HODL1(旧クシム)、最大64億円の資金調達を実施:調達額の約8割をイーサリアムの長期保有に充当

東証スタンダード上場企業のHODL1(旧クシム)は、第三者割当による新株予約権の発行により、最大64億2620万円を調達することを発表しました。調達資金の大部分にあたる約52億円は、暗号資産のイーサリアム(ETH)の購入に充てられる予定です。同社はイーサリアムをデジタル資産準備金として長期保有し、ステーキングを通じた収益基盤の構築を目指すとしており、Web3領域への事業転換を鮮明にしています。

資金調達の概要と具体的な使途

HODL1(旧クシム)、最大64億円の資金調達を実施:調達額の約8割をイーサリアムの長期保有に充当

HODL1は2026年4月30日、第三者割当による新株予約権の発行を通じ、最大64億2620万円を調達すると発表しました。今回の資金調達における主な使途の内訳は以下の通りです。

  • イーサリアム(ETH)の購入:約51億9600万円
  • BUIDL事業(イーサリアムエコシステム関連の開発・支援):約8億6300万円
  • 経営基盤強化費用:約3億5500万円

調達額の約8割をイーサリアムの取得に割り当てる計画であり、企業の財務資産として暗号資産を積極的に活用する姿勢が示されています。

「HODL」と「BUIDL」を軸とした事業戦略

同社は現在、事業転換を進めており、その中核として「HODL」事業と「BUIDL」事業の2軸を掲げています。

HODL事業では、取得したイーサリアムを短期売買の対象とせず、デジタル資産準備金として長期保有する方針です。保有するイーサリアムはステーキング(ネットワークの維持に貢献することで報酬を得る仕組み)を中心に運用され、インカムゲイン型の安定的な収益基盤の構築を図ります。

一方でBUIDL事業では、イーサリアムエコシステムに関連する開発や支援を行い、技術的な側面からも同エコシステムへの関与を強化していくとしています。これにより、資産保有と事業開発の両面からイーサリアム経済圏への参入を進める狙いがあると考えられます。

国内上場企業におけるデジタル資産保有の潮流

日本国内の上場企業において、企業の財務資産(トレジャリー)として暗号資産を保有・運用する動きが相次いでいます。

直近の事例では、メタプラネットがビットコイン(BTC)の買い増しのために80億円の資金調達を決定したほか、アライドもBTCやETH、SOL(ソラナ)を中心とするデジタル資産への投資を発表しています。また、リミックスポイントやSBIグループ関連企業も同様の戦略を強化しており、HODL1の今回の決定も、こうした国内企業によるデジタル資産トレジャリー(DAT)戦略の拡大を示す一例と見られます。

ポイント

  • 最大64億円の調達資金のうち、約52億円をイーサリアムの購入に充当する。
  • 購入したイーサリアムはデジタル資産準備金として長期保有(HODL)される。
  • ステーキング運用により、インカムゲイン型の収益基盤を構築することを目指す。
  • エコシステム開発を行う「BUIDL」事業と合わせ、イーサリアムを軸とした事業転換を加速させる。
  • 国内上場企業の間で広がる、財務資産として暗号資産を活用する戦略の新たな事例として注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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