Coinbase、2026年第1四半期は3億9410万ドルの純損失を計上

米暗号資産取引所大手のCoinbase(コインベース)は、2026年第1四半期(1月〜3月)の決算を発表しました。暗号資産市場の低迷に伴う取引量の減少が響き、約3億9410万ドルの純損失を計上して2四半期連続の赤字となりました。同社は現在、コスト削減とAI(人工知能)を中核に据えた運営体制への移行を進めており、市場の変動に左右されにくい収益構造の構築を急いでいます。

取引収益の大幅減とサブスクリプション部門の推移

Coinbase、2026年第1四半期は3億9410万ドルの純損失を計上

2026年第1四半期の売上高は14億1000万ドルで、前年同期比31%の減少となりました。特に収益の柱である取引収益が7億5580万ドルと、前年同期比で40%減少したことが全体の業績を押し下げています。これは、ビットコインが8万ドルを割り込むなど市場価格が下落し、投資家の取引活動が停滞したことが主な要因と見られます。

一方で、同社が取引手数料への依存を減らすために注力しているサブスクリプションおよびサービス収益は、前年同期比14%減の5億8350万ドルに留まりました。取引収益に比べて減少幅が小さく、収益の安定化に一定程度寄与しているとされています。

AIネイティブな組織への転換と構造改革

収益環境が悪化する中、コインベースは運営体制の抜本的な見直しに着手しています。5月5日には、全従業員の約14%にあたる約680人の人員削減を実施すると発表しました。この削減は、市場低迷への対応という側面に加え、AIを組織の中核に据える「AIネイティブ」な運営への転換を目的としています。

ブライアン・アームストロングCEOは、AIツールの活用によって開発や業務の効率が飛躍的に向上していることを挙げており、組織をスリム化することで創業時のスピード感を取り戻すとしています。この再編に伴う費用として、2026年第2四半期に約5000万ドルから6000万ドルが計上される見通しです。

AWSとの連携によるオンチェーン決済の拡大

厳しい財務状況が続く一方で、コインベースは次世代の決済インフラ構築に向けた提携を強化しています。5月8日には、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)が発表した「AIエージェント決済機能」において、Stripe(ストライプ)とともに連携することが公表されました。

この連携により、AIエージェントがUSDCなどのステーブルコインを用いて、オンチェーン(ブロックチェーン上)での決済を自動的に実行できる環境の整備が進められます。取引所ビジネスを超え、AI主導の経済圏における金融インフラとしての地位を確立することで、新たな収益源を確保する狙いがあると見られます。

ポイント

  • 2026年第1四半期は3億9410万ドルの純損失となり、2四半期連続の赤字を記録しました。
  • 取引収益が前年比40%減と大幅に縮小する中、サブスクリプション収益は比較的堅調に推移しています。
  • 市場低迷への対応とAI活用による効率化のため、従業員の約14%を削減する構造改革を実施しています。
  • AWSのAIエージェント決済機能との連携など、オンチェーン経済の基盤構築を推進する姿勢を鮮明にしています。
  • 取引手数料依存からの脱却を目指し、AIネイティブな企業構造への転換による長期的な安定成長を模索しています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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