証券基盤APIを提供するフィンテック企業のAlpacaDB Inc.(以下、アルパカ)は、米国の証券清算・決済機関であるDTCCが主催するトークン化証券の業界ワーキンググループに参加することを発表しました。米国証券市場の中核を担うDTCCは、2026年のサービス開始に向けて50社以上の企業と実用化の検討を進めています。この取り組みは、伝統的な金融資産のデジタル化を加速させる重要な一歩となることが期待されます。
DTCCによるトークン化サービスの計画とスケジュール
DTCC(デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション)は、米国証券市場における清算、決済、保管などを担う中心的な金融インフラ企業です。同社は現在、米国株や米国債などのトークン化(資産の権利をブロックチェーン上のデジタルトークンに置き換えること)に向け、金融機関や暗号資産関連企業など50社超と共同で検討を進めています。
このトークン化サービスは、2026年7月に限定的な本番取引を行い、同年10月に正式なサービスを開始する予定です。提供される資産の対象には、Russell 1000の構成銘柄や主要指数に連動するETF(上場投資信託)、米国債など、流動性の高い資産が計画されています。米国市場の決済を支えるDTCCが主導することで、トークン化証券の実用化が大きく前進するものと見られます。
アルパカの知見活用とプロジェクトへの貢献
アルパカは昨年、金融機関が保有する米国株を即時にトークンと交換できる「Instant Tokenization Network」を立ち上げました。今回のワーキンググループ参加により、同社は米国株のトークン化インフラ構築で培った技術的な知見をDTCCのプロジェクトに生かすとしています。
なお、アルパカのグループ企業である日本法人のAlpacaJapan株式会社については、現時点で暗号資産およびトークン化証券の取り扱いは行わないとしています。
今回の連携は、既存の金融インフラにブロックチェーン技術を統合する試みであり、証券取引の効率化や透明性の向上に寄与する可能性があります。
ポイント
・アルパカが米国の金融インフラ中核であるDTCC主催のトークン化証券ワーキンググループに参加しました。
・DTCCは2026年10月のトークン化サービス開始を目指し、50社超の企業と連携して開発を進めています。
・トークン化の対象には、米国債や主要株価指数連動ETFなど、市場で流動性の高い資産が含まれる計画です。
・アルパカは自社のトークン化インフラ構築で得た知見を共有し、実用化に向けた検討に貢献します。
・米国証券市場の主要機関が動くことで、トークン化証券がより一般的な金融商品として普及する可能性があります。