オーストラリア出身のラッパーであるイギー・アゼリア氏が、自身がプロモーションを行っていた暗号資産(仮想通貨)「MOTHER(Mother Iggy)」を巡り、米国で連邦集団訴訟を提起されました。訴訟を提起した法律事務所Burwick Lawは、アゼリア氏がトークンの実用性について投資家を誤導したと主張しています。当該トークンの価格がピーク時から99.5%下落したことを受け、著名人による暗号資産プロモーションの法的責任が改めて問われています。
実社会での実用性を巡る虚偽宣伝の疑い
今回の訴訟は、ニューヨーク州南区連邦地方裁判所に提起されました。原告側であるBurwick Lawの主張によると、アゼリア氏は「MOTHER」トークンに実社会での実用性(ユーティリティ)や商業的な統合計画があると約束して購入を促しましたが、それらの約束が実現されることはなかったとされています。
この訴訟では、アゼリア氏がニューヨーク州の消費者保護法に違反したと指摘されています。投資家側は、実現しなかった実用性の約束によって誤導され、多額の損失を被ったとして、損害賠償や陪審員による裁判を求めています。
トークン価格の暴落と背景
「MOTHER」は、2024年5月にSolana(高速な処理能力を持つブロックチェーンプラットフォーム)上でローンチされたミームコイン(インターネット上のジョークやトレンドを題材にした、特有の機能を持たないことが多いトークン)です。
一時期は大きな注目を集め、価格は0.23ドルから0.27ドル付近のピークを記録しましたが、その後は急落しました。現在はピーク時の価値から約99.5%下落した状態にあり、多くの投資家が資産価値の大部分を失う結果となっています。
著名人プロモーターへの法的追及の強化
訴訟を主導するBurwick Lawは、ミームコインのプロモーターやプロジェクトを追及することで知られる法律事務所です。同事務所は過去にも、SNSで話題となった著名人やその関連トークンを対象とした集団訴訟を複数手がけています。
今回の事例は、技術的な裏付けや具体的な事業計画が乏しいミームコインにおいて、著名人の影響力を利用した宣伝行為が法的なリスクに直結することを示しています。Web3業界のビジネスパーソンにとっては、インフルエンサーを起用したマーケティングの境界線や、法的コンプライアンスの重要性を再認識させる出来事といえます。
ポイント
- イギー・アゼリア氏が、自身のミームコイン「MOTHER」に関する虚偽宣伝の疑いで集団訴訟を提起されました。
- 訴訟では、実現しなかった「実社会での実用性」に関する約束が投資家を誤導したと主張されています。
- MOTHERトークンはピーク時から99.5%価格が下落しており、投資家に多大な損失を与えたと見られています。
- 著名人による安易なトークン宣伝が、消費者保護法の観点から法的責任を問われるリスクが鮮明になっています。