米CFTCがウィスコンシン州を提訴、予測市場の規制権限をめぐる連邦と州の対立が激化

米CFTCがウィスコンシン州を提訴、予測市場の規制権限をめぐる連邦と州の対立が激化

米商品先物取引委員会(CFTC)は、予測市場の規制権限をめぐり、ウィスコンシン州政府を相手取って訴訟を提起しました。この動きは、同州が主要な予測市場プラットフォーム5社を州法違反で提訴したことに対する直接的な対抗措置です。連邦政府の規制権限と州の賭博規制が衝突する形となっており、Web3関連サービスの法的基盤を左右する重要な局面を迎えています。

規制の排他的管轄権をめぐる対立の構図

米CFTCがウィスコンシン州を提訴、予測市場の規制権限をめぐる連邦と州の対立が激化

米CFTC(デリバティブ市場を監督する連邦機関)は2026年4月28日、ウィスコンシン州のトニー・エバーズ知事やジョシュア・カウル司法長官らを相手取り、連邦地方裁判所に訴状を提出しました。CFTCは訴状において、予測市場に対する自らの排他的管轄権を改めて強調しています。

この背景には、ウィスコンシン州が先週、Coinbase(コインベース)、Robinhood(ロビンフッド)、Crypto.com(クリプト・ドットコム)、Polymarket(ポリマーケット)、Kalshi(カルシ)の5社を提訴した経緯があります。州側は、これらの企業が提供するスポーツ関連のイベント契約(将来の出来事の結果に基づいて取引されるデリバティブ商品の一種)が州の賭博規制に違反し、公共の迷惑にあたると主張していました。これに対しCFTCは、州の行動は連邦規制下にある市場を不当に犯罪化し、停止させようとするものであり、議会が設計した全国的な市場監督制度への介入であると反論しています。

全米に広がる法的紛争と業界への影響

今回のウィスコンシン州に対する訴訟は、CFTCが過去1カ月間で起こした同種の訴訟としては、ニューヨーク州やアリゾナ州などに続く5件目となります。CFTCのマイケル・セリグ委員長は、州政府が議会の明確な指示を回避することはできないと述べ、強硬な姿勢を示しています。

予測市場をめぐっては、過去にMLB(メジャーリーグベースボール)とCFTCが提携して市場の健全性確保に動くなど、連邦レベルでの市場形成が進んできました。しかし、一部の州が独自の賭博法を通じて規制を試みていることで、規制の二重構造が生じています。今回の提訴の結果は、予測市場が全米で統一された連邦規制のもとで運営されるのか、あるいは州ごとの規制に左右されるのかを決定づけることになり、Web3業界のビジネス展開に大きな影響を与える可能性があります。

ポイント

  • CFTCは、指定契約市場(DCM:CFTCの監督下にある取引所)で取引されるイベント契約について、連邦政府の排他的な管轄権を主張しています。
  • ウィスコンシン州は、予測市場のサービスを州の賭博法に違反する公共の迷惑とみなしており、主要なプラットフォーム5社を提訴していました。
  • 同様の対立はニューヨーク州やアリゾナ州などでも発生しており、過去1カ月で5つの州がCFTCから提訴される異例の事態となっています。
  • 提訴された企業にはCoinbaseやPolymarketなど業界の主要プレーヤーが含まれており、判決の内容次第で予測市場の法的安定性が大きく変わる可能性があります。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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