21SharesがCanton NetworkのETF「TCAN」をNasdaqに上場

資産運用会社の21Sharesは、機関投資家向けブロックチェーン「Canton Network(カントン・ネットワーク)」のネイティブトークンに連動するETF(上場投資信託)「TCAN」をNasdaqへ上場しました。これまで金融機関が主導してきた同ネットワークにおいて、個人投資家(リテール)の関心が高まっていることを受けた動きと見られています。機関投資家向けのインフラと一般の投資市場を結ぶ新たな接点として、Web3業界および金融業界で注目を集めています。

米国初となるCanton Coinへの直接投資手段

21SharesがCanton NetworkのETF「TCAN」をNasdaqに上場

21Sharesが新たに提供を開始した「21Shares Canton Network ETF(ティッカーシンボル:TCAN)」は、Canton Networkのネイティブユーティリティトークンである「Canton Coin(CC)」の価格パフォーマンスへの連動を目指す投資信託です。

このETFは、信託報酬(経費率)を0.50%に設定しており、原則として純資産の80%以上をCanton Coin、または同トークンへのエクスポージャーを提供する金融商品に投資する方針を掲げています。米国市場において、Canton Networkのトークンに直接投資できるETFが上場するのは今回が初めての事例となります。

機関投資家に特化した「Canton Network」の特性

Canton Networkは、金融機関が求めるプライバシー保護と相互運用性を両立させるために設計されたブロックチェーンエコシステムです。米Digital Asset社を中心に開発され、ゴールドマン・サックス、マイクロソフト、デロイト、SBIデジタルアセットホールディングスなどの大手企業が参加・支援していることで知られています。

技術的には「ネットワーク・オブ・ネットワーク(ネットワークの集合体)」という構造を採用しており、各金融機関が独自のガバナンスを維持しながら、機密情報を保護した状態で他のネットワークと資産やデータをやり取りできる仕組みを備えています。主に実資産(RWA)のトークン化や、レポ取引などの高度な金融業務への活用が進められてきました。

業界への影響とリテール需要の拡大

今回のETF上場は、Canton Networkにおけるリテールの関心が、これまでの機関投資家による支配的な利用状況に追いつき始めているという市場の変化を反映しています。

これまでCanton Networkのインフラは、主にプロフェッショナルな金融機関による資産運用や決済の効率化のために利用されてきました。しかし、ETFという伝統的な金融商品を通じて提供されることで、一般の投資家も銀行や証券口座を通じて、機関投資家向けブロックチェーンのエコシステムへ容易に投資することが可能になります。これは、機関投資家主導の技術基盤が、より広範な資本市場へと浸透し始めている重要なステップであると解釈されています。

ポイント

  • 21SharesがCanton Networkのネイティブトークンに連動するETF「TCAN」をNasdaqに上場しました。
  • Canton Networkは、ゴールドマン・サックスやマイクロソフトなどが参加する、プライバシー重視の機関投資家向けブロックチェーンです。
  • 本ETFの上場は、機関投資家が主導してきた同ネットワークに対し、個人投資家の需要が拡大している傾向を反映しています。
  • 機関投資家向けの高度な金融インフラと一般投資家を、ETFという透明性の高い金融商品でつなぐ役割が期待されます。
  • 資産のトークン化(RWA)や相互運用性を重視するエコシステムへの投資機会が、米国市場で初めて一般に開放された点で重要です。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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