ビットワイズ、スーパーステートのトークン化ファンドの運用を継承

暗号資産運用大手のビットワイズ・アセット・マネジメント(Bitwise Asset Management)は、2026年6月1日付でスーパーステート(Superstate)が提供するトークン化ファンド「Superstate Crypto Carry Fund(USCC)」の投資運用業務を引き継ぎます。今回の運用移管に伴い、同ファンドは「Bitwise Crypto Carry Fund」へと改称される予定です。この動きは、トークン化インフラを提供する企業と、専門的な資産運用会社との役割分担が明確化しつつある業界の動向を象徴するものと見られます。

運用体制の変更とファンドの現状

ビットワイズ、スーパーステートのトークン化ファンドの運用を継承

ビットワイズによる運用引き継ぎは、2026年5月7日にスーパーステートより発表されました。ビットワイズは現在、110億ドル(約1兆7050億円)を超える顧客資産を運用しており、その機関投資家向けの専門知識をUSCCの運用に投入します。

USCCは、暗号資産の現物価格と先物価格の差を利用する「キャリー取引(現物購入と同時に先物を売却し、価格差を収益とする戦略)」を主軸としたファンドです。ローンチ以来、100社を超える機関投資家が参加しており、運用資産残高(AUM)は2億6000万ドル(約403億円)を超えています。そのうち1億ドル(約155億円)以上が、オンチェーン市場において担保として積極的に運用されている実状があります。

スーパーステートの戦略転換と「FundOS」の普及

スーパーステートは今後、自社でのファンド運用から、ファンドをオンチェーン化するためのインフラストラクチャ「FundOS」の提供へと注力する方針です。USCCはもともと、FundOSの技術的な実証例として構築された経緯があります。

同社は2026年3月にも、運用資産2兆2000億ドルの大手インベスコ(Invesco)に対し、トークン化米国債ファンドの運用を移管することを発表しています。今回のビットワイズによる引き継ぎが完了すれば、ビットワイズはインベスコ、およびコインベース・アセット・マネジメントに続き、FundOSを採用する3社目の主要な資産運用会社となります。

コインベースについても、2026年4月にFundOSを採用し、ステーブルコイン信用ファンドのオンチェーン持分クラスを発行する計画が明らかになっています。

ポイント

  • ビットワイズが2026年6月1日にUSCCの運用を継承し、ファンド名を「Bitwise Crypto Carry Fund」に変更します。
  • スーパーステートは自社運用を終了し、ファンドをオンチェーン化する基盤技術「FundOS」の提供に特化します。
  • USCCは100社以上の機関投資家が参加し、2億6000万ドル以上の運用資産を持つ実力のあるファンドです。
  • インベスコやコインベースに続きビットワイズが採用したことで、FundOSが機関投資家向けトークン化インフラとしての地位を確立しつつあると見られます。
  • 伝統的な資産運用会社がオンチェーン技術を取り入れる動きが加速しており、業界の構造変化を示唆しています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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