米クラーケンが個人向けに規制下のスポット証拠金取引を提供開始

暗号資産取引所のクラーケン(Kraken)は、米国の個人トレーダー向けに、規制に準拠したスポット証拠金取引の提供をクラーケン・プロ(Kraken Pro)上で開始しました。このサービスは米商品先物取引委員会(CFTC)の登録事業体を通じて提供され、利用者は最大10倍のレバレッジで取引を行うことが可能です。これまで米国の個人投資家にとって制限されていた証拠金取引が、規制された環境下で利用可能になることで、投資家の保護と利便性の向上が期待されます。

米国における証拠金取引の門戸開放と消費者保護の強化

米クラーケンが個人向けに規制下のスポット証拠金取引を提供開始

今回提供が開始されたスポット証拠金取引は、保有している暗号資産を売却することなく、それを担保として資金を借り入れて取引を行う仕組みです。たとえばビットコインを長期保有している投資家は、ポジションを維持したまま流動性を得ることができます。取引終了時には借りた資金を返済し、担保とした資産は口座に残る形となります。

クラーケンによると、米国市場において規制に準拠した形で証拠金取引にアクセスできるのは、これまで主に機関投資家や高額資産保有者などの適格契約参加者(Eligible Contract Participants:一定の資産要件等を満たす投資家)に限られていました。このため、多くの個人投資家は証拠金取引を行うために、消費者保護や透明性が十分ではない海外の非規制プラットフォームを利用せざるを得ない状況にありました。

クラーケンはこの状況を証拠金ギャップと呼び、今回の新サービスによって米国内の規制された環境で取引できる選択肢を提供することで、個人投資家が非規制市場へ流出するリスクを軽減できると説明しています。

拡大するクラーケンの規制準拠サービス

クラーケンは近年、規制当局の認可に基づいたサービスの拡充を進めています。直近の動向としては、2026年2月に機関投資家向けの利回り提供サービスや、世界初とされる規制を受けたトークン化株式パーペチュアル先物のローンチを発表しています。また同年3月には、デジタル資産銀行として初となる連邦準備理事会(FRB)のマスターアカウント取得も報じられました。

今回の個人向けスポット証拠金取引の開始も、こうした一連の規制準拠戦略の一環と見られます。CFTC(米商品先物取引委員会:米国の先物やオプションなどのデリバティブ市場を監督する政府機関)の規制下でサービスを提供することにより、透明性の確保と問題発生時の救済手段の提供を図る狙いがあると考えられます。

ポイント

・米国の個人トレーダーを対象に、最大10倍のレバレッジ取引が可能なスポット証拠金取引の提供が開始されました。

・サービスは米商品先物取引委員会(CFTC)の登録事業体を通じて提供され、規制に準拠した環境が整えられています。

・これまで機関投資家等に限定されていた証拠金取引を個人に開放することで、非規制の海外プラットフォームへの顧客流出を防ぐ狙いがあります。

・保有資産を売却せずに担保として活用できるため、長期保有者にとっても流動性を確保する手段となります。

・クラーケンが進める一連の規制準拠戦略の最新事例として、米国内の暗号資産取引環境の整備に寄与する可能性があります。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

ビジネスでの活用から個人の学びまで、ブロックチェーンやトークンに関する情報を、最新動向と実務でのナレッジを踏まえてわかりやすくお届けします。編集部や事業内容の詳細は、公式サイトをご覧ください。

ニュース
ブロックチェーンマガジン by Pacific Meta