Gemini、AIエージェントによる暗号資産取引機能「Gemini Agentic Trading」を発表

Gemini、AIエージェントによる暗号資産取引機能「Gemini Agentic Trading」を発表

米国を拠点とする暗号資産(仮想通貨)取引所Gemini(ジェミナイ)は、AIエージェントを活用して取引を自動化できる新機能「Gemini Agentic Trading(ジェミナイ・エージェンティック・トレーディング)」を発表しました。この機能は、オープン標準であるModel Context Protocol(MCP)を通じて、ChatGPTやClaudeといった外部のAIツールと取引所を直接接続するものです。規制下にある米国の取引所が、AIエージェントによる直接的な取引ツールを提供するのは初の事例とされています。

AIエージェントによる自律的な取引とMCPの統合

Gemini、AIエージェントによる暗号資産取引機能「Gemini Agentic Trading」を発表

Gemini Agentic Tradingは、AIエージェントが利用者に代わって市場の監視、注文の発注、リスク管理などを自動で実行する取引形態を実現します。従来の自動取引とは異なり、利用者があらかじめ定義した戦略に基づき、AIが自律的に判断して行動することが特徴です。

この機能の中核には、AIエージェントがAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)にアクセスし、操作を実行できるようにするオープン標準「Model Context Protocol(MCP)」が採用されています。Geminiは自社のAPI全体をMCPと統合しており、開発者は独自の取引戦略を構築できるほか、一般のトレーダーも既存のAIエージェントをGeminiに接続して、注文の発注や市場トレンドの分析をエージェント型で行うことができます。

取引を支援するモジュール機能「Trading Skills」

利用者が容易にエージェント型取引を開始できるよう、Geminiは「Trading Skills」と呼ばれる事前構築済みの機能群を導入しました。これは、AIエージェントが取引戦略を実行する際に必要に応じて呼び出せるモジュール型のツールです。

提供開始時点で利用可能なSkillには、以下のものが含まれます。

  • Get Market Data:リアルタイムの価格、板の厚み、市場状況を取得する
  • Find the Spread:任意の取引ペアのビッド・アスクスプレッド(売値と買値の差)を確認する
  • Retrieve Candles:過去のローソク足データを取得し、パターン認識やバックテストに活用する

利用者は、例えば「ビットコイン(BTC)のスプレッドが一定以下になったら購入する」といった指示をAIモデルに与えることができ、エージェントはこれらのSkillを組み合わせて要求に対応します。

業界への影響と今後の展望

Geminiによるこの取り組みは、AIと暗号資産取引の統合を一層進めるものと見られます。特に、すでにChatGPTやClaudeなどのAIツールを利用しているユーザーにとって、既存の環境を維持したまま規制下の取引所での自動取引が可能になる点は、利便性の向上に寄与する可能性があります。

Geminiは今後、このSkillライブラリをさらに拡張していく方針を示しており、多様なスキルやモデルを用いて完全にエージェント型で取引ができる環境の整備を進めるとしています。

ポイント

  • 米国規制下の取引所として初めて、AIエージェントが直接取引を行うツールを提供。
  • オープン標準のMCPを採用することで、ChatGPTやClaudeなどの主要なAIツールとのシームレスな連携を実現。
  • 「Trading Skills」というモジュール型機能により、市場データの取得や分析をAIが容易に行える仕組みを構築。
  • 開発者から一般トレーダーまで、既存のAI利用環境を活かした高度な取引の自動化が可能になる。
  • 今後もSkillライブラリを拡張し、エージェント型取引の環境を拡充する計画。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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