ジャック・ドーシー氏が率いる米決済大手のBlock(ブロック)は、2026年3月時点でのビットコイン保有量が合計で約2万8355BTCに達したことを明らかにしました。同社は保有量の開示に合わせ、オンチェーン署名を用いた「プルーフ・オブ・リザーブ(準備金証明)」を導入しています。資産の透明性を高めることで、ビットコイン決済の普及と信頼性の構築をさらに進める狙いがあると見られます。
顧客資産と企業財務を合わせた大規模な保有状況
Blockが発表した2026年3月時点のビットコイン保有量は、2万8355BTCに上ります。これは米ドル換算で約22億ドル、日本円では約3520億円(1ドル160円換算)に相当する規模です。
保有資産の内訳についても詳細が公開されました。同社が展開するCash App(個人向け送金・決済アプリ)やSquare(事業者向け決済サービス)などのプロダクトを通じて、顧客のために管理している分が1万9357.16BTCとなっています。これに加え、同社のコーポレート・トレジャリー(企業財務資産)として8997.89BTCを保有しています。
プルーフ・オブ・リザーブの導入と業界の動向
今回の発表において、Blockは「プルーフ・オブ・リザーブ(準備金証明)」の仕組みを新たに採用しました。これはオンチェーン署名(ブロックチェーン上でのデジタル署名)を用いることで、外部の人間が同社のビットコイン保有量を独立して検証できるようにする仕組みです。
同社は、自社のビットコイン管理において「信頼する必要はなく、検証できるべきだ」という方針を強調しています。このような透明性を確保する手法は、2022年の暗号資産取引所FTXの破綻をきっかけに、BinanceやKraken、OKXなどの大手取引所の間で普及してきました。
一方で、ビットコインの企業保有で世界最大手とされるMicroStrategy(マイクロストラテジー)のマイケル・セイラー会長は、2025年5月に「発行体や投資家のセキュリティを希薄化させる」として、プルーフ・オブ・リザーブに対して否定的な見解を示しています。Blockの今回の決定は、業界内でもアプローチが分かれる中で、透明性を重視する姿勢を明確にしたものと言えます。
ビットコインエコシステムの拡大に向けた施策
Blockは保有量の公開と同時に、ビットコインの利用を促進するための複数の新機能を発表しました。
ハードウェア面では、新型の「Bitkey」ハードウェアウォレットを発表しました。ソフトウェア面では、Cash Appでの受取金を自動的にビットコインへ変換する機能や、Square加盟店での決済時に5%のビットコインキャッシュバックを行う施策などが打ち出されています。
長年ビットコイン決済の主流化を提唱してきたジャック・ドーシー氏のもと、同社は資産の透明性確保と実利的なサービス展開を並行して進めることで、ビットコインを中心とした経済圏の構築を加速させる方針です。
ポイント
- Blockのビットコイン総保有量が約2万8355BTC(約22億ドル相当)であることが明らかになりました。
- 顧客資産と自社資産の双方でビットコインを保有しており、資産の裏付けを証明するために「プルーフ・オブ・リザーブ」を導入しました。
- オンチェーン署名による検証を可能にすることで、中央集権的な管理に対する「信頼」ではなく、ブロックチェーンの特性を活かした「検証可能性」を重視しています。
- マイクロストラテジー社のようにプルーフ・オブ・リザーブに慎重な立場をとる企業もあり、業界内での透明性の確保に関する手法は分かれています。
- ウォレット開発やキャッシュバック施策などを通じ、ビットコインの決済利用を促進するエコシステムの構築を強化しています。