ビットコインマイニング大手のCore Scientific(コア・サイエンティフィック)は、オクラホマ州を拠点とするマイニング企業Polaris DSを買収することで合意しました。この買収は、同社が進めるAI(人工知能)データセンター事業への転換戦略の一環であり、電力容量の大幅な確保を目的としています。ビットコインマイニングからAIインフラ提供へとビジネスモデルをシフトさせる動きとして、業界内で注目されています。
電力容量の確保とAI事業への転換加速
コア・サイエンティフィックは2026年5月6日、Polaris DSの買収契約を締結したと発表しました。Polaris DSはOklahoma Gas & Electricとの契約を通じて440MW(メガワット)の電力容量を確保しており、今回の買収によりコア・サイエンティフィックはこの電力を引き継ぐことになります。
この動きは、オクラホマ州マスコギーにあるキャンパスの総電力容量を約1.5GW(ギガワット)まで拡大するという同社の多段階戦略に基づいています。AI事業の展開には膨大な電力が必要となるため、既存のマイニング拠点の電力インフラをAIデータセンターへ転用することで、事業転換のスピードを速める狙いがあると見られます。
収益構造の変化と今後のスケジュール
同社の戦略転換は、すでに決算数値にも現れています。2025年第4四半期決算によると、総売上高は前年同期の9490万ドルから7980万ドルへと減少しました。特にビットコインマイニングによる収益が約7990万ドルから約4220万ドルへと半減した一方で、コロケーション(顧客のサーバーを預かり運用する事業)収益は850万ドルから3100万ドルへと大幅に増加しています。
今後のスケジュールについては、今回の買収は規制当局の承認を経て、2026年第3四半期に完了する見込みです。また、マスコギーのキャンパスでは現在、70MWの設備が稼働準備段階にあり、2026年第2四半期に顧客へ引き渡される予定です。さらに、82.5MW規模の2棟目の施設建設も進められており、こちらは2027年第4四半期の引き渡しを計画しています。
ポイント
・コア・サイエンティフィックがマイニング企業Polaris DSを買収し、440MWの電力容量を継承します。
・オクラホマ州マスコギーの拠点を1.5GWまで拡大し、AIデータセンター事業への転換を急いでいます。
・収益構造がマイニング依存から、AI関連を含むコロケーション事業へとシフトしていることが鮮明になっています。
・買収完了は2026年第3四半期を予定しており、インフラ供給のスケジュールが大幅に前倒しされる見込みです。
・ビットコインマイナーが保有する電力網や施設が、AIインフラとしての価値を高めている好例と言えます。