したデジタル債を持ち込む今回の案件は、セキュリティトークンの活用範囲を広げる先駆的な事例といえるでしょう。8月に公表予定の報告書が今後の類似案件に向けた指針となることが期待されます。