ホワイトハウスのデジタル資産担当高官であるパトリック・ウィット氏が、米国による「国家戦略ビットコイン準備金(Strategic Bitcoin Reserve)」の進捗状況を公表しました。数週間以内に関連情報の詳細が発表される予定であり、米政府のデジタル資産に対する姿勢が「売却」から「戦略的保有」へと大きく転換していることが示唆されています。
連邦政府保有資産の監査と集約が進行
マイアミで開催されたカンファレンス「Consensus 2026」に登壇したパトリック・ウィット氏(ホワイトハウス・デジタル資産アドバイザリー評議会のエグゼクティブ・ディレクター)によると、ホワイトハウスは現在、連邦政府の各機関が保有するビットコインおよびデジタル資産の精査を進めています。
これまで、各機関による資産管理は必ずしも体系化されておらず、一部ではコールドウォレット(インターネットから隔離された仮想通貨管理手段)の保管状況に課題があったケースも指摘されています。ウィット氏は、これらの資産を正確に把握し、一元的に集約・保護する作業が「水面下で着実に進展している」と述べました。
セキュリティ強化と法制化への道筋
今回の戦略的準備金の構築には、過去の資産管理におけるセキュリティ上の課題も背景にあると見られます。2025年末には、米連邦保安局(USMS)が管理していたデジタル資産ウォレットがハッキングを受け、約6,000万ドルの被害が出たことが報じられています。こうした事態を受け、政府は資産管理の厳格化と中央集権的な管理体制の構築を急いでいるとされています。
また、この準備金制度を恒久的なものとするためには、議会による法制化が必要であるとされています。現在、「デジタル資産市場透明化法(Digital Asset Market Clarity Act)」などの関連法案が議論されており、政府は法的な枠組みの整備も並行して進めている模様です。
押収資産の「売却」から「保有」への転換
これまでの米政府は、犯罪捜査などで押収したビットコインを公売にかけるのが一般的でした。しかし、現政権下では大統領令に基づき、これらの資産を「戦略的準備金」として長期保有する方針へと転換しています。
ウィット氏は、押収されたすべての資産が自動的に準備金に組み込まれるわけではなく、法的な手続きを経て整理される必要があると説明しています。数週間後に予定されている発表では、準備金の規模や具体的な運用構造について、より踏み込んだ内容が明かされると見られます。
ポイント
- ホワイトハウスが「国家戦略ビットコイン準備金」の詳細を数週間以内に発表する予定です。
- 各政府機関に分散していたビットコインの監査と集約作業が最終段階にあるとされています。
- 押収資産を即座に売却せず、国家資産として長期保有する方針を明確にしています。
- 過去のハッキング被害を教訓に、高度なセキュリティを備えた一元管理体制の構築が進められています。
- 準備金の法的根拠を確立するため、議会での法制化を通じた恒久的な枠組み作りが注目されます。